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Go − Circuit No.183 (03/08/04発行)

---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかしク
ルマ安全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していないと
楽しくもないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「クル
マさんとの正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●ユイレーシングスク
ールからの提案です。●公道では安全運転を。サーキットではそれなりに。
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1)フロム シニアインストラクター
2)オーバルスクール富士開催決定
3)オーバルレース日程決定
4)第2回YRSドライビングワークショップ成田参加受付中
5)YRS第2戦@しのいサーキット
6)延べ3、212名の記録
7)YRSドライビングスクール筑波参加受付中
8)20048)トム ヨシダのドライビングチップス
9)モーターランド三河ドライビングスクール延期のお知らせ

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1)フロム シニアインストラクター

2月28日。YRSエンデューロシリーズとYRSスプリントシリーズの2
004年第1戦が筑波サーキットコース1000で開催されました。2001
年に始めたYRSのオリジナルレースですが、今回はエンデューロに14チー
ム43名(一人で130分を走られた方がおふたりいます)、スプリントが6
4名と過去最高の出走台数でした。

ユイレーシングスクール卒業生のステップアッププログラムとして始めたレ
ースですが、4年目にしてすっかり定着したことを純粋に喜んでいます。また
ドライビングスクールでは教えることのできない運転というものに対する意識
を深めようとする遠大なたくらみも成果は上々で、今回もエンデューロで16
名、スプリントで43名の方がレース中に今までのラップタイムより速く走る
ことに成功しています。ヨーイドンで出走する全員がたったひとつの目標を共
有する環境の中で、新たな自己啓発とドライビングテクニックの次のステップ
を見つけてもらおうというYRSエンデューロとYRSスプリントの目論見も、
それなりの成果をあげることに成功していると思います。

しかしながら、結論から言えば今回のレースは期待以上の成果をあげた一方
で、レースならではのネガティブな側面が出てしまったのも事実です。ポジテ
ィブな面は今までモータースポーツとつながりがなかった方がヨーイドンに参
加してくれたこと。常連の方がより高い目標を設定してそれに臨み、一定の結
果を出してくれたことです。ネガティブな面とは、原因はさて置き、接触事故
がおきてしまったことです。

YRSが主催する手軽なレースと言えども危険なモータースポーツには変わ
りありません。30回以上開催した過去のレースでも初期には計3回の接触事
故がありました。その後しばらくは見ていても傍目には危なげないレースが続
いていると思っていたのですが、やはり危険は潜んでいたということです。し
かもよりによって同じ日に4件の事故がありました。スピンやコースアウトの
回数も今までのレースよりは多かったのも事実です。そんなこともあって、レ
ース当日の最後の総括で「今日は荒れたレースだった」と評価をしましたが、
それは接触事故があったことやスピンやコースアウトが少なくなかったことに
加え、参加者の意識が『危険を容認する方向』に流れつつあるのを察知したか
らに他なりません。

過去に日本でもアメリカでも、オフィシャルとしてあるいは取材者として
『荒れたレース』を幾度となく目にしてきました。自分で走ったレースが『荒
れたレース』だったこともあります。ここで言う『荒れたレース』がどんなも
のなのか言葉で説明することは難しいのですが、それは例えて言うなれば「参
加者個人個人の意識とはかけ離れて、勝敗という実体のない価値基準が一人歩
きする」状態のことです。噛み砕いて言えば、『個人個人のレースに対する思
い、期待、行動が一人ひとりの意識に基づいているのではなく、大多数の参加
者があたかも勝ち負けだけを行動の規範にしている』状態です。
こういった流れ(雰囲気)の時には必ずレースが荒れます。例え何事も起こ
らなかったにしろ、それこそ偶然のたまもので危険な状況にならなかっただけ
のこと。潜在的な危険度は一触即発的なレベルにまであがります。例えて言う
なら、2名のドライバーが亡くなった74年の富士グラチャンがそんな流れで
した。

