Home > YRS Media-Info >

≡≡YuiRacingSchoolpresents≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

         Go−CircuitNo.234(10/27/07発行)

---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかしク
ルマを安全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していない
と楽しくもないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「ク
ルマさんとの正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●ユイレーシングス
クールからの提案です。●公道では安全運転を。サーキットではそれなりに。
》》Be Smarter、Drive Safer and Faster《《
     【  Yui Racing School Offers Serious Entertainment  】
======================================================================
|1)YRSスクールレース全日程終了
|2)エネルギーを変換する  その5			
|3)参加申し込み受付中
|4) 2008スケジュールプレビュー
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
|1)YRSスクールレース全日程終了
  今年で7年目を迎えたYRSエンデューロとスプリント。今年は筑波サーキ
ットコース1000と富士スピードウエイショートコースを舞台に6戦を開催
した。同じく4年目を迎えたYRSオーバルレース。こちらは富士スピードウ
エイとツインリンクもてぎで計7戦を行った。
  ユイレーシングスクールで運転を習った人が次のステップに進むために用意
したYRSスクールレース。今年は新たに参加した人も多く、またライセンス
を取得して公認レースに参加する人がいて、それなりにYRSスクールレース
の存在意義を再確認した年だった。
  実際、今年はサーキットを走ったことがない人がエンデューロに参加した。
スクールを受講して運転というものの奥深さが面白くなり、ユイレーシングス
クールの『運転がうまくなりたいならレースに出るのが一番』という提案に乗
ってくれたのだ。
  サーキットを走ったこともないのにレースなんか危ないじゃないかと思われ
る人がいるかも知れないが、そんなことはない。クルマをキチンと操ることを
知っていて自分をコントロールできる人ならば、競争という環境でも安全に走
れる。それが日本とアメリカで長年モータースポーツをつぶさに見てきたシニ
アインストラクターの考えだ。クルマを正確に走らせることができて、やって
はならないこととやるべきことを理解している人同士にレースを体験してほし
い。だから、そう思うからYRSのスクールレースはYRSが主宰するいずれ
かのスクールを卒業した人しか参加できないことにしている。
  初めてサーキットを走るのがレースだった人は言う。面白かったと。また参
加してくれるそうだ。1回しかサーキットを走ったことのない人も参加してく
れた。勝手がわからずとまどったようだが、楽しかったと話してくれた。
  いわゆる初心者がレースに出ている一方で、多数を占めるのは7年間ユイレ
ーシングスクールのスクールレースに参加し続けてくれているベテラン。彼ら
のレベルは公認レースに参加している人達と比較しても決して低くない。YR
Sスプリントで上位を走る人が公認レースに出て優勝したこともある。
  ユイレーシングスクールが提唱する参加型のモータースポーツ。とりわけス
クールレースで目指すものは格式うんぬんではなく中身の濃い本物のレースの
実現と、そのレースにサーキットを走ったことがない人を含めクルマの運転が
好きな人が目的意識を持って参加できる道作りだ。
  内容からして、ユイレーシングスクールのスクールレースは間違っても草レ
ースではない。しかしレースだから特殊なものというわけでもない。来年もエ
ンデューロとスプリントを6戦。オーバルレースは今年12月8日(土)を2
008年の第1戦として6戦を開催する予定だ。クルマの運転に興味のある人
は今から準備を始めてはどうだろうか。

