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Go ★ Circuits No.84 (04/03/01)

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【 84号の目次 】

★ 筑波エンデューロ開催

□ 筑波タイムトライアル参加申し込み受付中

△ アメリカンカートレース開催

○ コーナーのむこうに。 第四話 VR その2

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★ 筑波エンデューロ開催

4月28日に予定している日本初の「ふつうのクルマ」による耐久レースです
が、現時点で申し込みは5台(プラス内定1台)です。以前に「3月末の時点
で云々・・」と書きましたが、最終的に開催することを決めました。

また、参加規程も若干の見直しを行いました。
http://www.avoc.com/school/program/enduro/enduro2001rule.htm

前回のメールマガジンにも書きましたが、日本のモータースポーツ(走行会な
どを含めた全てのクルマの運転を楽しむ行事)は目指すところが「ちょっとズ
レテイルなぁ」と思います。

なんか「速さ」ばかり盲目的に追求するあまり、ギスギスして、余裕がなく、
笑顔がなく、とても「楽しんでいる」ようには外国人の目に映らないのです。

それで、とにかく楽しむことを大前提に考えた場合、スピンもコースアウトも
しないイベントを開催することが急務だと考えたわけです。

「走り出せば熱くなる」のはわかります。しかし「熱くなる」からといって危
険をおかしていいものではありません。クルマが楽しいのは「自分を含めた全
て」をコントロールするからです。

それで筑波エンデューロの参加規程に過去のYRS参加者と定めたのですが、
一方で過去にYRSの座学を聞かれていない方が参加する道を閉ざしてしまっ
てもいました。

ユイレーシングスクールが目指すところは、安全にクルマを楽しむことです。
おそらくYRSのイベントに参加していただいている方々にはその思想をご理
解いただいていると思っていますが、その思想をより多くの方にご理解いただ
くことも大切なことなので、今年に限っての話になると思いますが、筑波エン
デューロの参加規程を見直した次第です。

結論として、参加チームは監督を指名し、その方が条件を見たいしていればよ
いことにしました。監督にユイレーシングスクール臨時インストラクターにな
っていただいて、当日までにYRSで得たハウツーをチームドライバーに伝え
ていただくことを目論んだのです。もちろん、ドライバーズミーティングで最
終的な確認をしようと思います。

とにかく、台数が少なくても第1回目の筑波エンデューロを開催してみます。
時間のある方は見学にいらして下さい。


※ 参加規程についてはいろいろな意見をいただきました。賛同もあれば非難
もありました。おそらく、ここに紹介するメールがみなさんの意見を代弁して
いると思うので、本人の了解を得て掲載します。


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初めまして、渡辺政彦と申します。

筑波エンデューロに参加したいと思い、準備を始めたところです。準備と言っ
ても私自身ドライビングワークショップに何時参加しようかと計画している段
階ですので実際に参加できるのはまだまだ先になりそうです。
出来れば今年中に1戦、来年か再来年には全戦参加を目指しています。

私の友達の多くはレースに興味が有り、機会があれば参加したいと考えている
者も多いのですが、なかなか簡単にはレースに参加は出来ません。そこで、私
がマシンその他を提供して一緒にレースを楽しむ”場”が出来ればと思い、筑
波エンデューロの参加を目標にしました。
その目標が成立しなくなってしまうのは困るので、現時点で参加申し込みが無
い、という事を聞き何か協力できないかと思いメールしました。

私が参加を目指して準備を始めた事で判った疑問をお知らせします。参加資格
はドライバー全員が該当しないといけないのでしょうか?
クルマに興味がある友達がいたとしても、同じドライビングスクールに興味を
持って同じスクールに参加することはまれだと思います。それぞれのスタイル
に合うスクールに参加したり、走行会でとにかく練習したり人それぞれです。

参加しよう、と思ってドライバーを集めても、自分以外のドライバーに参加資
格を得てもらわないといけません。この点が私にとって一番の障壁です。より
安全で楽しいレースにするために設けた参加資格であることは理解できますが
何か工夫は出来ないでしょうか?

