Home > YRS Media-Info >

≡≡ Yui Racing School presents ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

Go − Circuit No.190 (06/07/04発行)

---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかしク
ルマ安全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していないと
楽しくもないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「クル
マさんとの正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●ユイレーシングスク
ールからの提案です。●公道では安全運転を。サーキットではそれなりに。
======================================================================
1)YRSオーバルレース第一戦
2)YRSオーバルレース第1戦参加申し込み受付中
3)YRSバラエティオブカリキュラム参加申し込み受付中
4)7月10日筑波スプリント&エンデューロ申し込み受付開始
5)YRSドライビングスクールFUJI開校
6)トム ヨシダのドライビングチップス
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
1)YRSオーバルレース第一戦

前日の雨もあがり、澄んだ空気の遠くかなたに浮かぶ箱根の山々を仰ぐ富士
スピードウエイジムカーナ場。三々五々に集まった参加者は駐車場に荷物を降
ろしている。オーバルコースの舞台となるジムカーナ場は一段と降ったところ
にあり、駐車場からはその隅々まで見渡せる。オーバルコースとの距離もちょ
うどいい按配で、レースの進み具合が手に取るようにわかる絶好の観戦スタン
ドとなっている。
静まりかえった周囲の木々から聞こえる鳥のさえずりに混ざって参加者の声
が響く。初めてのオーバルレースの展開を案じているのか、どうなんだろうと
不安げな会話。初めてのオーバルレースに興味津々といった笑い声。絶対に第
一戦をものにするぞとの決意のあらわれなのか、ひとり寡黙な参加者。いずれ
にしろ、間もなくツインリンクもてぎのダートトラック以外では初めて日本で
開催される参加型ショートオーバルレースが始まる。

9時からの走行開始に先立ち、マシンをジムカーナ場のパドックへ移動させ
るようにとのアナウンス。出走準備を整えたマシンがパドックに並ぶ。いよい
よプラクティス開始だ。6台ずつコースに入ったマシンがウォーミングアップ
を始める。全開で走らないマシンは外周を通るようにドラミで申し合わせてい
たせいもあり、まだターンの頂点でインに着くマシンはいない。ウェービング
してタイヤを暖めるもの。イーブンスロットルでターンインしタイヤのグリッ
プを確かめているもの。ストレートで左足ブレーキングを使いパッドを暖めて
いるもの。
と、1台のマシンがストレートでそれまで以上に加速した瞬間、高い速度で
インに切れ込んだ。ブレーキ引きずってはいるが減速はしない。フロントタイ
ヤはブレークしそうでしない。ロールを始めたリアタイヤがわずかに流れる。
前後のタイヤがグリップを失う寸前の絶妙のことろでバランスし、マシンを前
に前に進める。
その後は6台の高速コーナリングのデモンストレーション。とにかく1周3
50mのコースを走っているとは思えない速度でふたつあるターンを次々にク
リアしていく。ターンインの位置を前後に変えてコーナー速度の最下点を探っ
ているもの。立ち上がりでスロットルを開ける位置を奥にずらしトラクション
のかかり具合を確かめているもの。たった6台とは言え高速で移動を続けるマ
シンが引き起こす大気の流れは雄々しく初めてショートオーバルレースを見る
ものを圧倒した。
チェッカーがコントロールラインで提示されプラクティスの第一グループが
終わる。パドックに戻ったマシンはタイヤ温度を測り、トレッドの具合を目視
する。次はたった2周の予選だ。

