≡≡ Yui Racing School presents ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
Go − Circuit No.209 (08/27/05発行)
---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかしク
ルマ安全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していないと
楽しくもないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「クル
マさんとの正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●ユイレーシングスク
ールからの提案です。●公道では安全運転を。サーキットではそれなりに。
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| 1)参加申し込み受付中
| 2)グラスルーツモータースポーツ
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| 1)参加申し込み受付中
〓〓〓〓 以下のプログラムへの参加申し込みを受付中です 〓〓〓〓
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| ★ どなたでも参加できます ★
■ 9月2日(金)YRSプラクティスデーFSW
アップダウンがあり攻略するのが難しいFSWショートコースでプラクティ
スを行います。FSWをまだ走られていない方、10月1日のYRS最終戦に
向けてトレーニングしたいYRS卒業生の方の参加をお待ちしています。
尚、プラクティスは午前中に終了するので午後は場所を移してドライビング
テクニックやレースの戦い方など質疑応答を含めてお話しする時間を設けたい
と思います。もちろん参加は自由ですので、プラクティスデーに参加されない
方もおいで下さい。
・YRSプラクティスデーFSW開催案内
http://www.avoc.com/2school/2fds/fds2005.htm
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| ★ YRSオーバルスクール卒業生の参加をお待ちしています ★
■ 9月3日(土)YRSオーバルレース第3戦
日本では唯一YRSだけが開催しているショートオーバルレース。スタート
からフィニッシュまでドアツードア、テールツーノーズの接戦が続くオーバル
レース。ロードレースとは一味違った楽しみと興奮があります。
クラス分けはオープンクラスが1〜2クラス。それにロードスタークラスが
加わります。安全に楽しくレースを開催するためYRSオーバルスクールの卒
業生を招待して開催しますが、午前中に行われるスクールに参加される方の申
し込みも受け付けます。
・YRSオーバルレース規則書
http://www.avoc.com/2school/2yos/yorf_guide.htm
・2005YRSオーバルレースポイントスタンディングス
http://www.avoc.com/4circuit/4result_race/2005/2005-yo-point-standings.shtml
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| ★ どなたでも参加できます ★
■ 9月16日(金)YRSドライビングレッスンFSW
クルマを走らせる楽しさ。それはクルマを意のままに操ることです。あたか
もクルマが自分の身体の一部になったような一体感。それを得ることがまさに
人間能力の拡大です。
しかしクルマを意のままに操るには理論に裏付けられた知識と経験が必要で
す。その知識を提供し正しい方向で経験をつんでもらうのがユイレーシングス
クールドライビングレッスンです。サーキットを走ったことのない方にも広い
ジムカーナ場での練習はうってつけです。サーキットを走りこんでいる方には
YRSスタッフの正確にクルマの挙動を把握する目で的確なアドバイスを行い
ます。
カリキュラムは、スレッシュホールドブレーキングに始まりイーブンスロッ
トルでのコーナリング、トレイルブレーキングを使ったトランジッションの練
習です。ドライビングレッスンではクルマを動かすイロハの全てを理解するこ
とができます。クルマの運転を楽しみたいと思っておられる方の参加をお待ち
しています。
・YRSドライビングレッスンFSW開催案内
http://www.avoc.com/2school/2ydw/ydwf_guide.htm
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| ★ どなたでも参加できます ★
■ 9月22日(木)筑波サーキットドライビングスクール
開催数の少ない今年最後の筑波サーキットドライビングスクールです。午前
中にジムカーナ場で定常円の練習を行い基本操作が身体に馴染んだところでコ
ース1000に移動しラッピングを行います。
すでに2000名を超える受講者を誇るユイレーシングスクール主宰の筑波
サーキットドライビングスクール。あなたも受講してみてはいかがですか?
