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理論がわかればどこだって走れる !

日本ではF1に代表されるロードコース(サーキット)で行われるレースに人気が集中し、楕円形のオーバルコースで行われるオーバルレースは馴染みが薄い。レース関係者ですらオーバルコースを邪道と言うが、クルマを操るセオリーはどちらも同じ。ただセオリーの応用の仕方が違うだけだ。

ロードレースとオーバルレース
クルマを速く走らせることには変わりない
少しばかり応用する理論が異なるだけだ

専門的な区分ではロードレースはトラクションレース、オーバルレースはモメンタムレースになる。

トラクションはアクセラレーションとも置き換えられる。文字通り駆動力とか加速の意味だ。つまりロードレースの形態を一言で言い表すと、「加速が勝つための絶対的な要素」になるレースのことをさす。

一方のモメンタムは勢いとか慣性の意味。端的に言えば「スピードを落とさないことが勝つための絶対的な要素」になるレースのことを言う。

どちらも同じ自動車レースだが、クルマの作り方にしてもテクニックの応用の仕方もまるで異なる。

オーバルレースでは、ロードコースだとインストラクターにしかられるような走り方が求められる。それは、例えばコーナリングしながらのハードブレーキングだったり、ステアリングを切り込みながらの加速だ。

ロードレースのようにコーナー手前でブレーキングのほとんどを終了していたのでは、オーバルコースは速く走れない。クルマが発生するサイドフォースがなくなるまで加速するのを待っていたのではオーバルコースは速く走れない。どうすれば一周の平均速度を上げることができるかを考えて、考え抜いた末に、オーバルレース特有のテクニックが誕生した。アメリカで最も人気のあるNASCARをはじめとするオーバルレースは、ロードレースでは見られない人間性がプンプンする自動車競争だ。

しかしコーナーの形状によっては、ロードコースでもオーバルレースに近い走りが求められる場合がある。そんな時は、オーバルレース用のクルマのセッティングが大いにに参考になるはずだ。

まだ日本ではオーバルレースは盛んではないから、時期を見てオーバルレースのテクニックを解説することにする。

ロードコースにしろオーバルコースにしろ理論に基づいた操作ができるドライバーだけがクルマを安全に速く走らせることができる。サーキットを走るのに無謀さや勇気は要らない。必要なのは君の知性だ。

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