例えばこんなのはいかがでしょう?
・ドライバーのうち少なくとも一人はスクールまたはタイムトライアルの経験
者とする。
・その他のドライバーは座学で可とする。
・エンデューロではスクール未経験者のために午前中に座学を設ける
・出来ればスクール未経験者のために短時間の練習走行を設ける

以上、失礼な内容も有ったかもしれませんが、ぜひ筑波エンデューロを実現し
ていただきたくてメールしました。お返事をいただけると幸いです。


※ 渡辺さん 貴重なご意見ありがとうございました。

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□ 筑波タイムトライアル参加申し込み受付中

4月28日(土)に第6回YRS筑波タイムトライアルが開催されます。

3月10日の第5回に1台ずつ走行して計測するフォーマットを採用しました
が、走行時間を増やしてほしいという要望が多数ありましたので、昨年来行っ
てきた同時走行のフォーマットに戻して行います。

プラクティスでのラップタイムを参考にし、速さに差がない車両のグループを
再編成してタイムトライアルを行います。

筑波タイムトライアル開催要項
http://www.avoc.com/school/program/time_trial/trial2001rule.htm

筑波タイムトライアルレポート(2001年分)
http://www.avoc.com/result/ttt/index_tt2001.htm

筑波タイムトライアル参加者アンケート集計(2000、2001年分)
http://www.avoc.com/data/voice/voice_top.htm

※ タイムトライアル終了後にアメリカのレースの話をしたいと思っています。

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△ アメリカンカートレース開催

筑波エンデューロ第1戦と第6回YRS筑波タイムトライアルが開催される4
月28日。ユイレーシングスクールのイベントにカートレースが登場します。

題してアメリカンカートレース。

4月3日の時点で最終的な規則書ができあがっていませんが、ほぼサイトに掲
載してある内容で開催できると考えています。

もちろんライセンスは要りません。

次号のメールマガジンでは最終的な案内をお届けできると思いますが、どんな
内容のイベントが開催されるのか、興味のある方はご覧下さい。

アメリカンカートレース開催規則書
http://www.avoc.com/school/program/kart/kart2001rule.htm

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○ コーナーのむこうに。 第四話 VR その2

あたり一面に目がチカチカするような匂い。涙がにじむ。そう。アルコール燃
料の焼けた匂い。

ミヂェットはインディーカーと同じメタノール燃料を使う。発火点が高い(≒
オクタン価が高い)から圧縮比を上げられる。

ミヂェットのエンジンは多彩。直列4気筒もあれば、V型4気筒、V型6気筒
、V型8気筒もある。参加者の選択肢を増やすことと、エンジン製造メーカー
に自由度を与えるためだ。

エンジン形式も様々。OHVもあればOHCもある。今流行りのDOHCは(
コストが高いから)少数派。それぞれに排気量の上限が決まっているから、性
能は拮抗する。

ほとんどのエンジンが15〜16という高い圧縮比から300〜320馬力を
発生する。例えば直列4気筒のエスリンガーエンジン。2300ccの排気量
から310馬力を搾り出す。リッターあたり150馬力の比出力。

見ているだけでもあきないいろいろなエンジンにも共通点がある。それはトラ
ンスミッションを持たないこと。つまり直結。エンジンをかければクルマは動
き出すし、エンジンが止まればクルマも止まる。

車両規定の改定でクラッチを備える車両もあるが、基本はプッシュスタート。
押しがけだ。

フロントにエンジン。出力は短いドライブシャフトを介してクイックチェンジ
と呼ばれるデフにつながる。ドライバーはドライブシャフトのハウジングとリ
アサスペンションのトレーリングアームを兼ねるトルクチューブをまたいで座
る。お尻の下にデフがある。

トルクチューブの右側に踏み下ろすタイプのスロットルペダル。左側に2セン
チもストロークのないブレーキペダル。もちろん、クラッチはない。

シートは文字通りのバケットシート。ただしドライバーの肩はサポートしない
。胸だけ。左右から胸を包み込むように張り出したシートにまっすぐ座ること
はできない。身体を横にして「薄く」しないとシートに収まらない。

座ったら最後(!?)、すごく安心した気持ちになる。なにしろ、シートバッ
クはほぼ直立。座面は水平。ファイアウォール(≒ダッシュボード)に届きそ
うな膝は直角に曲がる。小学校に入学して、初めて椅子に座ったような姿勢。

