≡≡ Yui Racing School presents ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
Go − Circuit No.203 (04/05/05発行)
---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかしク
ルマ安全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していないと
楽しくもないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「クル
マさんとの正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●ユイレーシングスク
ールからの提案です。●公道では安全運転を。サーキットではそれなりに。
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1)YRSオーバルレース第1戦終了
2) YRSアワード
3)受講料、参加費支払方法の変更について
4)YRSオーバルスクール関越開催
5)参加申し込み受付中
6)クルマを動かすということ
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1)YRSオーバルレース第1戦終了
2005年YRSオーバルレース第1戦が終了した。参加台数はロードスターが
14台。うちオーバルレース初参加の方が4名。オープンクラスは参加10台。
いつものように練習、2周のみの予選、8周のヒートレースを2回、そして1
4周のセミファイナルと18週のファイナルレースというプログラム。
1周たかだか320mのオーバルコースでモータースポーツなんかできない
よ、と言われる中で始めたYRSオーバルレース。
しかし1年経った現在のレース内容を見ればモータースポーツの価値を決め
るのは、施設の立派さでもクルマの性能でもないと納得してもらえるはずだ。
特に今回のレースは圧巻だった。3クラスを通じて常に接戦に次ぐ接戦。最初
から最後までドアツードアの争い。競り合いという観点から見ればこれほど緊
迫したシーンが連続するレースは日本にはない。
もちろんバンクのついたハーフマイルぐらいのショートオーバルでレースを
やりたい。しかし施設が『それ風』になると『それ風』のクルマが速くなるの
がモータースポーツにおける宿命だ。つまりレースが特化すればするほど、最
終的には財布の厚さが厚い人が速くなる。それでは等身大のモータースポーツ
を実現することは難しい。モータースポーツ環境を考えるならば、特にコスト
の高い日本では、誰でもがまずヨーイドンを体験できる機会を用意することが
先決だと考える。
おそらくオーバルスクールの卒業生の中にも「あんな小さなオーバルでレー
スをやったって」と思っている方がいるだろう。「そんな接戦なんて危なくて」
と尻込みする方もいるだろう。しかしクルマをキチンと制御することのできる
意思があれば、日本で最も手軽で最も白熱したYRSオーバルレースを楽しむ
ことは可能だ。実際、今年から始めた午前中のオーバルスクールを受講して午
後のレースに参加した方も2名。経験者に遜色ない走りでオーバルレースデビ
ューを果たした。オーバルスクールではトレイルブレーキングの使い方からロ
ーリングラップのならび方まで練習するから、自然な流れでレースに参加でき
る。もちろん過去にオーバルスクールを受けたことのある方は即レースに参加
できる。
次回の開催は7月9日(土)今回と同じく午前中にオーバルスクール、午後
にオーバルレースを開催する。バンクのついていないオーバルコースを使うY
RSでは水の流れに乗ることがないから、もちろん雨天決行。今年からロード
スタークラス、オープンクラスとも参加台数が多い場合は2クラスに分けて開
催し表彰もクラス毎に行う。YRSオリジナルメダルを獲得するチャンスも増
えた。安全にモータースポーツを楽しみたい方はぜひ参加してほしい。
トム ヨシダ
・YRSオーバルレース結果
http://www.avoc.com/4circuit/4circuit_result/2005result.htm
・YRSオーバルスクール開催案内
http://www.avoc.com/2school/2yos/yosi_guide.htm
・YRSオーバルレース規則書
http://www.avoc.com/2school/2yos/yorf_guide.htm
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2) YRSアワード
