≡≡ Yui Racing School presents ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
Go − Circuit No.211 (10/16/05発行)
---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかしク
ルマ安全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していないと
楽しくもないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「クル
マさんとの正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●ユイレーシングスク
ールからの提案です。●公道では安全運転を。サーキットではそれなりに。
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| 1)進化するYRSエンデューロ&スプリント トム ヨシダ
| 2) 参加申し込み受付中
| 3) 2006年YRSレース規則&車両規則
| 4) 売りたし = 平成4年式カローラFX
| 5)グラスルーツモータースポーツ トム ヨシダ
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| 1)進化するYRSエンデューロ&スプリント トム ヨシダ
♪♪♪♪ すごい、すごい、すごい ♪♪♪♪
FSWで行われたYRSエンデューロ&スプリント最終戦。エンデューロは
YRS始まって以来の19台が出走。スプリントのロードスタークラスは、な
んと、FSWの出走台数制限一杯の20台が参加。他にも、大阪や名古屋から
も参加のあったスプリントジェミニクラスはもちろん、大排気量のBクラス、
ツーシーターのTクラスともすばらしいレースが繰り広げられた。
この日のトップニュースは、当然ながら20台出走のスプリントロードスタ
ークラス。モデルによって多少の性能差はあるが全てが混走。2列縦隊のロー
リングスタートだから隊列はかってないほど長い。その隊列がローリングラッ
プを走る。あらゆるコーナーで並走し、それもサイドバイサイドでフォーメー
ションを乱さずに進む。圧巻。
おそらく予選で思うようなタイムが出なかったドライバーは眼前に延々と続
くクルマをうらめしく思ったことだろう。予選上位につけたドライバーは、後
ろに従える台数からしてレースが始まればいつなんどき後ろから襲いかかられ
るかわからないから安気ではなかったはず。20人のドライバーの胸も内に思
いを馳せるだけでも鳥肌が立つ。とにもかくにも1周900mのコースで20
台のレースが始まる。
グリーンフラッグ。中団の数台が横に動く。回転に乗ったクルマとそうでな
いクルマ。しかし20台のロードスターがほぼフォーメーションのまま1コ
ーナーを目指す。管制室のFSWスタッフから声があがる。「すげ〜っつ!」
上位陣はサイドバイサイドのまま1コーナーからヘアピンまでうねりながら駆
け抜ける。ヒート1が9周。ヒート2が11周。ファイナルヒートは14周。
その全てで同じシーンが繰り返される。
数周して隊列がバラけだしてもそこかしこでサイドバイサイドのコーナリン
グが繰り広げられる。再びFSWスタッフの声。「当たる〜っ!!」『当たり
ませんよ。うちのレースは。』「ふ〜ん。ふつうなら当たっているんだがなぁ。」
速いロードスターのラップは37秒台。同じ形をしたクルマがあちこちでく
っつき離れ、インをうかがい、ラインを変えて前車にプレッシャーをかける。
20人が同じ目的に向かって自分を奮い立たせている。超現実。大迫力。めま
ぐるしいレースが続く。注目すべきはトップ争いだけではない。中団や下位で
も相似形の争いが続く。どこを見ていいのかわからない。どこを見ても目に入
る寸止めの争い。レースの流れなん読めやしない。観戦の特等席は、コース上
を走るクルマに乗るドライバー。目の前で繰り広げられる熱い戦い。リアビュ
ーミラーに写る緊張。それがショートコースレースの醍醐味。
「ショートコースなんかでレースができるもんか!」と言ったのは誰だ。
エンデューロはまさに耐久レースだった。ポルシェとドノーマルのミニが1
30分先のゴールを目指す。が、同じ目的に向かって走りつづける19台のク
ルマはお互いの自由を奪う。思い通りに走らせてはくれない。それが本来の耐
久レース。自由とは無条件に保障されたものではない。
台数が少なければもっと楽に走れるのに。誰もがそう思ったに違いない。が、
出走3台のレースで勝つのと19台のレースで勝つのは味が違う。耐久レース
とは、目的を達成するためにどれだけ耐えることができるかを競うものだ。
コーナリングは速くないのに直線の加速になると生き返るクルマがいて。コ
ーナリング速度では上回っているのに短いストレートでは格上のクルマに届か
なくて。スロットルを開けたいのに燃費を気にすると開けられなくて。1速上
のギアでコーナリングしているドライバーがいる。混雑。混乱。混沌。コース
のどこを見てもクルマがいる。雑然の中に秩序を取り戻そうと思う時に、工夫
とよりレベルの高い走るための意識が生まれる。それが耐久レース。『オーガ
ナイズド コンフュージョン』。
ショートコースが最高の舞台を演出する。
スプリントBクラス。予選35秒台のクルマがフロントローに並ぶ。予選順
位通りに始まるヒート1。予選2位のクルマが1位のクルマをピタリとマーク
する。2台だけが同じ空間を共有するように走り続ける。予選2位のクルマが
ベストラップを更新。ヒート2。再び2台のクルマがそろって空気をかき分け
ながら連なって走る。予選2位のクルマがベストラップを塗り替える。近づき
離れる。その振幅が少し大きくなりだしたファイナルヒート。またもや予選2
位のクルマがベストラップを刻む。この日FSWショートコースを走ったどの
クルマよりも速い34秒台のタイム。
意識。テクニック。冷静さ。意欲。慌しい30数秒のラップタイムがドライ
バーを育てる。
もうショートコースのレースはつまらないとは言わせない。
YRS卒業生はショートコースでだって面白さいっぱいのレースができるこ
とを証明してくれた。なによりも感謝しているのは卒業生がレースを心から楽
しんでくれていること。YRSエンデューロ&スプリントはまだまだ進化する。
YRSスクールレース万歳!!!