・2007ユイレーシングスクール  ファイナルポイントスタンディングス
http://www.avoc.com/race/2007awards.htm

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
|2)エネルギーを変換する  その5
  つまるところ、クルマを運転することはエネルギーのコントロールと切り離
して考えることはできない。人間がクルマを走らせるためにスロットルやブレ
ーキやステアリングを操作する。それらを操作することは、すなわちエネルギ
ーを生み増減させることに他ならない。エネルギーをコントロールするという
概念があれば、クルマの運転の真髄に近づくことができる。
  エネルギーのコントロールにはトランジッションを必要なだけ作ることが重
要だ、というテーマでこの連載を始めたのだが、今までに述べてきた直進状態
での加減速時のトランジッションの重要性と同様に、直進状態から旋回状態、
あるいは旋回状態から直進状態に移行する際にもトランジッションが大切にな
る。今回は旋回状態から直進状態に移る時に求められる操作の話だ。
  先日、浅間台スポーツランドでYRSオーバルスクール浅間台を開催した時
のことだ。
  当日は天気予報通りの雨。予報では1〜2mmの降水量になっていたからそ
れほどひどい雨ではないと思っていたのだが、前夜からの雨でコースは全面的
に水が漂っているような状態。知っている人は知っているのだが、浅間台スポ
ーツランドのコースはウエットになると極端に滑りやすくなる。最近はドリフ
ト走行が禁止されているようだが、もともとジムカーナに多用される場所だか
らタイヤの削りカズが残っている。削りカスといってもバーストやチャンキン
グで剥離したような大きな破片ではなく、目に見えないような細かなゴムの粒
子だ。浅間台スポーツランドではスイーパーでコースを清掃しないから、そん
なほこりのようなゴムの粒子がアスファルトの石と石の間に残っている。それ
がウエットになると浮いてきて(流れてきて)タイヤの下にもぐりこんでしま
う。笑えない話だが、昔コースを作りに行った時が雨だったので、歩いていて
転んでしまったこともあるほどだ。
  YRSオーバルスクールはクルマを動かす時に最も大切なエネルギーのコン
トロールの仕方を学んでもらうプログラムだ。いつもならイーブンスロットル
でのコーナリング練習を45キロから5キロ刻みに60キロまで行い、ステア
リングを切り始める位置、切り足し方、どこまで切り足しつづけるかをFMラ
ジオを通じて修正していく。その後にトレイルブレーキングを使って全開でオ
ーバルコースを走り、フロントタイヤの限界を探りながらターンインする方法
とリアタイヤにスリップアングルをつける練習をしてもらう。
  しかしこの日。路面が滑りやすいのでイーブンスロットルの練習はほとんど
不可能に近かった。なにしろ35キロぐらいでもステアリング操作が荒いとい
とも簡単にアンダーステアが発生してしまうほどだったのだ。それで、急遽練
習の眼目をコーナーへの進入から脱出に変更。コーナーの立ち上がってからで
きるだけ速い時点でフルスロットルにするための練習に振り替えた。
  方法はこうだ。コーナーの進入はそれこそかったるいと感じるほどに速度を
落としパイロンに沿ってコーナリングを始める。慣れてきたらコーナーの中の
速度を少しずつ上げる。コーナーの中でもパイロンに沿って走りストレートに
出る。ストレートに出たらできるだけ早くスロットルを床まで踏み込む、とい
う練習だ。小降りの雨が上がったので午後にはドライになる可能性があるから、
それまでに路面の水を弾き飛ばしてしまおうという目論見もあった。
  この日の参加車は10台。1台の4WDを除いて全てFR駆動のクルマばか
り。中にはNAエンジンながら3.8リッター320馬力のツーシーターもい
る。大排気量のトルクが果たしてトラクションとして生かせるか。
  「ゆっくりでいいですからコーナーを回ってストレートに出て、クルマが直
進状態になったら、つまり横Gが消えたらと思ったらスロットルを床まで踏ん
で下さい」。そんなアドバイスで練習は始まった、
  見ているのとじれったくなるような速度でコーナーを回ったクルマがストレ
ートに出る。エンジン音が高まる。瞬間。テールがアウト側に振られる。進路
が乱れる。ステアリング操作とスロットル操作で何を逃れたが、やはり摩擦係
数の低い路面ではタイミングが取りにくいようだ。
  実際、取りにくいと思う。滑りやすいからコーナリング速度をベタベタに落
としている。だからいつもなら感じるはずの遠心力も感じない。ロールも感じ
ない。慣れてきてクルマが流れながらコーナリングするようになってもクルマ
のロールが大きくなるわけでもない。もともと横Gが少ないからかえって横G
がなくなる瞬間というものがわかりにくい。
  2台ずつコースに入りとにかく何10周も走る。徐々にスロットルを全開に
できるようになってきた。全開に、というのはスロットルを開けたらエンジン
の動力が進行方向に対して誤差なくトラクションとして生きるということだ。
  さらに練習を重ねると、コーナーの立ち上がりでホイールスピンをしながら
もクルマが直進状態で加速をするようになってきた。もちろんホイールスピン
させていては加速度は大きくならない。速さを求めて走っているのならばホイ
ールスピンは最小限に抑えるべきなのだが、今回は旋回状態から直進状態への
トランジッションの練習だから、クルマがラインに乗って直進していてなおか
つホイールスピンしているということは横力が消えたのを感じてスロットルを
開けていることになりむしろ練習になる。
  余談だが、20年前ぐらいだろうか。アメリカから里帰りした時。雪の東名
高速を走っていた。面倒くさいから借りたクルマについていたままのタイヤで
走っていた。わだちの部分には積雪がないが、溶けかかった氷が浮いているよ
うな感じだった。ちょっと遊び心が芽生えた。もともと流れはゆっくりで交通
量は驚くほど少ない。ならばと、サービスエリアから本線に合流する時に1速
でスロットルを全開にした。シャシャシャシャシャーッ、とホイールスピンが
始まった。間髪を入れずに2速。ホイールスピンを止めずに何速までシフトア
ップできるか。さすがに3速に上げたころにはリアが落ち着かなくなったが、
なんとか4速にシフトアップするまでホイールスピンを止めないですんだ。4
速といってもホイールスピンをしているのだからスピードは出ていても70キ
ロぐらい。誉められたことではないし、人に勧められることでもないが、ホイ
ールスピンの大きさに合わせてスロットルをコントロールし加速度を鈍らせな
いでシフトアップする練習ができたのに満足した記憶がある。
  オーバルコースを走り回っているクルマのエンジン音が高くなってきた。ス
ロットルを踏み込んでいるのだ。ホイールスピンしている距離はまちまちだが、
進路が乱れることは少なくなった。つまり、スロットルを開けるタイミングが
合ってきたのだ。横力の収束を身体で感じてスロットルを開けたのであれば上
出来だ。ただでさえいつもより少ない横Gだ。感じ取ることが難しいはずなの
にタイミングが合うようになってきた。
  そう。YRSオーバルスクールではパイロンで作ったオーバルコースをずっ
とパイロンに沿って走る。つまり、コーナーをアウトインアウトで走るように
コーナーの立ち上がりのラインの曲率が徐々に大きくなるものではない。18
0度同じ半径でコーナリングしていると突如としてコーナリング区間が終わる。
終わったところでステアリングを戻すのだが、その時にステアリングを戻した
からといって横Gが消えている保証はどこにもない。要するにコーナリング中
にクルマの向いている方向とエネルギーの向かっている方向にズレがあれば、
その分だけストレートに出ても、ステアリングを戻したとしても横Gが残るこ
とになる。
  結論から言おう。ホイールスピンしながらもクルマが直進するようになった
のは溜めを作ったからだ。感覚的に直進状態になったと思ったところからワン
テンポ遅れてスロットルを開け出したからだ。これがトランジッション。人間
が感じるアクセルを開けられる位置とクルマが開けて良いよという位置には差
がある。それはその前にどんな走り方をしていたかによるのだが、それを無視
して視覚的にストレートに出たからスロットルを開けるという短絡的な思考で
はクルマは前に進まない。
  ホイールスピンはスロットルコントロールで抑えられる。要はできるだけ早
い時点でスロットルを必要以上に開けられる状況に持っていくのが『速く走る』
ということだ。それはその地点よりもはるか手前にクルマをどう操作したかに
かかっている。
  だから、さらに踏み込んでもっと積極的にクルマを動かすのならば、この日
も少し練習したのだが、ステアリングを意識的に戻すことによるロールコント
ロールも速く走るためには必要なことだ。これについては回を改めて書こう。