ユイレーシングスクールが開催するスクールレース。ドライビングスクール
あるいはドライビングレッスンを受講して安全意識を養った卒業生を対象とし
たグラスルーツモータースポーツの入口だ。そのスクールレースに入賞した方
に贈るアワードの詳細が最終的に決まった.ユイレーシングスクールだから手
に入る希少価値の高いものばかり。そしてスクールレースへの参加者が増えれ
ばアワードをさらに充実する予定だ。
・YRSアワードの詳細
http://www.avoc.com/info_award.htm
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3)受講料、参加費支払方法の変更について
今後、ユイレーシングスクールは受講料や参加費の支払方法をコンビニで支
払うことができるスマートピットに変更していきます。スマートピットでのお
支払いの場合は送金手数料をYRSが負担しますので参加者のコスト低減につ
ながります。支払いがどんな流れで行われるかスマートピットの案内をご覧下
さい。変更については追って告知します。
http://www.smartpit.jp/guest/demo.html
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4)YRSオーバルスクール関越開催
どんなスポーツでもそうですが、上達するには理論的なアプローチが必要で
す。別にこ難しいことをやるわけではなく、確固たる根拠に基づいた練習が大
切だということです。「こうしたほうが速い」と言われても、理由を理解して
練習するのとしないのでは結果が大きく異なります。自分で考えることが苦手
なのが日本人だと言われていますが、やはり上達を目指すのであれば理論的な
アプローチが欠かせません。
ですが、速く走るための理論は60年代に既に確立しています。ですから情
報が不足しているわけではないのですが、すぐに結果を求める傾向にある日本
では知的なアプローチが軽視されてきたということです。ユイレーシングスク
ールは1999年暮れの開校以来一貫して理論を実技に応用するカリキュラムを提
供してきました。その中でもクルマの運転に最も重要なトランジッションを理
論と操作の両面から検証しようというのがYRSオーバルスクールです。
今までは筑波サーキット、浅間台スポーツランド、yeti駐車場、FIS
COで開催してきましたが、5月から関越スポーツランドでのプログラムが加
わります。既存のYRSオーバルスクール開催地が遠かった関越地方にお住ま
いの方は参加を検討してみて下さい。
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5)参加申し込み受付中
☆ ☆ ☆ 以下のプログラムへの参加申し込みを受付中です ☆ ☆ ☆
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| ☆ YRS卒業生の参加をおまちしています ☆
■ 5月7日(土)YRSエンデューロ、スプリント第2戦
FISCOショートコースで行われるはずだった第2戦が雪のために中止。
実質的に今年2回目のスクールレースです。どちらのレースもYRS卒業生を
対象にドライビングスクールの一環として開催しますから、安全に対して共通
の意識で臨むことができます。今の速さに満足していない方、次のステップに
進みたい方の参加をお待ちしています。
今回は過去にYRSエンデューロあるいはスプリントに参加したことのない
YRS卒業生が、どちらかのレースに参加する場合に参加費割引きの特典を用
意しています。詳しくはお問い合わせ下さい。
尚、既に参加されている方はYRS通年カーナンバーを使用しますので、ま
だの方はカーナンバーの登録と作成をお願いします。
・YRSエンデューロシリーズ規則書
http://www.avoc.com/2school/2yrs/yte_guide.htm
・YRSスプリントシリーズ規則書
http://www.avoc.com/2school/2yrs/yts_guide.htm
・YRS年間カーナンバー
http://www.avoc.com/2school/2yrs/carnumber.htm
・YRS問い合わせ
mail@avoc.com
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| ★ どなたでも参加できます ★
■ 5月16日(月)YRSドライビングレッスンFISCO
カリキュラムは以下の通りです。
・座学
