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Go − Circuit No.4 (10/13/99)

------------------------------------- from California, USA ------
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかし安
全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していないと楽しく
もないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「クルマさん
との正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●当サイトからの提案です。
<<標語>> 公道では安全運転、サーキットではそれなりに。
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※ No.4はスペースを含めると7、500字の文章量があります。保存す
か、回線を切ってから読まれることをお勧めします。
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【No.4の目次】

◆ スローインコースアウトにならないために − テクニック解説
◇ 君は何派? − グリップとドリフトどちらが速い
■ お知らせ − 第一回桶川ドライビングワークショップ申し込み受け付け
□ 連載 − フロム マイレーシングダイアリー

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◆ スローインコースアウトにならないために

前回、スローインファーストアウトとアウトインアウトがサーキットを速く走
るために必要なテクニックだと説明しました。その理由は、「ストレートをで
きるだけ速く走るため」でした。覚えていますか?

スロットル(日本ではアクセルと言うようです)を踏むだけで簡単にクルマさ
んの性能を100%発揮できるのが直線での加速ですから、その利点を有効に
使って少しでも一周にかかる時間を短縮するのが目的です。

ロードコースと呼ばれる曲がりくねったサーキットを速く走るためには、「直
線重視」が絶対に必要です。(楕円形のオーバルコースでも直線を速く走る必
要はありますが、ロードコースを走る時とテクニックは全くと言っていいほど
異なります。説明は回を追うごとに進めます)

では、「直線重視」の思想が浸透したと仮定して(ンッ!?)、スローインフ
ァーストアウトとアウトインアウトの実際を少し詳しく見てみましょう。まず
は簡単そうで守れないアウトインアウトから。

物体が円運動を始めると遠心力が発生します。クルマのコーナリングでも同じ
で、コーナーを回り出すと身体に感じるコーナーの外側に向かって押し付けら
れるような力がそれです。この遠心力、一定の決まりの元に発生します。円運
動の速度が同じならば、円運動の半径が小さいほど大きな遠心力が働きます。
円運動の半径が同じならば、円運動の速度が高いほど大きな遠心力が働きます
(厳密に言うと、速度の二乗に比例して大きくなります)。コーナリング中の
遠心力はなにもサーキットだけで起きる現象ではありませんから、クルマを運
転する全ての人がこの決まりを経験的に理解しているはずです。

「コーナーの外から進入してコーナーの頂点をかすめコーナーの外側いっぱい
に膨らんでいく」ラインをアウトインアウトのラインと言いますが、なぜ速く
走るために必要なテクニックなのか、もうお分かりでしょう。

コース幅をいっぱいに使い実際のコーナーの半径を大きく「改造する」ことで
、より高い通過速度を得られる環境を作るためです。コースを改修してコーナ
ーの半径を大きくすることは不可能に近いけど、ドライバーが意識して通過す
るラインを変更して「改造した見かけのコーナー」を作ってやれば、労せずし
てより大きな半径のコーナーを作り出すことができるというわけです。

例えば、鈴鹿サーキットのヘヤピン。コースレイアウトで見ると半径30メー
トルの左回りのコーナーですが、ボクが走っていた頃のラインでも前半が半径
60メートルぐらい、後半が半径150メートル程度のコーナーに「改造」し
ていたように記憶しています。

で、突然このメールマガジンNo.2に登場したS君の話。
彼の威勢のいいのは端から見ていても良くわかりましたが、「クルマが自分の
思い通りに動くものだ」と思い込んでいたせいでサーキットでは苦労するはめ
になりました。5日間の付き合いだったので彼のことを理解したとは言えませ
んが、おそらく彼は「サーキットでの主役はオレ」と思い込んでいたようです
。

ラグナセカには大小様々なコーナーがありますが、S君に共通していたのはコ
ース幅を目いっぱい使ってないことでした。立ち上がりはまだましでしたが、
進入はアウトにタイヤ2〜3本分スペースを残していました。S君に言わせる
と、「どこから入っても大差ない」ということですが、「差がないのならどち
らでもかまわないわけでしょ。きちんとアウトいっぱいによってみたらどう。
」とアドバイスしておきました。「大差がない」と思うのは、「限界で走って
いないから差がつかず気付かない」だけです。

<続く>

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◇ 君は何派?

サーキットを走る人は、グリップ派とドリフト派の2種類に大別できるようで
す。インターネットの様々なサイトを見ても、どちらかに属するようです。

ここでいうドリフト派とは、CARBOY誌が発端となった「クルマを意図的
に振り回して走る」のを楽しんでいる人達です。一方、レーシングテクニック
は速く走るためのものなので、どちらかと言えばグリップ派に必要な情報かも
しれません。

ですが、ここでどちらが正当かという議論はしないつもりです。どちらも「ク
ルマを使った楽しみ」を追求しているという大局的な観点からは同じことだか
らです。回を追うごとに「意図したドリフト」と「結果的に発生したドリフト
」について触れる機会もあるでしょう。

今回は、「ドリフト命」の人達にとっておきの情報です。

栃木県茂木町にツインリンクもてぎというサーキットがあります。この中に一
周が400メートルの楕円形のダートコースがあります。アメリカに900ヶ
所近くあるダートのショートトラックの内、カリフォルニア州のベンチュラレ
ースウエイを模したものです。

今、ツインリンクもてぎの主催でミジェットレースが行われているようです。
ミジェットとはパイプフレームのフロントにエンジンを搭載し後輪を駆動する
、1930年代のインディカーのような形をしています。