場内アナウンスがゼッケンを読上げると同時に動き出すマシン。プラクティ
スでの感触を確かめるようにゆっくりとペースを上げて行く。コースの4分の
3を回ったところにあるメインストレート。突如としてエキゾーストパイプか
ら轟音が轟く。タイムアタック開始だ。ぎりぎりまで加速したマシンはエキゾ
ーストノートの低下に合わせるかのようにノースを地面に押しつける。それで
いて、速度がおちるわけでもなく、わずかに身震いするような挙動を見せなが
ら緩やかなラインをトレースしながらコースを横断し始める。「オオッ!」と
いう声があがる。コーナーの頂点付近で見事にロールしタイヤの滑り量をコン
トロールした走りに対する賞賛の声だ。
ターン2をミドルで立ち上がったマシンはスロットルオンで目に見えるほど
リアを沈ませ加速する。かなりの速さだ。ターン3。マシンのノースがピクッ
と動くのとブレーキランプが点くのはほぼ同時だった。スムースにしかも十分
な速度で頂点をかすめる。ホームストレートにミドルで出てきたマシンは鎌首
をもたげたまま光電管を横切る。読みあがられたタイムは14秒004。マシ
ンはそのままターン1に進入。が、ほんのわずか、一瞬だけアウト側フロント
のタイヤが鳴いた。息を呑む観客。
リアのスリップアングルが大きくならないうちにインについてしまった。フ
ロントのロール量がリアのそれよりも大きい。スロットルを開けられる状態で
はない。しかし2周目にかけていたドライバーはなかば強引にスロットルを開
ける。グリップを失いアウトに流れ出すリア。瞬時にカウンターを当て若干膨
らみながらバックストレートに踊り出る。ターン3。今度は姿勢が安定してい
る。ターン4。速度は高く、あとはどの瞬間にスロットルを開けるかの勝負だ。
正確にミドルに出てきたマシンは雄たけびを残しながらコントロールライン
を横切る。スロットルを抜きコースティングでマシンがターン2に差し掛かる
頃。再度読上げられたタイムは14秒102。1周目のタイムを上回ることは
できなかった。しかしタイヤが温まっていない1周目に記録したタイムは十分
賞賛に値する。失意なのか満足なのか、ドライバーの気持ちを知る由もない。
マシンがターン3を立ち上がってパドックに向かう頃、次のゼッケンが読上げ
られる。今度のドライバーは1周目から狙ってくるのか、それとも2周目に照
準を当てているのか。観客の目が動き出したマシンを追い始める。

* * * * * * *

と、こんな感じでYRSオーバルレースの歴史は始まるはずです。

| 参加してみようと思う方はぜひ申し込んで下さい。
| オーバルレースを見てみようという方は観戦の申し込みをして下さい。
| YRSオーバルFUJIを走ってみようという方は体験走行があります。

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
2)YRSオーバルレース第1戦参加申し込み受付中
| まだ間に合います。
・YRSオーバルレース規則書
http://www.avoc.com/2school/2yos/race_rule.htm
・YRSオーバルレース開催案内
http://www.avoc.com/2school/2yos/yorf_guide.htm
・参加申込者数確認
http://www.avoc.com/app/check_nds.cgi

※当日の観戦は無料ですが駐車場の関係で50名に限らせていただきます。観
戦を希望される方は件名に『観戦希望』、本文に氏名、電話番号をお書きの上
以下のアドレスに申し込んで下さい。先着50名に案内をお送りします。
・観戦申し込みアドレス
pr@avoc.com

※当日の昼休みにYRSオーバルを走ったことのない方を対象に体験走行の時
間を設けます。どなたでも参加できます。ヘルメットもグローブも必要ありま
せん。参加費は1台2、000円で当日お支払いいただきますが、事前に申し
込みが必要です。体験走行をご希望の方は件名に『体験走行』、本文に氏名、
参加される車両、伝wな番号を書き以下のアドレスにお送り下さい。先着20
名の申し込みを受け付けます。
・体験走行申し込みアドレス
admini@avoc.com

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
3)YRSバラエティオブカリキュラム参加申し込み受付中

>> 以下のYRSドライビングスクールの参加申し込みを受け付けています。
どなたでも参加できます。みなさまのご参加をお待ちしています。

■6月16日(水)YRSドライビングワークショップ成田
| 現在の申し込みは6名。あと4名参加が可能です。
クルマの運転を総合的に理解してみたいというかたに最適のプログラムです。
真剣にクルマの運転と向き合ってみたいという方にお勧めします。シニアイン
ストラクターの40年の運転経験に基づく知識と運転のコツを、ペダルの踏み
方からドライビングポジションの取り方、ステアリングホイールの回し方、ト
ランジッションの作り方にいたるまで余すところなくお伝えします。少人数制
なのでインストラクターとの会話の時間も豊富にあり、またコースでは1台ず
つ走行しますのでご自分のペースで走ることができます。もちろん受信機をつ
けてリアルタイムのアドバイスを受けながら走ります。

