Home > YRS Media >

コーナーの向こうに WIR (1) - YRS Mail Magazine No.68より再掲載 -

ウイロースプリングスレースウエイ ( 第1話 )

パームデール市近郊にあるウイロースプリングスレースウエイ(略称WIR)はLAから最も近いロードコース。ダウンタウンからだったらクルマで1時間半ちょっとで到着。エドワード空軍基地に近い砂漠のなかにある起伏に富んだ、9つのコーナーを持つ全長4Kmのコース。

ストレートは広くローリングスタートの時など横5列にクルマが並んで先を急ぐほど。ストレートの半ばまでが平坦で、その先からスタートラインの少し先まではごくわずかな下り。そこから1コーナー、2コーナーと明確な上り。

1コーナーは左90度の単純なコーナーだがR部分が短い割りにトリッキーなコーナー。ストレートの幅は広いのだが、1コーナーを抜けると幅が3分の2ほどに狭まる。

1コーナーを抜けると2コーナーまでそこそこ長い直線。ごくわずかな上り。

2コーナーは右回りの大きなヘヤピンとも言えるコーナー。3速全開で180度以上回り込むコーナリングを続ける。タイヤの負担が大きいコーナー。筑波のヘヤピンよりわずかに強いカントがつく。

2コーナーを抜けると再度直線。この直線が1コーナーを抜けた後の直線とほぼ平行(厳密には5度ぐらいの角度で逆ハの字)だと言えばここまでのレイアウトが想像できるか。

1コーナーを抜けた後の直線より4階建てのビルほど高いところを走る2コーナー後の直線。その間は砂漠だから見通しはきく。

3コーナーは左の上り。ブラインド。日本のサーキットではまず見られないほどの上り。3コーナーを回り込むとすぐにわずかに右にキンクする4コーナー。まだ上り。山の中腹をさらに右に曲がりながらはい上がるように上ると、WIRで最も高いところにある5コーナー。ヘヤピン。

が、高いのは5コーナーのアプローチの部分でクリッピングポイント付近は既に下りはじめている。5コーナーを立ち上がって下っていくとわすかに右、そして左のS字。その先には急な左回りの6コーナー。逆バンク。

6コーナーのアウトに出ると若干上りつつそこが7コーナーのイン。が、7コーナーはらくだのコブ。アプローチからは出口が見えない。7コーナーのクリッピングポイントから先は下りが8コーナーまで続く。8コーナーは左のキンク(ドッグレッグ)。

8コーナーを過ぎると最終コーナーである9コーナーに続く短い直線。それがいつのまにか9コーナーに替わる。入り口の半径が大きく出口が小さい典型的なディクリーシングレイディアス。9コーナーも2コーナーと同じく長〜く回り込むコーナー。ただ出口に行くほどにコーナーの曲率は狭まる。

9コーナーを抜けると、50〜60年代はドラッグレースもやっていたという長いストレートに戻る。

第2話に続く

 

※ SCCAのGT5レースに参加していた頃、なんどかWIRのコースレコードを更新しました。その時のラップタイムが1分35秒台でした。1300ccのクルマでです。平均時速にすると153Km/hになります。いわゆる高速コースです。

※ しかもアメリカのレース場は自然の地形を生かして(お金をかけないで)作っているのとコースを作る時に統括団体の規制がないので、ユニークなコースがたくさんあります。WIRもそのひとつです。

※ 次回からはWIRのコーナーを攻めていきます。そして時間の許す限り過去に走ったサーキットの紹介を続けていきたいと思います。

※ ユイレーシングスクールは安全を確保しながら、自分の経験とレベルに合ったテンポで「速さ」を追求していきたいと考えています。