  いつになくクルマを振り回すことができたオーバルスクール。ドライとなっ
た午後にはいつものようにラップタイムを読み上げながら後輪でクルマを曲げ
る練習をしてもらったのだが、もうひとつの練習をしていたことに受講者は気
がつかなかった。こちらも教えなかったのだが、フルスロットルの練習をして
いる時にコーナーへの進入が速かったりトレイルブレーキングが厚かったりす
るとクルマが曲がりにくくなる。しかし次の瞬間にリアがブレークしてオーバ
ーステアになるというリバースステアと全員が格闘していた。しかしみんなの
意識はストレートに出てからのことに集中していたから、意識するまでもなく
フロントが逃げリアが逃げるクルマをパイロンに沿って走らせるようになって
いった。つまり、ターンインから連続してフロントとリアのスリップアングル
を均一化するという本来の練習が、速度が低かったとはいえ、実はできていた
のだ。
  クルマは動き出せばエネルギーの塊だ。スロットル、ブレーキ、ステアリン
グはそのエネルギーを変化させる。が、エネルギーを失うことはエネルギーを
溜めるよりもずっと簡単だ。手に入れたエネルギーを無駄なくクルマを前に動
かすために使うことができれば、その方法を会得することができれば、クルマ
の運転は本当に楽しいものになるはずだ。 