・YRSエンデューロ最終戦結果
http://www.avoc.com/4circuit/4circuit_result/2005/ye1001.xls
・YRSスプリント最終戦結果
http://www.avoc.com/4circuit/4circuit_result/2005/ys1001.xls
・YRSエンデューロ最終戦スナップショット
http://www.avoc.com/4circuit/4circuit_report/ye1001/ye1001.htm
・YRSスプリント最終戦スナップショット
http://www.avoc.com/4circuit/4circuit_report/ys1001a/ys1001a.htm
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| 2)参加申し込み受付中
〓〓〓〓 以下のプログラムへの参加申し込みを受付中です 〓〓〓〓
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| ★ YRSオーバルスクール卒業生の参加をお待ちしています ★
■ 10月22日(土)YRSオーバルレース第4戦
日本では唯一YRSだけが開催しているショートオーバルレース。スタート
からフィニッシュまでドアツードア、テールツーノーズの接戦が続くオーバル
レース。ロードレースとは一味違った楽しみと興奮があります。
クラス分けはオープンクラスが1〜2クラス。それにロードスタークラスが
加わります。安全に楽しくレースを開催するためYRSオーバルスクールの卒
業生を招待して開催します。
・YRSオーバルレース規則書
http://www.avoc.com/2school/2yos/yorf_guide.htm
・2005YRSオーバルレースポイントスタンディングス
http://www.avoc.com/4circuit/4result_race/2005/20050903-yo-results.sht
ml
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| ★ どなたでも参加できます ★
■ 11月2日(木)YRSオーバルスクール浅間台
今年最後のYRSオーバルスクール浅間台です。YRSが日本に持ち込んだ
オーバルコーストレーニング。その効果はオーバルスクール卒業生が多方面で
活躍していることでも証明されています。どなたでも参加できますのでご自分
の走り方を分析してみたい方はぜひ参加して下さい。コーナリングの手続きが
わからない方も一日でやるべきことが理解できます。
受講者に好評だったイーブンスロットルでのコーナリングからカリキュラム
は始まります。サーキットを走ったことのない方、サーキットを走る予定のな
い方にも有効なクルマを正確に操るための練習です。
・YRSオーバルスクール浅間台開催案内
http://www.avoc.com/2school/2yos/yosa_guide.htm
・YRSオーバル浅間台ラップタイム一覧参考
http://www.avoc.com/4circuit/4circuit_record/oval_yosa/frame_yosa.htm
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| 3) 2006年YRSレース規則&車両規則
2006年のYRSエンデューロ&スプリントシリーズの開幕戦は1月28
日(土)に筑波サーキットコース1000で開催されることが決まっています。
オーバルレースの開幕戦の日程は未定です。レースは今までのフォーマットを
踏襲して行いますが、レース規則、車両規則に若干の変更を加える予定です。
正式な告知は12月上旬を予定していますが、決定事項だけ先行してお知らせ
します。
● 車両規則
2006年以降、YRSが主催するYRSエンデューロおよびスプリント、オ
ーバルレースに参加する車両はSタイヤを使用することができなくなります。
○ レース規則
2006年以降、YRSエンデューロにソロで参加されるドライバーは最低1
名のピットクルーを同伴していただくことになります。
以上、YRSコンペティッションの内容を充実させるたえめの決定です。ご理
解とご了承をお願いします。
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| 4) 売りたし = 平成4年式カローラFX
スクールカーとして使用してきたカローラFXを1万円で売ります。12月
で車検が切れますが、車検を取っての販売も可能(車検費用は別途)です。車
両の詳細を知りたい方、購入したい方はメールで連絡して下さい。
・カローラFX問い合わせ先
mail@avoc.com
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| 5)グラスルーツモータースポーツ トム ヨシダ
先日、某クルマ雑誌の副編集長と話す機会があった。その時に聞いたのだが..。
マーチカップの車両を使ったメディア対抗レースがあったという。詳細は聞
かなかったし報道も見てはいないが、クルマ雑誌の編集者が広報車両を借りて
レースをやったのだろう。