今までのYRSのレースでは個々の意識と全体が共有する価値感が、ほぼ等
しく個人個人の行動規範となっていたのではないかと思います。またそうある
ために参加者の方々にレースに対する心構えを説いてきました。今回は、参加
者全員とは言いませんが、ある人にとっては全体で共有しなければならない部
分が欠落してしまった、そういうことだと思います。
では、なぜそういうバランスを欠いた思考になってしまうのか。原因はそれ
こそ無数にあると思います。例えば、次のステップを狙うにしても少しばかり
上を狙いすぎた、とか。いつも一緒に走っている仲間だから少しばかり我を通
してもかまわないという甘えが潜在意識にあったのか。前の日にガールフレン
ドとけんかして心が穏やかではなかった、とか。何回もヨーイドンに参加して
いるうちに、自分の能力を過大に評価するようになってしまったとか。いずれ
にしろ、『レースは危険なものだから自分のできる範囲でまず安全に走りきる
ことが大切だ』という意識を超える『何らかの動機』があったからだと思いま
す。
前を走るクルマがヘアピンで奥深くまで突っ込んでいった。その状況はクル
マにとってもその運転手にとっても限度を越えているにもかかわらず自分もつ
いていってしまう。その結果、前のクルマがバランスを崩せばそれを回避でき
ない状況に自分を追い込んでいることに気づかない。ついていかなければなら
ない理由はどこにもないのにも関わらず。
ここでインに入らなければゴールまで抜けない。前のクルマのインに入るの
に成功するかわからないけど、とりあえずインに向かってみようと思う。ター
ンインの時点で前後関係にあるのだからこのコーナーの優先権は自分にあると
いつものラインを走る前のクルマとラインが交錯する。お互いが「そんなはず
じゃぁ、、、」という状況に陥る。相手が信頼できるかどうかよりも、なんと
かなると自分を信じてしまったことの失敗。
並ばれる。でも引きたくない。引いたら抜かれてしまう。それほど無理をし
たとは思わないのに力がはいったのか、クルマがバランスを崩してしまう。い
つもならラインを外して走っても何も起こらないような速度なのに。好ましく
ない、と自分ではわかっているのに、そうしないと次のステップには進めない
と自分の意識を封じ込めてします。
これらは危険なことです。安全に対してだけではなく、モータースポーツを
楽しみたいという純粋な気持ちにも水をさすことにもなりかねません。なぜな
らば自分にはその選択肢しかないと、誰に頼まれたわけでもなく自分から進ん
で思い込んでしまっているからです。

今回もエンデューロを走りました。ビデオの撮影も目的ですが、それよりも
参加者がどのように走っているかを見るのも大切な目的です。
結論から言うと、これは危ないというシーンを何度か目にしました。お互い
の思いが交錯したら絶対に何かが起きてもおかしくない、あるいはそのドライ
バーが走りつづけていれば何かが起きそうな状況があったのです。
今までも幾度か参加者と一緒にレースをしましたが、いつも心がけているこ
とがあります。それは追い抜くときや追い越される時に十分以上の安全マージ
ンを取ることです。と言うことは100%確実なことしかしないということで
す。外から見れば大げさすぎると映ったかも知れませんが、自分としてはおこ
がましくも「安全にしかも速くレースを走る」ヒントにしてくれればと思って
走ってきました。絶対に何も起きないと確信できる状況を作りながら走る。例
え何かが起きたとしても余裕を持って回避できる余裕を確保しながら走ったわ
けです。
それがボクのレースに対するボトムラインです。その上で、初めて前を走る
クルマは全て抜いてやろうと思いながら走るのです。結果的に目標に届かない
場合の方が圧倒的に多いのも事実ですが、それは甘んじて受け入れることにし
ています。
「なんで甘んじなければならないの?」と思う方もいるかも知れません。
「そんなのつまらないじゃない!」と言う方もいるでしょう。でも、ボクの場
合は『なんでもあり』の状況でレースを走るつもりも走ったつもりもありませ
ん.『直接結果につながらないこと』をキチンとできることこそ『粋』だと考
えているからです。

経験の浅いうちは局面、局面での対処のしかたに悩むかも知れません。その
意味ではある程度の経験、つまり場慣れが必要かも知れません。でも、その不
足分を補う方法はあります。それは想像力です。サーキットで直前の路面を見
ながら走ると操作が遅れるのと同様に、流れの中でイメージを作れないと意識
のバランスも欠くことになります。そしてイメージを作るときに不可欠なのが
ボトムライン。原点ともいうべきものです。それがあれば、たえず想像力を働
かせることでその局面が正のイメージなのか負のイメージなのか瞬時にしてわ
かるようになります。自然とその瞬間に自分がなすべきことが見えてきます。
モータースポーツは潜在的に危険をはらんでいます。それは間違いのない事
実です。でも、それがプロのレースであれアマチュアのレースであれ、危険を
封じ込める方法はあります。ボクは『粋』に走ることでそれを達成しようとし
ています。あなたは何をもって危うさを封じ込めますか?

