≡≡ Yui Racing School presents ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
Go − Circuit No.10 (11/12/99)
------------------------------------- from California, USA ------
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかし安
全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していないと楽しく
もないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「クルマさん
との正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●当サイトからの提案です。
<<標語>> 公道では安全運転、サーキットではそれなりに。
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【No.10 の目次】
◇ お知らせ − 1月のドライビングワークショップ受付開始
◆ テクニック解説 − スローインファーストアウト
□ 連載 − フロム マイレーシングダイアリー Part 3
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◇ お知らせ
ウェブサイトにある日程の頁で既にご案内していますが、2000年1月のド
ライビングワークショップの受付を開始します。開催地は全て桶川スポーツラ
ンドです。
ODW003 1月8日(土)午前 受講料 19,500円
ODW004 1月8日(土)午後 受講料 19,500円
ODW005 1月9日(日)午前 受講料 20,500円
受講料はともに税込みです。
受講を希望される方は、下記の要綱をメールで mailto:admini@avoc.com 宛
てにお送りください。折り返し暫定受理書と受講料振り込みの方法を連絡しま
す。
受講コード:(ODW003〜005の中から選んで下さい)
氏名:
年齢:
性別:
住所:
電話:
受講車両:
改造されている方はその内容:
サーキットを走った経験の有無と延べ走行時間:
受け付けは、12月9日(金)までに受講料をお振り込みになった方に限らせ
ていただきます。
各ドライビングワークショップの参加者が少ない場合、キャンセルする可能性
があります。
日程の頁:
http://www.avoc.com/events/events.htm
ドライビングワークショップの説明:
http://www.avoc.com/events/info_drivingworkshop.htm
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日本に移動するため、Yui Racing Schoolのメールマガジン
の次号発行は、11月20日過ぎになる予定です。
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◆ ファーストインコースアウトにならないために
質問と回答特集を随時発行したので話が前後した部分もありますが、いったん
ここでコーナリングの基本についておさらいをしたいと思います。特に12月
9日にドライビングワークショップを受講される方は、以下の手順を参考にし
て下さい。
【サーキットを走る前に】
自分がどんなコースを走るのか、十分に把握します。コースレイアウトは?コ
ーナーの大きさは?コーナーの形状は?コーナーに続く直線の長さは?
安全に速く走るためには、コーナーからの加速を最優先に考えることが必要で
す。#コーナーでクルマと格闘するのは危険ですし遅くなります
加速を優先させた場合の各コーナーの出口、クリッピングポイント、ターイン
ポイント、ブレーキングポイントを暫定的に決め、コース上(あるいはコース
際)にあるリファレンスポイント(目標物)を定めます。
クルマに乗り込んだら、いつもよりずっと腰をシートバックに押し付けるよう
に座りましょう。シートポジションは公道を走る時より数ノッチ前に出した方
が体が安定します。シートベルトは腰の低い位置、できるだけ腰骨の回りをラ
ップできるように締めます。またベルトにたるみがあったらテンショナーへ戻
します。
その着座位置でリアビューニラーを確認します。
腰とお尻の筋肉と膝には力を入れた状態で顔と下肢と上体がリラックスできる
か確認します。
サーキットでは、「クルマを操るのではなく、クルマさんが走りやすい状態を
作ってあげるのが運転手の役目」と自分に言い聞かせます。
【走り出したら】
最初の数周は徐々にペースを上げ先に決めた各ポイントを確かめながら走りま
す。
スロットル、ステアリング、ブレーキを操作するとクルマがどう動くか改めて
確認します。
慣れないうちは、頭で考えた位置よりブレーキングポイントは手前、ターンイ
ンポイントとクリッピングポイントは奥にとります。
ペースがつかめたら、まずブレーキを常に一定の踏力でかけるようにします。
ターンインポイントの手前で速度が落ち過ぎたら、次の周にブレーキングポイ
ントを「まばたきする」くらい先に持って行きます。ターンインポイントでち
ょうど必要な速度まで減速できるブレーキングポイントとブレーキの踏力を見
つけます。
ターンインポイントからクリッピングポイントまでは、クリッピングポイント
を過ぎたらできるだけ早い地点でスロットルが開けられるラインを探します。
加速しながらコーナーを脱出して左右のGが消えた時、コースの外側に余裕が
残っている場合はクリッピングポイントを手前へ移します。
コーナーの立ち上げりでクルマが外に飛び出しそうになったりスロットルを戻
さなければならない場合は、クリッピングポイントを奥に移すか、ゆっくりス
ロットルを踏んでみます。
余裕があれば、ストレートの中間にあるどこかのポイントでエンジンの回転数
を読みます。同じ地点で回転数がより高いラインと各操作が、より理論に近づ
いた走り方です。
【走り終わったら】
手の平を見て下さい。汗はかいてても構いませんが、もし色が変わっていたら
ステアリングを強く握っている証拠です。− クルマの挙動が唐突になります。
次のセッションでは力を抜いて。
次に自分の番が来るまで、人の走りを見ます。同じような性能のクルマが走っ
ていると、イメージトレーニングができます。ブレーキをかける位置は?ステ
アリングを切る位置は?クリッピングポイントは?スロットルを開ける位置は
?