・YRSドライビングワークショップ成田開催案内
http://www.avoc.com/2school/2ydw/ydwn_guide.htm
・参加申込者数確認
http://www.avoc.com/app/check_ydw.cgi
・YRSドライビングワークショップ成田レポート
http://www.avoc.com/2school/2report/report_ydwn/ydwn_frame.htm
・成田モーターランドコースレイアウト
http://www.avoc.com/2school/2ydw/layout_narita.htm

■6月18日(金)FUJIスピードウエイショートコース練習会
4月22日にオープンしたFUJIスピードウエイショートコース。全長は短い
もののコース幅は広く、しかもアップダウンや縦のブラインドコーナーがある
ドライバーズコースです。YRSではどんなクルマでもどんなコースでも限界
近くで走れるようになることをカリキュラムの骨子にしてきました。今回は簡
単な座学を行いますが、基本的に参加者自身が未知のコースを自分なりに攻略
することをテーマとします。一日中走りっぱなしの練習です。原則として過去
にYRSのいずれかのドライビングスクールを受講された方を対象とします。
またYRSのデータベースにある筑波サーキットコース1000の個人別ベストラ
ップを元にクラス分けを行いますので、経験に即したグループでの走行が可能
です。

・YRSオープンプラクティスFUJI開催亜案内
http://www.avoc.com/2school/2yds/yrs_fisco_lap.htm
・参加申込者数確認
http://www.avoc.com/app/check_mds.cgi

■6月30日(水)YRSオーバルスクール浅間台
運転の上達に欠かせないトランジッションを習得するのにうってつけなのが
YRSオーバルスクールです。サーキットを走ったことのない方でも参加する
ことができます。楽しみながらクルマとの一体感が体験でき、クルマの限界を
引き出すコツを習得できます。リアルタイムのアドバイスを受けることにより
ブレーキングからターンイン、ターンインからコーナリングへの理想的なトラ
ンジッションを体験することができます。

・YRSオーバルスクール浅間台開催案内
http://www.avoc.com/2school/2yos/yosa_guide.htm
・参加申込者数確認
http://www.avoc.com/app/check_yos.cgi
・YRSオーバル浅間台歴代ラップタイム
http://www.avoc.com/4circuit/4circuit_record/oval_yosa/frame_yosa.htm

■7月3日(土)YRSオーバルスクール富士
平日開催のYRSオーバルスクールに参加することが難しい方に朗報です。
土曜日の夕方から始まるYRSオーバルスクール富士を開校します。内容はY
OSAと変わりません。参加者全員がリアルタイムアドバイスを受けながらク
ルマとドライバーの走行限界に挑みます。YRSオーバルスクールの卒業生が
サーキットで安定した速さを見せるのはその優れたカリキュラムと的確なアド
バイスによるものです。サーキットを走るつもりのない方も、サーキットでも
う一段上の速さを身に付けたい方も参加してみて下さい。期待を裏切らない内
容です。
開催場所であるyeti駐車場が傾斜しているため、速く走るのには走り方
に工夫が必要です。その意味で既にYRSオーバルスクールを受けている方に
も十分楽しんでいただける内容です。

・YRSオーバルスクール富士開催案内
http://www.avoc.com/2school/2yos/yosf_guide.htm
・オーバルコースの走り方ビデオ
http://www.avoc.com/3media/3auidio_video/top_video.htm

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
4)7月10日筑波スプリント&エンデューロ申し込み受付開始

7月10日(土)YRSスプリント&エンデューロの第3戦が筑波サーキッ
トコース1000で行われます。参加申し込みの受付を開始しました。参加を予定
されている方はお早めにお申し込みいただけるようお願いします。

・YRSエンデューロ規則書
http://www.avoc.com/2school/2yrs/yte_guide.htm
・YRSエンデューロ参加チーム数確認
http://www.avoc.com/app/check_ye.cgi
・YRSスプリント規則書
http://www.avoc.com/2school/2yrs/yts_guide.htm
・YRSスプリント参加者数確認
http://www.avoc.com/app/check_ys.cgi

