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         Go−CircuitNo.219(07/05/06発行)

---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかしク
ルマを安全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していない
と楽しくもないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「ク
ルマさんとの正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●ユイレーシングス
クールからの提案です。●公道では安全運転を。サーキットではそれなりに。
      》》》Be Smarter、Safer、Faster《《《
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|1)知識と経験						トム ヨシダ
|2) YRSオリジナルビデオ掲載
|3) 参加申し込み受付中
|4)ケチこそものの上手なれ		        	トム ヨシダ
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|1)知識と経験						トム ヨシダ

  6月17日に開催したYRSオーバルスクールFSW。ユイレーシングスク
ールに初めて参加する方が6名。そのうちサーキットの走行経験がない方がひ
とり。1時間以内が1名。2時間以内が1名。残り3名はサーキット走行が1
1時間以上の方。彼らは44x104mのYRSオーバルFSWをどう攻略し
たのか。
  通常は座学が終わってから相当の練習をしてからタイム計測を行うのだが、
今回はYRSを初めて体験する方の走りを見たかったので練習の前に測定を行
った。ただし操作に関する情報量に差が出てはいけないので座学は通常通りに
行い、理論的な知識を踏まえその上で各人の経験を元に走ってもらった。
  テーマは、YRSオーバルFSWをできるだけパイロンに沿って(パイロン
と同じシルエットで)連続してできるだけ速く走ること。ターンインではトレ
イルブレーキングを使うこととイーブンスロットルによるコーナリング時の姿
勢制御を意識することを徹底して計測開始。
  以下は当日のデータを集約したもの。YRSオーバルをで練習することによ
って各人の速さがどう『こなれていくか』その過程を垣間見ることができる。
改の欄は改造度を示す。走はサーキット走行時間を示す。S欄は0が練習なし
の基礎体力測定。1はイーブンスロットル、トレイルブレーキングの練習後の
計測タイム。2は同乗走行後に練習してからの計測タイム。いずれも左回りの
タイム。

車両		改	走	S	BEST	WORST	DELAY
BMW 323	5	11	0	17.576 	18.306 	0.730 
				1	16.774 	17.104 	0.330 
				2	16.353 	16.965 	0.612 
RX−8	7	11	0	17.154 	17.636 	0.482 
				1	15.772 	16.153 	0.381 
				2	15.773 	16.313 	0.540 
スカイライン	9	11	0	15.923 	16.453 	0.530 
				1	15.483 	16.403 	0.920 
				2	15.472 	16.444 	0.972 
スカイライン	6	02	0	16.374 	17.095 	0.721 
				1	16.073 	17.015 	0.942 
				2	15.883 	16.504 	0.621 
インテグラ	1	01	0	18.967 	19.598 	0.631 
				1	17.124 	17.525 	0.401 
				2	16.835 	17.526 	0.691 
インプレッサ	1	00	0	16.514 	17.405 	0.891 
				1	16.614 	17.365 	0.751 
				2	16.153 	16.805 	0.652 

  このデータから何を読み取ることができるか?参加者の経験の度合い、速さ
への慣れ、姿勢制御への意識。そして速く走ろうとすることがそのまま結果に
結びつかないことがあること。そんな運転にまつわる様々な要素が凝縮されて
いる結果だと思うのだが、どうだろう?あなたは何を読み取るだろう?

  クルマの運転に必要なのは感情でも気合でもなく、あくまでも道具であるク
ルマを正確に動かすための冷静かつ繊細な操作と、操作をくりだすための知識
と経験。YRSオーバルFSWのターンイン速度はたかだか時速90キロでし
かないが、重たいクルマに円運動を起こさせるコツ、クルマの性能を引き出す
コツを吸収することはできる。

  次回YRSオーバルFSWを走行する機会は7月11日のYRSドライビン
グワークショップFSW。あなたも自分の速さを検証してみてはいかがですか?

・YRSオーバルFSWラップタイム一覧(621名の記録)
http://www.avoc.com/cgi/laptime.cgi?yof,b,01
・YRS改造度/走行時間ガイド
http://www.avoc.com/9misc/rule_posting.html

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|2) YRSオリジナルビデオ掲載
  ユイレーシングスクールではオリジナルビデオを公開していますが、次の新
作ビデオを掲載しました。

○ 働くタイヤ(オーバルコースを走るクルマのアウト側前輪をその外側から
眺めたものです。舵角が大きくなっていく様、サスペンションの動きにつれて
変化するジェオメトリーなどを確認することができます。)
http://www.avoc.com/5media/video/movie.php?t=oval2006-tiresworkharder

○ エンドレステンション(終わりのない緊張感を強いられるオーバルレース。
逃げるクルマと追いかけるクルマ。その果てしなき攻防をYRS独自のアング
ルで撮影しました。)
http://www.avoc.com/5media/video/movie.php?t=oval2006-endlesstension