どうでしたか?クルマは腕力で操るものではありません。勇気をふるって走ら
せるものでもありません。クルマと一体になって走ることができれば、これほ
ど安全で快適な乗り物はありません。
安全に速く走るためには練習が必要です。しかし、それ以上に考えて運転する
ことが必要です。
サーキットには信号もなければ対向車も来ません。走ることだけに集中できる
環境があります。クルマを運転する目的がなんであれ、サーキットはクルマの
挙動を把握し、「クルマさんとお友達になれる」最高の出会いの場です。
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□ 連載 − フロム マイレーシングダイアリー Part 4
(AVOCが発行していた印刷メディア、アメリカンモータースポーツシーン
99年2月号より抜粋)
≪SCCAはモータースポーツの行政府≫
SCCAの本部はコロラド州のデンバー近郊にある。ここが5万3000人のSC
CA会員と全米に点在する110以上の支部(リージョナルオフィスと呼ぶ)
を統括している。全米で行われる年間2000近くの公認レースを実際に運営する
のは各支部で、本部に集められた会費が会員の数に応じて支部に配分され、そ
れが支部の活動費となる。
本部には評議会があってレース規則や車両規則を制定しGCRやスペックブッ
クを発行するが、各支部にもその地区(リージョン)の会員が互選して決める
委員による評議会がある。それぞれの支部のレーススケジュールや前述のRX
−7クラスなど支部独自の規則は支部の評議会が決定する。
この会員の互選による委員の決定なんてのがいかにもアメリカ的。支部の会員
の投票で委員が決まるから、立候補しても当選するとは限らない。だけど、自
分達のルールは自分達が選んだ人に作ってもらいたい、という主張がよく表れ
ている。
レースには2種類ある。全米選手権レース(ランオフと呼ぶ)に招待される資
格を争うナショナルチャンピオンシップと各支部単位の選手権を争うリージョ
ナルチャンピオンシップだ。
具体的な例でレースの仕組みを説明する。
ボクが所属していたのはロサンゼルス地区を統括するCSCCリージョン。C
SCCリージョナルシリーズを主催する。年間9戦で行われるこのシリーズで
勝てば、CSCCチャンピオンということになる。ちなみにボクはシリーズ1
位を2回、2位を2回、3位を1回、参加レース数が少なかった年に4位を2
回獲得している。
同じCSCCがナショナルシリーズを主催する。しかしリージョナルシリーズ
と異なるのは、ナショナルポイントがリージョナルより広い地域、デビジョン
単位で集計される点だ。全米に8つのデビジョンがあり、CSCCは南太平洋
デビジョンに含まれる。このデビジョンはサンフランシスコからサンディエゴ
まで、ほぼカリフォルニア全域をカバーする。ちなみにボクは、デビジョナル
チャンピオン1回、2位を1回、3位を1回獲得している。
全米で開催されるSCCAレースの頂点に立つのが前述のランオフ、全米選手
権だ。メジャーリーグベースボールやNBAのプレイオフのような、チャンピ
オン決定戦だ。
デビジョナルシリーズで上位3位までに入ると、ランオフに招待され、当時ラ
ンオフが行われていたジョージア州のロードアトランタまでの旅費が支給され
る。8つのデビジョンからトップ3が集まるので24人。枠があればデビジョ
ナル4位以下のドライバーも自費参加できる。いずれにしろランオフに参加す
るドライバーはつわものぞろい。そこで勝てば晴れてSCCAナショナルチャ
ンピオン、全米一ということになる。
ちなみに、ボクは2回ランオフに参加し1年目に6位に入賞した。GT5クラ
スでは全米で6番目に速かったのだ。2年目は2位のマシンを追っていて不覚
にもコースアウト。ピットで修理してから追い上げたが無念の13位。ボクの
あとにヒロ松下さんと日本に戻ってフォーミュラトヨタをやっていた植村宏臣
君がランオフに出走したが、今のところ日本人ではボクの6位が最上位だ。
エヘン。
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