このミジェット、本場アメリカでは大人気のレースですが、ダートのショート
トラックを速く走るためにターンの入り口から出口まで真横になって走ること
を強いられます。いわゆるドリフトですが、ドリコンなどで見られるような瞬
間芸ではありません。とにかく速度を落として曲がっていると遅いので、ブレ
ーキを踏まずに走ってやろうと生まれたテクニックですから、半端ではありま
せん。

そのミジェットの走りとマシンを解説したビデオが日本で売られています(A
VOC制作・著作 つまりユイレーシングスクールが作ったビデオです)。
「ドリフト命」を自認する方は、ぜひ見て下さい。アメリカにはドリフトの上
手さが勝つために最も必要なレースがたくさんあります。

ミジェット紹介ビデオは通信販売か、ツインリンクもてぎの売店で売られてい
ます。

>>>
アメリカにある770ヶ所あまりのダートトラックでは、毎週末オープンホイ
ールカーからストックカーまで様々なレースが行われる。中でも1930年代
から続くミヂェットレースはアメリカのグラスルーツモータースポーツの中心
的存在。
NASCARチャンピオンのジェフ・ゴードンも今年のルーキー・オブ・ザ・
イヤー確実のトニー・スチュワートも、かってダートトラックのミヂェットレ
ースでチャンピオンを獲得しストックカーレースへの道を切り開いた。日本で
初めてのダートトラックがツインリンクもてぎに完成したのを機会に、AVO
Cがプロデュースしたミヂェットレースの紹介ビデオ。ドリフトならまかせて
ヨ、という君。これを見なければまだドリフトは語れない。
ツインリンクもてぎのオフィシャルビデオとして、マシンの詳細からセッティ
ングから走り方まで解説。日本語でミヂェットレースを解説しているビデオは
これ一本。56分のビデオの前半はマシンの詳しい解説、後半ではアメリカで
最高の権威を誇るUSAC主催のミヂェットシリーズの超過激な走りを凝縮。
このビデオを見てこそ、君もドリフトキングになれる !
定価2,800円(税込み)プラス 送料700円 計3、500円
購入は、現金書留で〒120−3533 栃木県茂木町桧山 120−1
ツインリンクもてぎ 販売課販売係まで申し込み。
問い合わせは、販売係の宮本さん(女性)まで。
直通電話:0825−64−0025、ファクス:0285−64−0
009。 <<<

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■ お知らせ − 第一回桶川ドライビングワークショップ申し込み受け付け開始


10月15日から第一回ドライビングワークショップの受け付けを開始します
が、受講者には以下の特典を用意しましたので、ふるってご参加ください。

●●● 12月9日に桶川スポーツランドで第1回ドライビングワークショップ
を開催するのを皮切りに、ユイレーシングスクールは2000年から各地のミ
ニサーキットで同様のプログラムを開催していきます。
2000年1月〜3月までのドライビングワークショップ開催日程は10月末
に発表しますが、3月までにドライビングワークショップを受講された方の中
から抽選で1名の方を、日本では体験できないアメリカのNASCARストッ
クカーレーシングスクールに招待します。ご招待の予定は2000年5月です
。詳細は http://www.avoc.com/events/info_invitation.htm に記載があ
ります。

第一回ドライビングワークショップの申込締切は11月8日です。参加費は一
人18,500円。
お申し込み方法は、http://www.avoc.com/events/application.htm に
記載があります。

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□ 連載 − フロム マイレーシングダイアリー

…前略
人生の後半をアメリカで過ごすことにしたのには理由がある。その全てをここ
で説明する紙幅はないが、「アメリカでレースに出たかった」というのが理由
のひとつではあった。結果的にその願いはかない、望外な収穫を得ることにな
る。

もちろん初めてアメリカに来る前から情報を集めて勉強はしていた。日本で果
たせなかったレーシングドライバーとしてのデビューを飾るためだから、アメ
リカにはどんなレースがあるのか、どんなカテゴリーがあるのか、自分の資力
でも参加することが可能なのか、などなど。

正直言おう。FIA→JAF→レース業界→レースメディアというトップダウ
ンの構図の中で育った(?)ボクも、アメリカではオーバルレースが盛んだと
は知っていたが、内心拒否反応があったことは事実。10数年たって日本のレ
ースエンジニアに「あんなグルグル回るレースのどこが面白いの?」と聞かれ
たことがあったが、かってボクも同じ気持ちを持ったことがある。

だから、アメリカに居を構えてからまずたずねたのが全米のロードレースを統
括しているSCCA(スポーツ・カー・クラブ・オブ・アメリカ)の南カリフ
ォルニア事務所だったのも自然な成り行きだった。当時はノースハリウッドに
あったその小さな事務所を、期待を胸に訪ねたものだ。

今では考えられないほどの円安、確か1ドルが220円〜240円くらいだっ
たから生活は楽ではなかったが、アメリカでの暮らすこと自体は困らなくなっ
た1981年のことだ。 後略…

これは、トム ヨシダのレーシングだーアリーの一節。次号から(読みたくな
い人は読まずにすむように)巻末の連載ものとしてお届けする予定です。

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過去オリジナルサイトのフォームで質問を寄せられた方には個別に回答してき
ましたが、メールマガジン上で回答し多くの人と共有できる質問を募集してい
ます。初歩的質問大歓迎。mailto:publisher@avoc.com まで送って下さい。
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発行元:AVOC、 Fountain Valley, CA 92708 USA
発行人:トム ヨシダ
メール宛先:publisher@avoc.com
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