○ ドライブ オン ザ ライン(走行中に絶えず姿勢を変化させるクルマ。不安
定なクルマを思い通りに走らせる第一歩は狙ったラインに乗せること。ステア
リング操作と内側前輪の動きを連動させて掲載しています。)
http://www.avoc.com/5media/video/movie.php?t=oval2006-line

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|3)参加申し込み受付中

      〓〓〓〓以下のプログラムへの参加申し込みを受付中です〓〓〓〓
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|                      ★どなたでも参加できます★

■7月11日(火)YRSドライビングワークショップFSW
  911&ポルシェマガジンに取り上げられたYRSドライビングワークショ
ップFSW。合理的かつ明快なスタンスのカリキュラムが評価されていたよう
です。
  各地で行っているYRSドライビングワークショップは受講される方のドラ
イビングポテンシャルを向上させることを目的としています。単に速いだけ、
見た目にかっこいいだけ、の運転ではなく、一生クルマと快適に過ごすために
最低限必要な、それでいて一般には知られていないハウツーをお教えします。
クルマと運転が好きな方の受講をお待ちしています。

【カリキュラム抜粋】
ドライビングポジションの確認
スレッシュホールドブレーキングのかけ方の説明と練習
イーブンスロットルを使った理想的なコーナリングの説明と練習
トレイルブレーキングを使った速いターンインの説明と練習

・YRSドライビングワークショップFSW開催案内
http://www.avoc.com/1school/driving/ydwf.shtml
・YRSオーバルFSWラップタイム一覧
http://www.avoc.com/cgi/laptime.cgi?yof,b,01
  
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|                 ★YRS卒業生はどなたでも参加できます★

□7月22日(土)YRSエンデューロ&スプリント第4戦筑波
  早いものでYRSエンデューロ&スプリント筑波は今回が最終戦。第3戦で
はエンデューロで最長距離記録が生まれるところでした。今回こそ目標165
周超。スプリントでは自己ベストが続出。更なる更新が目標です。日本で最も
安全で質の高いYRSスクールレース。YRS卒業生の参加をお待ちしていま
す。

|※ 今回もYRSエンデューロにソロ参加を認めます。参加費は通常の半額で
す。ただし筑波サーキットコース1000は出走台数が15台なので、ソロ参
加は先着順に6台まで受け付けます。7台目以降の方はリザーブドエントリと
しチームエントリが9台に満たない場合に出走していただきます。

【YRSスプリント公式通知】
現在YRSスプリントではロードスタークラスを唯一のワンメイクレースとし
ていますが、新たにNR−Aクラスを新設します。ただしレース自体はNR−
A以外のロードスターと混走します。章典のみ以下の通りに授与します。
NR−A出走台数3台以下:1位のみ
NR−A出走台数4〜6台:1、2位
NR−A出走台数7台以上:3位まで
尚、車両は2006年度NR−A車両規定に合致したものに限ります。

・YRSエンデューロシリーズ規則書
http://www.avoc.com/2race/closed/yes.shtml
・YRSスプリントシリーズ規則書
http://www.avoc.com/2race/closed/yss.shtml

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|                       ★どなたでも参加できます★

■7月28日(金)YRSオーバルスクール浅間台
  100x32mのYRSオーバル浅間台では16秒を切れるかどうかが、ク
ルマを正確に操作しているかどうかの目安になります。これはハイパワー4W
Dでもロードスターでも同じです。464通りの参考タイムがあるYRSオー
バル浅間台であなたのドライビングポテンシャルを計ってみませんか?

・YRSオーバルスクール浅間台開催案内
http://www.avoc.com/1school/oval/yosa.shtml
・YRSオーバル浅間台ラップタイム一覧
http://www.avoc.com/cgi/laptime.cgi?yoa,s,b1

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|                       ★どなたでも参加できます★

■8月2日(木)YRS筑波サーキットドライビングスクール
  ユイレーシングスクールが考案した最も安全に最も効率よくスポーツドライ
ビングを始める方法。筑波サーキットドライビングスクールでそのカリキュラ
ムを体験することができます。座学での理論。オーバル定常円走行での基礎練
習。サーキットでの応用練習。ごく自然にクルマが求める操作を身に付けるこ
とができます。サーキットを走るつもりのない方も、サーキットを走っている
けど走り方に不安がある方も、経験の有無を問わずどんなクルマでも参加して
みて下さい。ユイレーシングスクールが提案する理にかなった操作があなたの
クルマとあなた自身のポテンシャルを高めます。

・YRS筑波サーキットドライビングスクール開催案内
http://www.avoc.com/1school/driving/tds.shtml
・YRS筑波サーキットコース1000ラップタイム一覧
http://www.avoc.com/cgi/laptime.cgi?t1k,b,01