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
|2)参加申し込み受付中

|■ 12月7日(金)YRSドライビングワークショップFSW
  今年最後のYRSドライビングワークショップです。クルマを正確にコント
ロールするためのスロットル、ブレーキ、ステアリングの各操作と、安全に速
く走るために注意すべき点を要点を踏まえてお教えします。
  今年の走りの集大成として、対年に向けての練習に、理論に基づくユイレ
ーシングスクールならではのカリキュラムを受講してみませんか。

・YRSドライビングワークショップFSW開催案内
http://www.avoc.com/1school/driving/ydwf.shtml
  
----------------------------------------------------------------------
|■ 12月8日(土)YRSオーバルレースFSW 2008年第1戦
  2007年YRSオーバルレースシリーズ第7戦。日本で最も敷居の低い自
動車レースです。初めての方にはレースの走り方、駆け引きをお教えします。
2008年はオーバルレースに参加してみたいが不安がある、あるいはどうや
ってオーバルレースを戦えばいいのかわからないという方のために、レース経
験のない方を対象としたカブクラスを設けました。カブクラスはローリングラ
ップの練習に始まりスタートの練習、インベタでの走り方やアウトインアウト
で走る時の練習も行います。ひとつひとつのステップを分けて練習するので自
然な形でレース形態で走ることにつなげることができます。オーバルスクール
を卒業された方は一度ヨーイドンの興奮を味わってみて下さい。

| 12月8日のYRSオーバルレースカブクラスに参加された方が2008年
のYRSオーバルレースに参加される場合は1戦のみ参加費を半額に割引しま
す。

・YRSオーバルレース規則書
http://www.avoc.com/2race/oval/yor.shtml

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
|3) 2008スケジュールプレビュー
  ユイレーシングスクール2008年のスケジュールがサーキットとの日程調
整で送れています。11月には正式に発
表できると思いますが、既に確定しているものだけを先行してお知らせします。

● 1月12日(土)YRSプラクティスデーFSW
● 2月27、28日(水、木)YRSツーデースクールFSW

上記の参加申し込み受け付け開始は12月中旬を予定しています。   
********************************************************** 奥付け ****
□メールマガジン"Go−Circuits"
□有限会社ユイレーシングスクール発行
□編集/文責:トム ヨシダ
□オリジナルサイト:http://www.avoc.com/
□Copyright:Yui Racing SchoolCo.,Ltd.
□Copyright:1986-2006  AVOCCORPORATION
本メールマガジン、オリジナルサイトの全部、または一部を複製
もしくは引用されたい方は、事前に発行人までご連絡ください。
お問い合わせ:03ma@avoc.com
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  Presented by Yui Racing School≡