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2)オーバルスクール富士開催決定

過去、YRSでは楽しみながら速く走るコツをお教えするためのオーバルス
クールを浅間台スポーツランドで開催してきましたが、平日の参加が難しい方
のために新たにYRSオーバルスクール富士を追加します。
場所は富士山2合目にあるフジヤマリゾート(旧日本ランド)のyeti駐
車場。週末の夜間に開催し、YOSAとほぼ同じ大きさのオーバルコースを使
って行います。(オーバルの半径は同じ32mで長方向が5mほど短くなりま
すが、筑波サーキットジムカーナ場の大きいYRSオーバルよりも20数m長
くなっています)
どなたでも参加できるスクールです。クルマの運転が好きな方、クルマの性
能を引き出してみたい方にお勧めです。オーバルスクール富士を受講すると、
ユイレーシングスクールが今年から開催するオーバルレースに参加することが
できます。
日程は確定していますが、その他の詳細は決まり次第告知します。概要は以
下のとおりです。

・YRSオーバルスクール富士
集合:午後4時半(yeti駐車場)
終了:午後11時
日程:5月22日(土) YOSF01
7月 3日(土) YOSF02
8月28日(土) YOSF03
9月25日(土) YOSF04

・yetiホームページ
http://www.yeti-resort.com/top.html

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3)オーバルレース日程決定

いよいよオーバルレースが始まります。場所は富士スピードウエイジムカー
ナ場特設コース。詳細は決まり次第告知しますが、4月17日と5月21日は
プラクティスデーとなります。今までのYRSオーバルより大きいコースを走
ってみたい方は注目です。
特設コースはコース幅を18m取る予定です。またオーバルスクールとは違
い、アウトインアウトのラインを走ることも勧めます。まさに今まで培ったカー
コントロールの全てを出し尽くして走ります。プラクティスデーでは基本的な
オーバルレースの走り方のガイダンスも行います。

・YRSオーバルレース概要
参加資格:YRSオーバルスクール浅間台、もすくはYRSオーバルスクール
富士を卒業された方
暫定クラス:ビッグボアFR
スモールボアFR
4WDターボ
ライトウエイトFF
レース形式:予選(1台ずつ)
トロフィーダッシュ
3ヒートレース

開催日は以下の日程で決定ですが、その他の詳細は決まり次第告知します。


4月17日(土) Open Practice
5月21日(金) Open Practice
6月13日(日) Oval Race 01
8月 7日(土) Oval Race 02
10月 3日(日) Oval Race 03
12月12日(日) Oval Race 04

・富士スピードウエイホームページ
http://www.fujispeedway.co.jp/index.html

本来は希望される方全てに参加していただきたいのですが、オーバルコース
の走り方に慣れていないと走ってもつまらないばかりか、同時出走のレースで
は危険でもあります。特に日本ではショーとオーバルのレースは全くといって
いいほど馴染みがないものですから、参加資格をYOSAとYOSFの卒業生
とさせていただきます。ご了承下さい。
オーバルスクールではパイロンで作られたオーバルと同じシルエットで走る
ことをお願いしています。そのほうが受講者の操作とクルマの挙動の因果関係
がわかり易いからです。しかしレースとなると、ラップタイムよりライバルよ
り速く走ることが必要になります。オーバルスクールのようにいつも同じ所で
トレイルブレーキングを終わらせることがいいとは限りません。しかも18m
はあるコース幅いっぱいを使って走行ラインを自由に選ぶことができます。オ
ーバルレースの目的、それはカーコントロールの応用力を高めることです。ひ
ょっとすると、明らかにブレーキングが必要なコーナーに減速しないまま飛び
込まなければいけない状況も生まれるかも知れません。
既にYOSAに参加された方はオーバルコースの面白さをご存知だと思いま
すが、まだ走られたことのない方はぜひオーバルスクールを受講してみて下さ
い。
尚、最初の2回はオーバルレースに参加を予定されている方の練習日としま
す。オーバルレースのルールや進行について説明しますので、オーバルレース
に興味のある卒業生は参加して下さい。また、オーバルレース当日には、どな
たにでも参加していただける人数限定のオーバルコース体験を実施する予定で
す。

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4)第2回YRSドライビングワークショップ成田参加受付中