クルマを動かす時に必要な知識をお教えします。レッスン中の雑談ではインス
トラクターが経験したことなど運転の幅を広げるための情報を提供します。
・スレッシュホールドブレーキング練習
サーキット走行のブレーキングというとドカンと踏む人がいますが、それでは
期待する減速度が得られません。どういうタイミングでどういう踏力をかけて
いけば効率の良い減速ができるかお教えします。
・コーナリング練習1
ユイレーシングスクール独自の方法でコーナリング速度の限界を探る方法をお
教えします。次に限界速度より高い速度でコーナーに侵入してバランスを崩さ
ない方法をお教えします。
・コーナリング練習2
トレイルブレーキングを使ったターンインをしながらコーナリング速度を上げ
ていきます。毎周ラップタイムを計測しラインを変えた時、操作を変えた時に
速さがどう変化するか検証します。
・ラッピング
毎周コントロールライン通過直後にラップタイムを読上げ操作が速さにどんな
影響を与えるか確かめていただきます。さらに速くなるためのアドバイスを走
行中にお教えします。
・追いかけっこ
ラップタイムに開きがないクルマ同士で走り、追いかける状況の中でも自分の
リズムを崩さない練習をしていただきます。
・ローリングラップ練習
オーバルレース参加希望の方がおられる場合はローリングの練習を行います。
・YRSドライビングレッスンFISCO開催案内
http://www.avoc.com/2school/2ydw/ydwf_guide.htm
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| ★ どなたでも参加できます ★
■ 5月17日(火)YRSオーバルスクール関越
筑波以北で初めてオーバルスクールを開催します。カリキュラムは他のオ
ーバルスクールと同じですが、練習効果をあげるために異形オーバルコースを
使います。
・YRSオーバルスクール関越開催案内
http://www.avoc.com/2school/2yos/yosk.htm
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| ★ どなたでも参加できます ★
■ 5月26日&27日 YRS 2Dayスクール
ドライビングスクールを開催していると、もっと体系的なカリキュラムを行
いたいという想いにかられます。例えばジムラッセルレーシングスクールムは
入門クラスでさえ3日間のカリキュラムです。社会環境が日本と異なるとは言
え、受講者のことを考えれば短期に集中して練習することが本当は有効なので
す。クルマの運転は無意識に行えるようになるのが理想です。そのためには反
復練習とステップアップが容易な複数日の受講が効果的なのです。受講者の金
銭的負担は増えますが、2日間で得られる知識と経験は単日スクール10回分
以上に匹敵します。
・YRS 2Dayスクール開催案内
http://www.avoc.com/2school/2fds/2day_guide.htm
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6)クルマを動かすということ
少し前の話ですが、YRSの掲示板に「グラフを見てみると、コーナー直前
のブレーキで減速Gが最大になり、コーナリングを始めると横方向のGが大き
くなり、減速Gはなくなるか、あってもクリップぐらいまでの期間のみ非常に
小さく残っているぐらいになっていました」という掲載がありました。書き込
んだのはYRSオーバルスクールを何度か受講していただいている小山さんと
いう方で、件の話はオーストラリアGP予選のテレビ放映でライコネン選手の
マシンの前後横加速度をグラフで表示していた時のことです。
そんな放映があるとは知らなかったので、無理を言ってDVDに焼いて送っ
てもらいました。小山さんありがとうございました。じっくりと見てみました
が、久しぶりに良い題材に行き当たったようで思わず膝をたたいてしまいまし
た。理由は後述するとして、もし加速度計のグラフが表示されているシーンが
放映される時は録画することをお勧めします。できればコマ送りができるVT
Rで録画するかDVDに落とすとわかり易いと思います。
* * * * * * * * *
オーストラリアGP予選。雨。コンディションは完全なウエット。路面には
冠水も見られるようだ。ライコネン選手はタイムアタック中なのか、とにかく
スロットルを積極的に開けている。しかし、しかし。やはり『何もしない時間』
が確かにあった。クルマに任せている(反応を待っている)時間があった。そ
のグラフは1周分しか表示されなかったが、オーバルスクールやドライビング