それが大変なレースだったらしい。2台が全損。そのうちの1台は横転しな
がら前転したそうだ。ドライバーに怪我はなかったそうで、それは良かったの
だが、聞いていて暗澹たる気持ちになった。
それはそうだろう。クルマ雑誌の編集者といえば、常識的に見て、それを職
業にしていない人に比べクルマにも運転にも精通しているはずだ。その編集者
がレースでの成績にこだわる余りやってはいけない走り方をして、その上クル
マを壊すというのは最悪だ。もちろん良識のある編集者が多勢を占めるのは間
違いないが、そうでない人も昔からいた。
編集者も人間。間違いを犯すこともある。しかし、ことクルマに関係する職
業、それも報道に携わるものには間違いを犯す可能性を出来る限り少なくする
義務があるはずだ。「ふだんは間違いを犯さない。レースだから。」という言
い訳は通用しない。結局は、自分の中でクルマとの付き合い方の折り合いがつ
かないまま原稿を書いているのではと思われてもしかたないではないか。
暗澹たる気持ちになったのには理由がある。副編集長に会う数日前、YRS
卒業生が走るというので筑波サーキットコース2000のファミリー走行を見
に行った。ウエットからドライに変わる微妙なコンディションだったが、そこ
で見たものは落胆するに十分な光景だった。
午後に4輪の30分セッションがいくつかあったのだが、その半分近くが赤
旗中断になった。誰かがコースアウトしたかクラッシュしたのか、とにかく他
のドライバーの安全のために走行を中止したのだ。
さらに気分が重くなったのは、走っているほとんどのクルマがふらついたり、
明らかに無謀とも言える走り方をしていたことだ。つまり走っているほとんど
のドライバーが赤旗予備軍だったのだ。
ファミリー走行をするにはライセンスが必要だ。だから全員がライセンス講
習会を受けていることになる。ライセンス講習会とは、端的に言えばサーキッ
ト走行での危険性を最小に押さえるために行われるもののはずだ。決して、サ
ーキット走行で無茶をやってもいいという特権を与えるものではない。むしろ
ライセンスを持つことでサーキット走行での自重を求める類のもののはずだ。
しかし現実は、その日ほとんどの人が確信がもてない領域に踏み込んでまで
走行を続けていた。確信が持てないと言うことは、操作の結果がどうなるかわ
からないのにうまくいく可能性を信じて走っているということだ。何も起きな
かった時は、たまたま偶然にうまくいっただけ、というレベルの話だ。
実際、第1ヘアピンで見ているとブレーキを我慢したスターレットがグラベ
ルに飛び出した。彼の犯したミスはウエット路面なのに急な制動力を立ち上げ
ていたことだ。毎周毎周これでもかというほど奥に突っ込んでくる。ただでさ
えコーナリング速度が遅いのだから突っ込めばさらに低下することは目に見え
ている。それでも、それが速く走る方法だと信じて疑わなかったのだろう。そ
れは走り方を知らないからだから、しょうがないとも言える。いただけないの
は、その先に何があるかわからないのに周回を重ねても同じことを繰り返して
いたことだ。その周。案の定、直線的に進入してきて大きな過重の乗った前輪
がのぼりカントにかかった瞬間ロックした。あとはお決まりのコース。ドライ
バーはステアリングを切り込んでコースアウトを避けようとしたがクルマの勢
いは止まらない。舵角のついたままの前輪はコースを外れ、結局4輪ともグラ
ベルトラップにはまりレッカー車のお世話になる。
つまるところ、彼は自分のやっていることが間違っていないと思っては走っ
ていたのだろう。いや、正しいか間違っているか疑うこともしなかったかも知
れない。結局、サーキットとという速く走ることが肯定される場所で、自分が
速さを求めて走っていることへの自覚が足りなかったということだ。速さの裏
側には危険がある。自分のやっていることを疑わない人間には危険が見えない。
見えた時は既に危険の真っ只中にいるはめになる。
速く走りたい。レースに勝ちたい。人間の夢と欲望が後押ししてモータース
ポーツは発展してきた。しかしその過程でどれだけの犠牲が払われたことか。
ボク個人が目にした範囲だけでも、両手にあまり数の人がその尊い命を好きな
ことのために落としている。
速さを求めるのもいい。勝利に貪欲になるのもいい。しかし、自らが危険な
状況を作り出してはいけない。そのために、サーキットを走る時間の何十倍、
何百倍もの手間隙かけてあらゆる状況で正確な判断を下せる自分を育てなけれ
ばならない。モータースポーツの楽しさも面白さも、サーキットの中にだけこ
ろがっているものではない。サーキットを走る時にしか味わえないものではな
い。安全を軸にしてクルマと、そして自分と向き合う日常の中にもそれがある
ことを覚えておくべきだ。そして、クルマの楽しさを永らえるためにも日常で
の努力を惜しまないほうがいい。
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□ 編集/ 文責:トム ヨシダ
□ オリジナルサイト:http://www.avoc.com/
□ Copyright Yui Racing School Co.,Ltd.
□ Copyright 1986-2005 AVOC CORPORATION
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