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
5)YRSドライビングスクールFUJI開校
| ご期待下さい。
いよいよ多摩川以西でのユイレーシングスクールが始まります。舞台は全長
は短めですがアップダウンありブラインドコーナーありのFUJIスピードウエイ
ショートコース。カリキュラムは筑波ドライビングスクールと同様に午前中を
ジムカーナ場での定常円練習に使い、午後からのショートコースでは高速から
のブレーキングが要求されるコースに合わせてブレーキング練習。逆バンク気
味のコーナーを攻略するためのリードフォローを行い、最後にラッピングを行
います。ご期待下さい。

8月 2日(月) YRSドライビングスクールFUJI
9月15日(水) YRSドライビングスクールFUJI
10月18日(月) YRSドライビングスクールFUJI

・YRSドライビングスクールFUJI開催案内
http://www.avoc.com/2school/2yds/yrs_fisco.htm

またドライビングスクールFUJI開催日の午前中にはYRS卒業生を対象
とした走行練習を行います。午後にはジムカーナ場の44x104mオーバル
を使ったオーバルスクールを開催します。こちらはどなたでも参加することが
できます。

・FUJIスピードウエイショートコース練習走行会案内
http://www.avoc.com/2school/2yds/yrs_fisco_lap.htm
・YRSオーバルスクールFISCO開催案内
http://www.avoc.com/2school/2yos/yosi_guide.htm

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
6)トム ヨシダのドライビングチップス

アンダーステアの話とタイヤの性能 その1

ドライビングテクニックに対する質問の半数以上はアンダーステアにまつわ
ることだ。一連のYRSドライビングスクール卒業生のアンケート回答の中に
も、アンダーステアの原因がわかったとする記述が散見される。

一方、日本でドライビングスクールを開催したいと強く思ったのも、理由を
突き詰めていけばアンダーステアがその理由だ。あれは1999年9月。仕事
で日本に来たついでに山梨スポーツランドに見学に行った。コースレイアウト
に興味があったので視察も兼ねていた。そこで見たものは、山梨スポーツラン
ドのストレート手前のヘアピンに強引に突っ込み、それが最も速いと思い込ん
でいた人々だった。ヘアピンのアウト側はぐるりとガードレール。ヘアピン自
体がパドックに通じるトンネルの上にあるから、ガードレールの外側はたいそ
う低くなっている。つまり飛び出したらただではすまないのがヘアピンコーナ
ーだ。
一生懸命にヘアピンに突っ込んでいる人達を見て、「よくやるな。」と思っ
たものだ。もちろん周回路でのラップタイムを上げるには速く突っ込んだほう
がいい場合もある。しかし山梨スポーツランドのヘアピンの後に控えるストレ
ートはかなりの登り。となればヘアピンに求められる走り方はおのずと決まっ
てくる。決してヘアピンに思いっきり突っ込んでアンダーステアを引きずった
まま立ち上がることではないはずだ。思いっきり突っ込むだけでは何を根拠に
走り方を組み立てているのかかいもくからない。
で、いろいろな人に聞いてみた。なぜあそこまで突っ込みのかと。怖いでし
ょうとも聞いてみた。結論から言えば、怖いけど速く走るためには突っ込まな
くてはならないと教えられた。本に書いてあった。等など。全く本人は根拠の
ないことなのに、盲目的に情報に従って怖い思いをした結果、タイヤを減らし
ガソリンを無駄遣いしていたのだ。

アンダーステアと言えば、筑波サーキットドライビングスクールでも頻繁に
話題になる。朝6時過ぎ。集まってくるクルマを一通り見てまわるのだが、必
ずと言っていいほどフロントタイヤのショルダーが丸くなっているクルマがあ
る。スクエアショルダーのタイヤであれば本来使わないはずのショルダーが丸
くなっている。つまり削れているのだ。
そのクルマは定常円でもアンダーステアをいとわないで走ることが多い。た
だし座学と定常円練習前のミーティングで操作の仕方を説明するから、少しず
つはショルダーを使わなくなっていく。

なぜアンダーステアになるのか?なぜアンダーステアのまま操作が間違って
いると疑わないのか?それは現在のタイヤの性能が、操作の雑さ加減に比べて
あまりにも高いからだ。アンダーステアのままでも、とりあえずは走れてしま
うほどタイヤの性能が高くなったからだ。