ステアリングに手を伸ばす。5点式ハーネスを締め上げた状態ではステアリン
グの「向こう側」にやっと手が届く。なにしろ、ステアリングホイールが寝て
いる。トラックのステアリングホイールより寝ている。ステアリングシャフト
はほぼ直立。

背骨と平行に近い。これが速さの秘密その1。

ミヂェットもクルマ。タイヤは4つついている。が、ほとんどの場合、4本の
タイヤのサイズはみな異なる。1番太くて大きいのが右の後輪。小さくて細い
のが左の前輪。もちろん、トレッドパターンも違う。

トラックによって変えるのだが、カントが7度くらいのクォーターマイルダー
トでは左右の後輪の「外周差」を18センチほどつける。アメリカのオーバル
トラックは全てカウンタークロックワイズ(左回り)。

だから、スロットルを開ければ、ミヂェットは左へ回る!これが速さの秘密そ
の2。

近年はペイブド(舗装)のトラックも増えているが、80年代はほとんどがダ
ートトラック。ダートでは、例えそれがマイルオーバル(1週1.6Km)だ
としても、ブレーキは3輪にしか効かない。

リアは「直結のシャフト」にひとつのブレーキ。前輪には左側にしかキャリパ
ーのブラケットもない。結局、ミヂェット1台にブレーキは2つ。効くのは3
輪。

だから、ブレーキを踏めば、ミヂェットは左前輪を軸に左へ回る。これが速さ
の秘密その3。

静止しているミヂェットが傾いているように見えるのは、なにもでこぼこした
土のパドックでセッティングをしたからではない。後輪はもちろん、ソリッド
アクスルで結ばれた前輪も、タイヤごとに車高は異なる。「どうすれば滑りや
すい路面」を速く走れるかという永遠の課題に対する答え。

ミヂェットに乗るにはロールケージをまたいでシートの真上から入る方法と、
横から潜り込む方法がある。いずれにしろ、ドライバーが体重をかけたとたん
にミヂェットがグラリとするぐらいサスペンションのスプリングは柔らかい。

ロールケージを掴んで「揺すぶれば」、すぐにでも「コケソウ」だ。が、コケ
ソウになっても4つのタイヤは地面から離れない。それだけストロークがある
。縮み側はもりろん、伸び側もだ。これが速さの秘密その4。

VRのパドックでミヂェットの左後輪を指差し、「このタイヤパンクしている
んじゃない?」と聞くと、間違いなく「ニヤリ」とされる。それが「ふつう」
だから。

これまたトラックにも、同じトラックでも湿り具合によって変えるが、おおむ
ね左前輪の空気圧が最も低い。メトリックで言うならが、0.3Kg/Cmx
Cm。

最も高いのが最大の荷重がかかる右後輪だが、それでも0.7Kg。あとの2
本は0.4Kg。これが速さの秘密その5。


そのタイヤが、走れば走るほどに固まるダートトラックにブラックマークをつ
ける!!!

ターンの脱出でパワーオンにすればタイヤスモークを上げる!!!

クォーターマイルダートを1周12秒。

速い人が陸上競技場の正面で100mを走っている間に、ミヂェットは1周す
ることができる。

なぜか? それは人間が機械を正確にコントロールしているから。機械の動きを
看破できる人間が運転しているからに他ならない。



<VR編は次号に続く>


∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞



関連記事
http://www.avoc.com/data/articles/opinion/o9905.htm

●ビデオ「ミヂェットレースへの招待」の通信販売
56分のビデオには車両解説はもちろん、USACのレースシーンもふんだん
。「クルマのすごさ」をするためにはうってつけの1本。脚本・制作・出演は
トム ヨシダです。
http://www.avoc.com/mail_order/yrs/y1_video_midget.htm

アメリカのダートトラックレーシングスクール
http://sprintcar.com/school/
※600馬力エンジンを搭載したタンデム2座席のスプリントカーに乗ること
ができます。400mダートトラックを12秒で走り切る世界を垣間見ること
ができます。


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□ オリジナルサイト:http://www.avoc.com
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