スクールで説明していることを裏付けるいくつもの重要な情報を得ることがで
きた。いくつかの例をあげる。
1.最大横向き加速度は瞬間的に立ち上がるわけではない
2.トランジッションの初期と末期の加速度は限りなく小さい
3.カウンターステアを当てても横向き加速度が変化しない
4.低速コーナーになるほどトレイルブレーキングを使う量が多い
5.横向き加速度がゼロにならなければスロットルは全開にしない
6.スロットルを早く開けるために積極的にステアリングを操作している
ただ見ているだけでもドライバーの操作をおぼろげながら想像することはで
きるが、クルマを速く走らせるための理論を当てはめながら見ると得られるも
のは計り知れない。この日は滑りやすかった(水量が多かったのかタイヤのマ
ッチングがわるかったのかは別にして)から、余計に各操作にフォーカスを当
てることができた。
順に詳しく説明しよう。
1.サーキットでステアリングを瞬間的に『バキッ』と切る人がいる。ステア
リングを切る目的はクルマを直線運動から旋回運動にするためだが、直線運動
中のクルマの前輪に瞬間的に大きな舵角を与えてもクルマのエネルギーの方向
がターンインを阻害する。逆の見方をすれば『バキッ切り』でクルマが曲がる
ということはターンイン時の速度が低いからに他ならない。4輪自動車であれ
ば横向き加速度はステアリングを切り足していく過程で増加しつづけ、やがて
最大横向き加速度を得る。限界速度でターンインを始めるならば初期の横向き
加速度は小さく徐々に高まる。ウエットであることを差し引いても、コーナリ
ングするために作られたようなマシンであるF1のターンインであれほどゆっ
くりと切り出し、切り足しているステアリングワークはお手本になる。まして
曲がりにくい量産車を速く走らせるためには『バキッ切り』がご法度なことが
わかるだろう。
2.加速度は十字型を」したグラフで表されていた。上が加速度で下が減速加
速度、左右が横向き加速度で加速度が増えるに従って棒グラフが伸びる。詳し
いことはわからないが、ブレーキングと加速に関しては加速度が直進状態にな
って同じ状態が継続した時に『ブレーキ』と『スロットル』の文字が点灯した
ように思う。その前後左右の加速度の増え方と減り方に注意して見た。YRS
で教えているのと同じく、トランジッションの最初と最後ではグラフが見えな
いくらいに小さい。加速度計と放映がどのくらの精度なのかわからないが、少
なくともトランジッションのある瞬間には前後左右の加速度がゼロになる瞬間
があった。トランジッションの傾向を如実に物語っていたのがS字コーナー。
右への加速度が増えコーナリング中であることがわかる。コーナーを回り込む
とステアリングを戻す量より早いテンポで加速度が減っていく。画面は次のコ
ーナーを捕らえている。次の場面ではステアリングが逆に切り始められ左側に
グラフが伸びる。これをコマ送りで見るとトランジッションの妙を見ることが
できる。クルマは右のロールから左のロールへとスムーズに変化(トランジッ
ション)しているのだが、ある瞬間。といってもコマ3つか4つだから短くは
ない時間、左右の加速度が現れない時間帯がある。横Gが消えている瞬間だ。
切り替えしを行わなければならないS字コーナーでも横Gが消える瞬間がある。
4本のタイヤを使い切る前にどのタイヤのグリップも損なわないようにするた
めに重要な点だ。
3.ウエットコンディションというのは車重の何倍ものダウンフォースを発生
させるグランドエフェクトをもってしても容易にタイヤのグリップを失わせる。
あるコーナー(比較的高速)を回っている最中に3回ほどカウンターステアを
当てた。前輪が明らかにコーナーの外側に向いている瞬間がある。しかしその
瞬間でもその前後でも、オンボードカメラからの映像が乱れることはなかった。
グラフの伸びをコマ送りで見る。カウンターステアを当てた瞬間、本来は横G
が少なくなるものだが、画面に写し出されたグラフはその長さを変えない。速
く走る時にはカウンターステアは使わないほうがいいに決まっている。しかし
使わなければならない事態になったら、クルマのエネルギーの運動方向に変化
がないように、クルマが失速しないように(速度が落ちれば横向き加速度は減
る)カウンターステアを当てなければならいない。すなわち、速く走ることと
テールを流して楽しむことはまったく異質な運転なのだ。
4.ウエットだったからだろうがターンイン後にもかなり長い間トレイルブレ
ーキングを使っていた。おそらくあのコンディションではトレイルブレーキン
グを少なくすればもっと遅い速度からのターンインをするしかなかったのでは
ないかと想像できる。ある低速コーナーではクリッピングポイントに到達する