3月12日。成田モーターランドで第2回YRSドライビングワークショッ
プ成田(YDWN)を開催します。成田モーターランドは低速コースですが、
スムースに速く走るのには『クルマの挙動に合わせた操作』が必要です。朝一
番に座学を行うのは他のスクールと同じですが、コース上ではスレッシュホー
ルドブレーキングから始まりコーナリング練習、ラッピングとリズムにのって
クルマの操作ができるカリキュラムになっています。
YDWNはサーキット走行の経験のある方のブラッシュアップにも適してい
ますが、サーキットを走ったことのない方にうってつけのプログラムです。ど
ちらかと言うと、サーキットを走ったことのない方でクルマの運転について造
詣を深めたい方に有効なカリキュラムになっています。受講者は全員受信機を
つけてリアルタイムアドバイスを受けながら走ります。また少人数制なので質
問の時間も十分にあります。クルマの運転の楽しさを味わってみたいという方
の参加をお待ちしています。

尚、YRSドライビングワークショップ成田に参加された方を対象とした優
待プログラムを用意しました。YDWNに参加された方が、YRSオーバルス
クール浅間台もしくはYRSオーバルスクール富士を受講された場合、スクー
ル当日に3、000円のキャッシュバックを行います。YDWNとオーバルス
クールの両方を受講することでクルマの運転の極意をのぞいてもらおうという
企画です。ふるってご参加下さい。

・YRSドライビングワークショップ成田開催案内
http://www.avoc.com/2school/2ydw/ydwn_guide.htm
・成田モーターランドコースレイアウト
http://www.avoc.com/2school/2ydw/layout_narita.htm
・第1回YRSドライビングワークショップ成田レポート
http://www.avoc.com/2school/2report/report_ydwn/0215/ydwn0215.htm

※ YDWN卒業生がオーバルスクールに参加される場合も通常通りの参加申
し込みと受講料の振込みをして下さい。キャッシュバックはオーバルスクール
当日の受付けで行います。

| 3月12日に開催するYDWNには4名の余裕があります。参加申し込みは
| 今からでも間に合います。参加を希望される方は、当日参加費をお支払いい
| ただいてもかまいません。送金日を12日として申し込みフォームを送信し
| て下さい。折り返し開催案内のメールをお送りします。

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5)YRS第2戦@しのいサーキット

4月10日。しのいサーキットでYRSエンデューロシリーズ第2戦とYR
Sスプリントシリーズ第2戦を開催します。基本的には過去に開催した筑波エ
ンデューロと筑波スプリントと内容的には同じですが、補足的なレース概要が
決まりましたのでお知らせします。

○YRSエンデューロしのい
・130分の時間レースとします
・フルコースを使用します

※ YRSエンデューロしのいに参加したチームにはYRSエンデューロ第1
戦筑波のビデオ(非売品)を進呈します。

○YRSスプリントしのい
・2ヒートレースを行います
・ショートコースを使用します
・4クラスでレースを行います

参加申し込み受付けは3月中旬から行う予定です。ふるってご参加下さい。
尚、現在スプリント&エンデューロシリーズのスケジュールの見直しを行って
います。決まり次第告知しますが、開催数と開催地が変更になる場合がありま
すのでご了承下さい。

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6)延べ3、212名の記録

筑波サーキットコース1000が完成し報道関係者にお披露目されたのが2
000年10月24日。YRSでは直後の11月3日に座学を中心とした筑波
タイムトライアルを開催しました。この時の参加者は31名。YRSラップタ
イム一覧に最初に記録を残された方々です。
以来、筑波サーキットドライビングスクールや筑波エンデューロと筑波スプ
リントのレースを含め、今年2月28日現在で延べ3、212名の方の当日の
ベストラップをデータベース化してウェブサイトに掲載してあります。これら
一覧は参加者個人のステップアップの記録でもあり、特定のクルマのラップタ
イムの目安でもあります。一度ご覧下さい。

・実質参加者1、132名のベストラップタイム
http://www.avoc.com/4circuit/4circuit_record/t1k/01frame_best.htm
・延べ参加者3、212名の全記録
http://www.avoc.com/4circuit/4circuit_record/t1k/02frame_time.htm
・延べ参加者3、212名の個人別データ
http://www.avoc.com/4circuit/4circuit_record/t1k/03frame_name.htm
・改造度別ベストラップ一覧
http://www.avoc.com/4circuit/4circuit_record/t1k/04frame_car.htm

