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サーキットには守るべき決まりがある

クルマを安全に速く走らせるには一定の決まりを守らなければならない。

堅苦し位¥いことは嫌いだ、と言っても始まらない。次に揚げる決まりは何もユイレーシングスクールが作ったものではない。19世紀末にモータースポーツが始まってからどうやったら安全に走れるのかが長い間考えられ、1960年代初頭になってようやく理論として体系化された「安全に走るためのルール」だ。

 運転手がどんなに頑張って速く走ろうとしても、絶対にクルマさんの性能以上には速く走れない。
 速く走りたければ、クルマさんに速く走ってもらえるように努力しろ。
 速く走るためには、クルマさんが性能を発揮しやすい状況を運転手が作れ。
 運転手が速く走ろうとあがいてみても、クルマさんの意向にそっていなければ速くは走れるわけがない。
 速く走るのはクルマさん。運転手までもが速く走っているつもりになるな。
 速い操作(慌てた操作、雑な操作)をする必要もない。
 クルマさんは人間よりずっと重い。小回りが聞かないのは当たり前。
 運転手の操作とクルマさんの反応には時間的なズレがある。クルマさんは自分の手足ではない。他人だと思え。
 サーキットを走る場合、クルマさんを振り回して楽しむのか、それともクルマさんとの共同作業で自分の限界に挑戦してみるのか、どちらかにはっきり決めろ。
 ラップタイムを基準に速く走るのが目的とするならば、運転手は必要最低限の操作をしろ。
 速く走るためにはクルマさんが性能を発揮しやすい「直線」を重視した走りを組み立てろ。
 タイヤのおいしいとことろを存分に使わせてもらうためにはブレーキングはできるだけ直進状態で、コーナリングはイーブンスロットル(加速も減速もしない状態)で行え。
 直進状態でのフル加速とフルブレーキング以外、サーキット走行は常に妥協(折り合い)の連続と知れ。
 加速する、曲がる、止まるの3要素を瞬間瞬間にどう妥協させるか常に気を配れ。
 高速走行中はすなおになれ。失敗したら恥ずかしがらずに非を認めろ。
 テクニックがないのに自分のミスを隠す為にリカバリーしようとすると、必ずしっぺ返しを食らう。
 クルマさんが不安定になるのは運転手の操作が間違っているからだ。心してかかれ。
 自分のミスをクルマさんのせいにするナ。

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