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|4)ケチこそものの上手なれ		        	トム ヨシダ

  クルマがある速度で走っている時、そのクルマが4輪とも等しい外径のタイ
ヤを履いてれば、直進している限り4輪全てがその速度に見合うだけ回転しな
がらクルマは進む。クルマがコーナリングを始めると、それが操舵輪であろう
と駆動輪であろうと、左右の後輪に回転差が生じる。アウト側のタイヤの軌跡
とイン側のタイヤの軌跡の長さが異なるからだ。むろんアウト側タイヤのほう
が回転数が多い。トラベル量が多いこからだ。
  タイヤのスリップを考慮に入れなければ、クルマについている4本のタイヤ
の回転数は直進状態では全て同じ。コーナリングではコーナーの大きさとトレ
ッドの広さから導き出される回転数の差を保ちながらクルマは進んでいること
になる。つまり、クルマ側から見た時、それぞれのタイヤの回転数は速度とク
ルマの軌跡によって決まる。
  最も原始的な駆動形式であるフロントエンジン後輪駆動(FR)の場合。前
輪は操舵こそ受け持つものの回転に関してはクルマ任せ。フリーに回転してい
る。つまり前輪の回転数はクルマの速度に比例しトラベル量に応じて増減する。
  ところが、明らかに前輪がフリーに回っていない場面に出くわす。その速度
に対して、正確に言えばトラベル量に対してタイヤの回転数が不自然なのだ。
コーナーの進入で大きな舵角を与えられているにも関わらずフロントが回りこ
まず、タイヤ回転するよりも悲鳴をあげて横に滑りながら前に進んでいる場面。
コーナーの立ち上がりでエンジン音が高まり加速しているように見えるが、実
際は駆動力が舵角のついた前輪の横滑りを助長しているだけの場面。どちらも
前輪の回転数は、本来ならば同じ回転数で回っているはずの後輪のそれとつり
あってはいない。クルマのベクトルと前輪のベクトルに明らかな差がある。
  トラベル量の差、そしてベクトルの差は、『全てのタイヤがクルマの進む方
向と速度に見合う回転をしながらクルマは進む』という前提で考えれば損失で
しかない。ここで言う損失とは、速さをスポイルすることであり、安全性を損
なうものであり、必要以上にタイヤが磨耗することだ。明らかに、損失がない
場合に比べポテンシャルは低下する。
  では、なぜ全てのタイヤがひとつのベクトルで仕事をしない状況が生まれる
のか?その原因は運転手の錯覚と驕りに因るところが大きい。

  その昔、パワーステアリングなるものの恩恵を受けられなかった時代。ステ
アリングは重く、だから少しでも操作を楽にするために、今の標準からすれば
大径のステアリングホイールが備わっていた。確かに操作は重かった。運転に
は腕力も必要だった。その代わりタイヤの状況が直接手のひらに伝わってきた。
  クルマが静止した状態でステアリングを切ろうとするととんでもなく重い。
タイヤがホイールと地面の間でよじれているのが実感できた。タイヤが削れて
いるだろうことも容易に想像できた。しかしある日。同じ量を切るにしても、
クルマを少しだけ進めながら切ってやればとたんに軽くなることを発見する。
「すえ切りはダメ」そんな言葉が運転の先輩から後輩へと受け継がれた。
  少しペースを上げて走っている時。コーナーの手前で思いのほか速度が出て
いるのに気づき急いでステアリングを切る。「曲がってくれ!」という思いと
は裏腹にクルマはまっすぐに進もうとしながら旋回を始める。その瞬間。ステ
アリングホイールを回している手に『重さ』がなくなる。前輪が向いている方
向とクルマが進んでいる方向にズレがあることが容易に想像できた。前輪が横
滑りを起こし、タイヤが必要以上に削り取られているのを実感できた。しかし。
ペースを上げて走ろうとする人ならば、4輪に均等に過重をかけてやれば、ク
ルマを安定させてからステアリングを切り始めれば、思いのほかクルマ全体の
限界が高まることを学習する。いつしか、ステアリングの切り方ひとつでクル
マの進む方向とタイヤの向きを一致させる方法を会得する。「クルマをこじっ
てはダメ」。そんな会話が運転好きの間でやりとりされていた。
  楽に運転しようとするならば、クルマが動きやすい状況を作ってやらなけれ
ばならないこと。クルマが動きやすい状況を作ることこそが最も消耗の少ない
運転であること。そんなことを日々の運転を通して学習できた時代があった。
豊かではない時代だったから、『うまく運転したい』という意識と『もったい
ない』という意識とがイコールで結ばれていた。