まで減速Gのグラフが伸びでいた。もちろん、小山さんも指摘しているように
ターンイン後に横向き加速度が立ち上がり、それに反比例するように減速化速
度が少なくなっていったのは言うまでもない。同じマシン。同じドライバー。
同じコーナーでドライの時にどのくらいトレイルブレーキングを使うのか見た
くなった。余談だが、昨年見たF1GP(どこのかは忘れたが)でルノーのマ
シン2台が低速コーナーのターンインでイニシャルの舵角が異様に大きかった
のを覚えている。いわゆる『バキッ切り』だ。ご承知のように遅いマシンでは
ない。なのになぜスパッと切ってしまうのか疑問だった。その時はアンダース
テアを強くした(高速コーナーで安定させた)セッティングか、タイヤの特性
を生かすための操作なのかと想像したのだが、ブレーキング抜力とステアリン
グ入力の関係を検証する上でもルノーの加速度の移り変わりもグラフで見てみ
たいものだ。いずれにしてもF1GPのドライバーの操作では、ターンイン直
前にブレーキをドカンと踏んでターンイン前後でパンッと離す操作を目にする
ことはないはずだ。
5.上側のグラフが伸びて加速度がある程度まで高まるとスロットルの文字が
点灯するようだった。しかし点灯するのはコーナーを脱出しアウト側に寄った
地点よりはるかに先立った。もちろんウエット路面がそうさせたことは間違い
ない。パワーに優るF1ではいかにダウンフォース優先のセッティングを施し
たとしても、好きな時にスロットルを自由に開けられるわけではない。コーナ
ーによってはアウトにはらんだ時に横向き加速度が消えていたこともあったが、
ほとんどは横向き加速度を残しながら、なおかつ加速度グラフがチラチラしな
がらコーナーを立ち上がっていた。何を意味するのか。スロットルは速く走る
ために積極的に開けなければならないが、加速度を損なわない程度にしか開け
ていないということだ。コーナーの立ち上がりでカウンターステアを当ててい
るということは『開けすぎ』の瞬間があったのだろう。が、それでも全開にし
たわけではない。踏み込みすぎただけだ。実際スロットルも文字が点灯し加速
度グラフが急激に立ち上がるのははるか先だ。円運動を直線運動に変える時、
どのくらいスロットルを開ければ効果的か。高いコーナリング速度から最大限
の加速度を得られるか、そのことに焦点を当てているからだ。間違ってもクリ
ッピングポイントを過ぎたら全開というスロットルワークを見ることは、F1
ではないだろう。そのF1より鈍重でパワーのない量産車であれば、もっとス
ロットルワークに神経をはらわなければならないはずだ。
6.それがカウンターステアの1種なのかどうかはわからない。しかしステア
リングの『戻し』が聞こえてくるエンジン音の高まりに連動しているように感
じた。タイヤにコーナリングフォースが発生している間は、その量が多ければ
多いほどトラクションは期待できない。コーナリング速度が限界のはるか手前
であるならばある程度のところまでスロットルを開けることはできるだろうが、
十分に速ければトラクションに振り分けられるタイヤの余力はない。タイヤの
限界を超えない範囲でコーナリングを極め、その上でトラクションに使えるタ
イヤのグリップがないかを探る。カウンターステアかどうか定かではないが、
少なくともラインに乗るために漫然とステアリングを戻していたのではないは
ずだ。ステアリングの『戻し』とスロットルの『開度』のバランスをすごく繊
細に、しかも高い速度で保っていたのだ。少なくともスロットルを踏んだら踏
みっぱなしではない。本当に加速するために必要十分な『開度』の調整だった
と思える。
* * * * * * * * *
クルマの運転にしろ、モータースポーツにしろ楽しみ方は千差万別だ。こう
でなければならないという決まりはない。しかしユイレーシングスクールが提
案するのは、人間とクルマが融合した先にある運転の楽しさを追及することだ。
だから、ユイレーシングスクールの初期に『クルマさんとお友達になろう』と
いう標語を作った。決してクルマを擬人化して茶化しているのではない。運転
とは、あくまでも機械という理論的に使い方の説明ができる道具と、あいまい
でよりどころのない人間の共同作業だと思うからだ。自分の運転の向こうにな
にがあるか見えない方は、ドライビングレッスンでもいいオーバルスクールで
もいい。一度ユイレーシングスクールに参加してみることをお勧めする。向こ
う側にあるもののに近づく道筋を見つけられるはずだ。
シニアインストラクター トム ヨシダ
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