・筑波サーキットドライビングスクール開催案内
http://www.avoc.com/2school/2tds/tds_guide.htm
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| 2)グラスルーツモータースポーツ
いささか旧聞に属するが、7月末の暑い最中に行われたYRS第5戦の話。
レースをするにはクルマにも人間にも過酷な状況だったが、内容はいつもの通
りすばらしいものだった。
エンデューロがついに筑波サーキットコース1000の出走台数いっぱいの
15台で争われたもの良かった。動力性能に圧倒的な優位性があっても、台数
が多ければ速いクルマであっても思い通りには走れない。まして、コース幅が
広いとは言え抜くのが難しいコーナー区間が長いコースだ。
結果として性能差のある2台が同一周回数の11秒差でで1位と2位を分け
合った。スタートから130分。つまり7800秒後の11秒。これがレース。
しかしレース中の流れ次第では勝者と敗者が逆転していたかも知れない。否。
3位以下のチームも優勝の可能性があったかも知れない。全てはレースという
流れの中で起きたある瞬間の出来事がつもりつもった結果だ。出走台数が少な
ければ、いわゆる順当勝ちが見られたはずだ。しかし、同時にしかも同じ目的
に向かって走っているクルマが多ければ追い越しや追い越される機会が増える。
それだけ『速く走るのを阻害する要因』も増えるわけだ。レースとは無数にあ
る要素をうまくまとめ上げられたチームが勝つ。だからエンデューロに関して
は出走台数が多ければ参加者も観客も面白い。
上位に入ったチーム以外にも多かれ少なかれ、「レース中あそこでああやれ
ばもひとつ上にいけたのになぁ。」とか「あそこであきらめなければなんとか
なったんだ。」という思いにかられたはずだ。結果はチェッカーが振られてみ
なければわからない。その意味でYRSエンデューロは常に発展途上にある。
レースに参加し続けることにも終わりはない。そしてコース上を走るクルマや
ピット作業をしているチームを見るにつけ、参加者全員が精一杯やっているこ
とは百も承知の上で言えば、ドライバーとチームともまだ改善すべき点は多々
ある。戦い方を工夫すればYRSエンデューロのレベルが上がることは間違い
ない。
エンデューロに参加しているドライバーは既に承知しているはずだ。走るだ
けでいっぱいいっぱいではレースを戦うことはできないことを。速さは別にし
てコンスタントに走れることが前提にあって、その上でレース戦略と戦術を考
えなければならない。しかし、いったん走り出してしまうとドライバーは演者
としての役割には没頭してしまう傾向にある。えてして『結末から遡って筋書
きを構築する必要のある作者』の立場を忘れがちだ。それはいたしかたないこ
とだとも言えるが、実は、YRSエンデューロレースの醍醐味は参加者が演者
と作者の間を行ったり来たりすることができるところにあるのを知って欲しい。
演者が優秀なだけでは十分ではない。作者ひとりでは勝てない。チームとして
参加していても同じこと。チームドライバー全員が演者であり作者を演じなけ
ればならない。
周回遅れが前方に迫ってきた。追いつけば抜かなければならない。遅いクル
マのペースで走っていてはラップタイムが低下するばかりか走りのリズムも崩
しかねない。では抜きどころの少ないコースで、追いついたら抜けるところま
で追走していって抜けばいいのか?あるいはリスクを承知で追いついたところ
で抜いてしまえばいいのか?結論から言えばどちらもエンデューロでは避ける
べき判断だ。
前者は、とりわけ燃費を稼ぐためにショートシフトで走っているならばなお
さら、後ろについてしまった時にどのくらいの損失があるか計算して追いつく
間合いまでも計算すべきだ。損失とはラップタイムの低下でありガソリンの無
駄使いだ。例えば、コース1000で言えばノーマルカーと足を固めたクルマ
で速度差がつきやすいのが最終コーナー。44秒台で走る速いクルマでもスト
レートでトラクションをかけられるまでにはおおよそ8秒を費やす。外周に出
る手前のブレーキングで追いついてしまえば1周のうちの18%で通常より遅
い速度で走ることになる。それがどの程度ラップタイムに悪影響を及ぼすかと
いう話だ。
特に最終コーナーはストレートを控えているからコーナーの脱出速度がスト
レートの所要時間に直接響く。事前に抜くことができればそうするにこしたこ
とはないが、最終コーナーで詰まることが予測できるのならば、インフィール
ドのストレートで加速を鈍らせ間隔を保つ。その間隔とは、外周に出た時から
自分の速さで走り最終コーナーの立ち上がりで真後ろにつくことのできる距離
のことだ。それができればストレートの加速から本来のペースが取り戻せる。
なのに、最終コーナーを前車について遅いペースで走り、あげくの果ては脱出
速度も低下しているからストレートでも抜けず、1コーナー2コーナーを追走
したあげくようやくヘアピンの進入で抜き去ったシーンがあった。結局、ラッ
プタイムの低下という視点から見るとその周だけではなく2周にわたって速さ
を失ったことになる。例えばの話だが、それが11秒かも知れないのだ。最も
避けなければならないのは一瞬たりとも必要以上に速度を低下させないことだ。
エネルギー(速さ)を失うのは簡単だが、それを取り戻すのは何倍もの時間を
要するからだ。特に1周の距離が短いコースでは一瞬のタイムロスが結果にお
おきく影響する。瞬間、瞬間の判断を求められる局面が無数にあるのがYRS
エンデューロレースだ。だから、走れば運転が上手くなる。判断が的中するこ
とがあるから楽しい。
そして筋書きのないドラマに満ち溢れている。順位はあくまでも瞬間の積み