断っておくが、ここではタイヤの性能が高くなったことを否定している訳で
はない。ただタイヤの性能が高いからできることが自分の操作が間違っていな
いことの証明にはならないよ、と言っているのであって、昔のタイヤの方が良
かったと言っているのでもない。全ては速さを手に入れる道具であるクルマを
運転する人が知っておいたほうがいいだろうと思う、『クルマの性能と人間の
能力』の比較論を展開したいのだ。

ここ数年、サーキットにおける二輪の死傷事故がおきている。四輪に比べて
不安定な二輪は危険度が高いのはいたしかたないのかも知れないが、事故の原
因となっているのはここでも高性能のタイヤだ。
ためしにサーキット関係者に聞いてみるといい。昔と違ってコーナリング速
度が上がっているかどうかと。間違いなく上がっていると言うはずだ。という
ことは、以前より大きなエネルギーを抱えてコーナーに入っていくことになる。
昔の(ここで言う昔は大昔ではない。タイヤの性能が人間の能力とほぼ釣り合
っていた時代のことだ。)タイヤならば不可能な速度でコーナーに入って行く。
原因がオーバースピードであれラインの変更であれ、コーナリング中の加減
速のタイミングの誤りであれ、バランスを崩した二輪は転倒する。昔であれば
転倒は、ふつうスリップダウンを意味した。タイヤがグリップを失い外に流れ
る。遠心力をこらえる力がなくなり内側にリーンした状態で走ってきた二輪は
コーナーの内側に倒れこむ。あれだ。二輪で転倒すること自体が危険なことに
変わりはないが、スリップダウンの場合は質量の大きな二輪が外側に向かって
滑る速度のほうが人間のそれよりも速い。距離も長いのが普通だ。
ところがタイヤの性能(とそれに見合う二輪のコーナリング性能)が向上し
てきた今、深刻な問題は、ハイサイドと呼ばれる転倒が増えてきたことだ。こ
れは二輪のコーナリング性能が向上した結果、タイヤが遠心力をこらえる力が
強くなりすぎたことによる。タイヤには十分遠心力を受け止める余力があるか
ら、何らかの理由で二輪がバランスを崩した場合、タイヤの接地面を支点とし
てコーナーの内側から外側へと二輪が振り子のように飛ばされてしまう現象だ。
その時、前後のタイヤに働いている応力は一定の条件ではありえず、本体がど
こに飛んでいくかも、乗っていた人間がどこに飛ばされるかもわからない。結
果として悲惨な事故につながることが多い。

コーナリングで発生する遠心力を4本のタイヤのグリップで受け止める四輪
と、リーン(コーナー内側に傾ける)して地球の重力と相殺することで調和を
はかる二輪ではバランスを崩す過程こそ異なるが、ともにバランスを崩す時の
速度が昔よりはるかに高く、それだけ内包しているエネルギーも大きく、そし
てバランスを崩す瞬間が突然訪れるという点では同じだ。

クルマがバランスを崩す第一歩であるアンダーステア。なぜアンダーステア
が発生するのか?どうすればアンダーステアの発生を抑えられるのか?次回は
アンダーステアが発生するメカニズムについて。

* * * * * * * *
コーナーの進入が遅いと感じている方やタイヤのショルダーがどうしても丸
くなってしまう方はYRSオーバルスクールを受講されることをお勧めします。
受信機からのリアルタイムアドバイスでアンダーステアを発生させずに高い速
度でコーナーに進入する方法をお教えします。

********************************************************** 奥付け ****
□ メールマガジン " Go − Circuits "
□ 有限会社ユイレーシングスクール発行
□ オリジナルサイト:http://www.avoc.com/
□ Copyright Yui Racing School Co.,Ltd.
□ Copyright 1986-2003 AVOC CORPORATION
本メールマガジン、オリジナルサイトの全部、または一部を複製
もしくは引用されたい方は、事前に発行人までご連絡ください。

宛先:発行人 publisher:mail@avoc.com
----------------------------------------------------------------------
下記のURLで購読中止・配信先変更の手続きが行えます。
◇ まぐまぐ: http://mag2.com
◇ メルマ:http://www.melma.com/
◇ Eマガジン:http://www.emaga.com/
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ Presented by Yui Racing School≡