  今。確かに前輪の進む方向やタイヤの磨耗を気にしないで走ったほうが、こ
と『速さ』に関しては多くのものを得られることもある。タイヤ本来の使い方
を無視しないと速く走れない場合すらある。
  しかし、運転に関してはそれらの全ては邪道だ。そこに普遍性はない。
  いつの時代もクルマは移動のための道具として作られ、その道具の使い方が
ある。その基本はどの時代も同じ。4本のタイヤがついていれば変わることは
ない。
  タイヤの中央に十分溝が残っているのにショルダー部のカーカスが出てきて
交換する。駆動輪よりも操舵輪の磨耗のほうが激しい。そんな特異な状況から
生まれる速さはクルマ本来のポテンシャルではない。ましてドライバーのポテ
ンシャルであろうはずがない。
  速さはあくまでも運転の一部だ。速さを得るためには手段を選ばないのでは、
真の運転の楽しみは分からない。

  筑波サーキットコース1000。2コーナー。前を行くクルマに追いつきた
い。1コーナーの進入速度を速めたことが前輪のベクトルを無視する結果にな
ってしまったのか、リアのスリップアングルがついていないというか、クルマ
のアウト側に十分に過重が乗っていないような気がする。でも追いつきたいか
らスロットルを開ける。危惧した通りフロントは自分が進みたくない方向に向
かおうとする。舵角を増やさなければラインから外れる。前輪のトレッドがこ
すれる。回転せずに削れている。「ダメだ。もったいない。」スロットルを少
し戻し、舵角を少し減らし、前輪と後輪のスリップアングルを同じレベルに戻
す。
  ひょっとするとスロットルを開けながら舵角を増やせばコーナリング速度自
体は上がるかもしれない。結果、前のクルマに近づくことができるかも知れな
い。しかし、そうしなければならない理由はどこにもない。目指すのはタイヤ
をきれいに使いながら速さを手に入れることだ。その周の2コーナーで追いつ
けなかったからと言ってそれで終わりではない。たった1回の挑戦が終わった
だけだ。まだヘアピンがある。インフィールドがある。最終コーナーがある。
次の周がある。仕切りなおして相手よりタイヤを減らさずに追いつく努力をす
ればいいだけだ。
  東関道千葉北IC。料金所と抜けて湾岸方面に向かう。路面は下り始める。
タイトな逆バンク気味の左コーナーをアンダーステアに気をつけながら、左前
輪を白線に乗せながら回る。路面は下っているものの曲率は少しずつ大きくな
り、直線部分が視野に入る。4分の一ほど進むと路面は上り始め、先の見えな
い大きな右コーナーへと続く。右コーナーは奥へ行くほどにタイトになり、直
後に本線に合流するための左コーナーへと続く。
  決して速く走る必要はない。速く走る場所でもない。しかし料金所から本線
への合流まで4本のタイヤをできるだけ減らさずに、減るとしても全輪が均等
に減るように走る努力をすれば、クルマの運転に関して得るものは多い。操作
の仕方の正解は必ずある。その正解を求めようとする想像力こそドライビング
ポテンシャルを向上させる。決して、『速さ』がではない。
  この『千葉北ダブルエッセス』に関して言えば、コーナーが終わる寸前に路
面がフラットになる大きな右コーナーの最後の部分での姿勢の作り方だ。加速
しながら右コーナーに入っていくことはまず不可能だ。前輪のグリップレベル
は落ちているしコーナーは奥へ行くほどタイト。ステアリングを切り足さなけ
ればならない。クルマはストレスを抱えたまま最後の左コーナーに向かわなけ
ればならない。だから、直線部分での加速度を弱めながら路面がフラットにな
る直前までステアリングをゆっくり切り足していくのが正解だ。過重はリアか
らフロントへゆっくりと、同じ時間をかけて中央から左へ。右コーナーを終え
る頃には左過重が収束し右過重を受ける準備が整う。

  サーキットでの速さはあくまでも結果だ。クルマのポテンシャルをどこまで
発揮させることができたかということに対する採点でしかない。
  しかし速く走ることがテーマではあるから、往々にしてタイヤの磨耗やガソ
リンの消費には目をつむってしまうことが多い。そこでだ。一度『効率』を走
る時の状況判断の要素の一つに加えることをお勧めする。速さを得るためにス
ロットルを開ける。開けることによって何が得られ、何を失うかだ。所詮アマ
チュアのスポーツドライビングは遊びの域を出るものではない。ならば、自分
のドライビングポテンシャルと正面から向き合うためにも時にはケチに徹する
意味はあるはずだ。クルマの運転に求める価値は千差万別。こうでなければな
らない、という決まり事があるわけではない。『もったいなさ』を優先して操
作の是非を問えば、それまで見えなかったものが見えてくるかも知れない。  

                   * * * この項終わり * * *

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