重ねの結果だ。YRSエンデューロレースに求めるものそして得るもの。それ
は結果ではなく、目指すところに向けて演者と作者を存分に演じ分けられたか
だにつきる。まだ参加したことのないYRS卒業生は自分なりのドラマを作り
上げるために参加してみてほしい。
4クラスで行われたスプリント。全てのクラスで見ごたえのあるレースが見
られた。スプリントではスタート用の信号を操作するために1コーナー先の土
手の上に陣取るのだが、そこはドライバーの心理までもが見えるぐらいに絶好
の観覧席でもある。
スプリントはとにかく相手より速く走ることを求められる。スタートからフ
ィニッシュまでライバルより速く走りきったドライバーが勝者となる。レース
中にスロットルを抜くなんてことは到底ありえない。ミスしたら一瞬のうちに
先を越される。ましてスピンやコースアウトしていてはライバルと戦えない。
そんなレースらしいレースにYRSスプリントは成長した。
今回も思わず手を握りしめてしまったシーンが数多くあった。その数ある名
勝負の中のひとつを紹介したい。
それはSクラスに出走したRX−8同士の争いだ。ドライバーはゼッケン8
3番が本多さんで84番が大橋さん。ふたりは予選で6、7番手を占めると、
ヒート1からファイナルヒートまで全てのラップをつらなって走りきった。あ
る時はその間隔が狭まり、ある時はひらく。それが延々と続いたのだ。しかし、
もし見ている人がレースに豪快さや派手さを求めているとしたら、淡々と周回
を続ける2台の黒いRX−8には目を奪われなかったかも知れない。だが、あ
の延べ30周にわたる攻防はスプリントレースの真髄を見事に具現化していた。
序盤は1〜2秒ぐらいの間隔で2台は走っていた。同じ車種に乗っているの
だからお互いに相手を意識しないはずはない。追いかける大橋さんから逃げよ
うとする本多さん。どこかで大橋さんが仕掛けるのかなと思い、少し間隔がひ
らいた時には本多さんが逃げるかと思うが、2台はお互いの顔がリアビューミ
ラーで確認できるであろう距離を保ったまま周回を続ける。そう。あの2台だ
けは紐で結ばれているかのように毎周同じラインを通り、同じように加速し減
速していた。確かに2台の走りに派手さはなかった。見る人によってはじれっ
たさを感じたかも知れない。しかし個人的には最初から最後まで目が離せない
ワクワクするほどの争いだった。
それは2台の走りの中に『静』を見たからだ。クルマはもともと動的なもの
であるし、それがレースともなればダイナミックでなければ注目されないとい
う側面があるのは事実。しかしそれだけでレースは語れない。確かにコース上
を走るクルマには躍動感がある。視覚的にも速さを感じることに間違いはない。
しかし、争っている人間もダイナミックだと思うならばそれは間違いだ。人間
に求められているのはダイナミックに動くクルマを正確に操作する精神の平衡
状態だ。二人に聞いたわけではないのであくまでも想像だが、二人の意識の中
には間違いなく『静』があったと思う。
本多さんは大橋さんから逃げようとすればもう少しだけペースを上がられた
かも知れない。大橋さんは間隔を詰めようとすれば少しは無理ができたかも知
れない。そんな試みが何度も繰り返されたであろうことは想像に難くない。し
かし、結局二人ともそうしなかった。したかも知れないが、それが形になって
現れる前に自制していた。では、本多さんは適当に走っていたのか。大橋さん
の意欲は低下していたのか。どちらもノーだ。それぞれがそうしていれば、あ
れだけ長い間拮抗状態が保てるわけがない。
本多さんは逃げようとしていたに違いない。逃げる努力をしていた。しかし
その努力が過ぎると全てを失うことも知っていた。大橋さんは追いつきたい、
できれば追い抜きたいと思っていたに違いない。なんとかしようと考えていた。
しかし追い抜く前にはまずミスをせずについていくことが必要なことも自覚し
ていた。それが毎周微妙に異なる間隔に現れていた。大橋さん近づく。が、そ
れ以上はない。本多さん引き離す。しかしそれ以上にはひろがらない。
あの時間の流れの中にあって、二人はギリギリのところで意識のやり取りを
していた。テクニックでもなくラップタイムでもなく、ただ純粋にお互いの間
合いに神経を集中させていた。シーンと澄んだ透明な意識の中で。それは間違
いなく『静』の世界だ。そこには日常生活では体験できない精神の昂揚があっ
たはずだ。そして、それは速いクルマに乗る人だけが、あるいは速い人だけが
享受できるものではない。身体能力に関係なく、レースに参加した人全てに用
意されているモータースポーツからの贈り物だ。
見方によってレースは単なる自動車のパレードになる。参加者の意識によっ
てレースはただ大勢で走り回るだけで終わってしまう。むろんそんなことはな
いが、見方や意識を変えれば人間はモータースポーツから実に多くのことを得
ることができる。それは絶対的な速さから生まれるものではない。大きなサ
ーキットでしか得られない類のものでもない。
時間のある人はFSWで行われるYRS最終戦を見に来てほしい。速さや派
手さの影に隠れがちではあるが、レースを通してふだんは目にしない全人格を
かけた大人の真剣勝負を見ることができるはずだ。
・YRSエンデューロ第5戦結果と全ラップ
http://www.avoc.com/4circuit/4result_race/2005/20050730-ye-results.shtml
・YRSスプリント第5戦結果と全ラップ
http://www.avoc.com/4circuit/4result_race/2005/20050730-ys-results.shtml
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