YRS + MECCA EPプロジェクト アップデート
05/15/07
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ユイレーシングスクールが卒業生のステップアップのために進めてきたEPプロジェクトが動き出した。既に5月6日にツインリンクもてぎで行われた日本アイドラーズクラブ主催の300キロ耐久レースに卒業生が参加。豪雨の中、初めて走るコースにも関わらずセッティングも終わっていないEPロードスターを完走へと導いた。
ユイレーシングスクールが開発しているEPロードスターは、アメリカのモータースポーツ統括団体SCCA(スポーツ・カー・クラブ・オブ・アメリカ)が定めるプロダクション車両規定のうちのEクラスに該当する。右ハンドルではSCCAの全米選手権には参加できないが、現状でもSCCAカリフォルニアのリージョナルレースでは参加が認められる車両だ。
ユイレーシングスクールでは今年、シャーシと足回り以外はノーマルの状態でいくつかのレースに参加する予定だ。エンジンの改造をエキゾーストマニフォールドの交換、レース用マフラーの取り付け、エアフローメーターの移設だけにとどめたのは、コーナリングマシンとも呼ばれるEプロダクションカーのコーナリング特性を見極めるため。去る3月26日。筑波サーキットドライビングスクールの合間に行ったシェイクダウンテストでは5年目の前後異なるブランドのタイヤを履き、セッティングもしないままコース1000を44秒フラットで駆け抜けたほどポテンシャルは高い。今後は卒業生のトレーニングを兼ねてセッティングのあり方をも模索していく。
なにはともあれユイレーシングスクールが日本への導入を決めたEPロードスターの概要をお見せする。
尚、EPロードスターの開発には日本のレーシングガレージの草分けであるメッカに協力していただいた。

○Eプロダクション規定ではNASCARストックカーのようなフルチューブフレームも製作可能だが、ユイレーシングスクールとしては日本でEPロードスターを増やすことも視野に入れているのでノーマルのフロアパンにロールケージを組み立てる方法を選んだ。
○ロールケージの太さ、形状、取り付け位置は車両規定で細かく定められている。逆に最低地上高は二本のタイヤがパンクしてもシャーシのいかなる部分も設置しなければ可、と安全にはうるさいが速さに関しては努力できる範囲は広い。
○2001年からロールケージの規定が変わり厳しくなった。ロールケージ上縁の幅も規制されるなど、いささか無粋な格好になったがいたしかたがない。 ○ロールバーはドライバーの前後に装着しなければならない。メインフープ、フロントフープから何本ものブレースが伸びる。
○燃料タンクを規定の範囲内で助手席があったところに移したのでリアの軸重は大幅に減少した。 ○前後ともバンパーのリインフォースメントを省いたので前後のオーバーハングの重量も大幅に減少した。
○フロントには4ピストンキャリパーを装着した。ブレーキローターも特注品。ハットはアルミ製に変更した。 ○リアには2ピストンキャリパーを装着した。現状では十分すぎるストッピングパワーを発揮する。
○コクピッとを俯瞰するとブレースがありこちに走っているのが分かる。 ○カウルの下にフロントフープが見える。写真では見えにくいがシフトレバーの横に前後のブレーキバイアスを変えるバルブがある。 ○メインフープとフロントフープを2本のサイドバーでつなぐ。シャーシのトーショナル剛性は大幅に向上した。 ○現在はノーマルのシートレールを使ってシートを固定しているが、将来的には床に直接固定するためステアリングホイールにはクイックレリーズハブを採用した。
○ペダルアッシーもレース用に変更。ブレーキマスターシリンダーはタンデム。バランスバー付きだ。ステアリングシャフトもロッドエンドジョイントを2個使って新設した。 ○助手席のあったところに安全燃料タンクが置かれる。ブレースをぬいながら燃料タンクをドライバーから隔離するファイアウォールの取り付けが困難を極める。 ○写真では燃料タンクが露出しているが走行時にはこの上にアルミ製のファイアウォールがかぶさる。 ○燃料タンクの前にコレクタタンク。その前に電磁ポンプをおいた。バッテリーも移設した。
○今年ノーマルエンジンで走る限りにおいてはZ101を履く。サイズはフロントが195、リアが205の予定だ。ホイールあh7J。 ○カーボンファイバーボディのセンターマウントのミラー。
○車両規定で貼付が決まっているSCCAクラブレーシングのステッカー。 ○ユイレーシングスクールのステッカー。 ○SCCA競技参加車に義務付けのSCCAステッカー。