基本的にサーキットで避けなければならないのは、他のクルマのラインと交錯することだ。例えばピットアウトやピットインする時とクリッピングポイントを目指してコーナーのアウトから切り込む時だ。
速度が速いだけにちょっとした行き違いや思い違いが事故につながる。サーキットを走る初心者は 「自分のことに精一杯で他人のことまで気を配れない」と言うが、だったらサーキットを走るな。 走りたければ、遅くてもしょうがない。「他人への配慮をする余裕を残せる速度」に抑えて走ることだ。
サーキット走行は楽しい。 その時は疲れもだるさも忘れてしまうほど楽しいが、それが罠だ。
楽しいかわりに求められる緊張感も相当なものだから、知らず知らずの内に疲労がたまる。判断力が低下することがある。体調が悪い時は要注意。走行料金を惜しんで無理をしてはいけない。タイムが伸びないばかりか危険でもある。特に睡眠不足や前日の深酒は禁物だ。アメリカのスクールでは前日の飲酒を禁止していたほどだ。
自分の身体やクルマのリスクを侵してまでサーキットを走るべきではない。サーキットは運転を楽しむ場所だ。楽しいはずの遊び場をより楽しくするためには自分をよく知っておかなければならない。
|