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7)YRSドライビングスクール筑波参加受付中

過去3年。1,500名あまりの卒業生を送り出した筑波サーキットドライ
ビングスクールが今年も始まります。3月16日開催の入門クラスは既に定員
に達しています。3月25日に開催する上級クラスはまだ余裕があります。さ
しあたっての日程は次の通りですが、参加を希望される方はお早めにお申し込
み下さい。

○ 筑波サーキットドライビングスクール入門クラス
主にサーキットを走ったことのない方を対象にしたカリキュラムです。もち
ろんサーキットの走行経験のある方にも有効な内容となっています。教室での
座学に始まりジムカーナ場での定常円旋回、コース1000に移動してブレー
キングの練習とコーナリングの練習。最後に計測を行い受講者各自の速さの基
準を設定するというカリキュラムになっています。
基本的にどんなクルマでも参加できます。ワンボックスでもワゴンでもかま
いません。サーキット走行に耐えられるよう通常の整備が行われていれば参加
できます。オープンカーの場合もロールバーを装着する必要はありません。幌
を閉めるかハードトップを装着すればコース1000の走行も可能です。
これからサーキットを走ろうとしている方、あるいはサーキットを走る予定
はないがクルマの運転というものについて合理的な理解を深めたいtおいう方
は参加してみて下さい。シニアインストラクターの運転にまつわる話を聞くだ
けでも受講料を払う以上の価値があります。

○ 上級クラス
主にサーキット走行の経験がある程度ある方を対象にしたカリキュラムです。
少ない人数で徹底的に操作の見直しを行います。定常円走行は入門クラスより
大きな30mx60mを使います。コース1000ではスレッシュホールドブ
レーキング練習、トランジッションブレーキング練習、コーナリング練習、ラ
ッピング、計測を行います。

○ 筑波サーキットドライビングスクール日程
3月25日(木) TDS上級
4月 8日(木) TDS入門
4月22日(木) TDS入門
5月 7日(金) TDS入門

○ 筑波サーキットドライビングスクール案内頁
http://www.avoc.com/2school/2tds/tds_guide.htm

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8)20048)トム ヨシダのドライビングチップス

まず訂正をしなければならない。前回のドライビングチップスの中の以下の
記述について。

| スピンとは、リアタイヤのスリップアングルがフロントタイヤのそれを大幅
| に超えた時に起きる現象にすぎない。フロントタイヤが食いつくからと言っ
| てステアリングを切っても、その時のクルマの状況によってはリアタイヤが
| フロントタイヤの軌跡をたどってくれるという保証はない、ということだ。

正解は、リアタイヤのスリップアングルがフロントのそれより大きくなった
結果がスピンだ。つまり瞬間的なオーバーステア現象がスピンだと言いたかっ
たのだ。ここに訂正してお詫びしたい。

スリップアングルの話が出たところでコーナーの進入におけるコースアウト
の話だ。筑波サーキットコース1000の1コーナー先でよく見られるが、フロン
トからコースを外れてしまうあれだ。行きたい方向にステアリングを切ってい
るのに、クルマの向きがそれに応じたほどには変わらず、何かに押されるよう
な形でフロントがアウトに向かってしまい、最後にはコースから外れてしまう
現象だ。

そのきっかけとなる理由は様々だが、原因はただひとつ。フロントのスリッ
プアングルがリアのそれを大幅に越えたことに起因するアンダーステアの結果
だ。
・YRS教科書:http://www.avoc.com/1drive/1textbook/1text67.htm

なぜフロントのスリップアングルが過大になるか。もう一度コーナーへ進入
する過程を想像してほしい。

コーナーは一般的にそのコーナーの手前にあるストレート(長短に関係なく)
よりも通過速度が遅い。当たり前のことだが、だからコーナーに入る前には減
速が必要になる。クルマの動きをコーナーに到達する前から順に見ていくと、
加速から減速に移り減速の最後にコーナリングが始まる。減速の最後とターン
インがどのくらい重なるのか、あるいは全く重ならないのかはコーナーの曲率
や形状によってきまるが、基本的にはターンインの直前までは強い減速度がク
ルマに働いているものだ。
クルマに加速度が加わると過重移動が起きる。それが加速であれ減速であれ
コーナリングによる遠心力であれ、クルマに加速度が働くと過重の移動がおき
る。その結果が姿勢変化だ。減速状態であれば過重は前に移動している。クル
マはノーズダイブというピッチングモーションを起こす。

ここでステアリングを切るだんになった時のフロントタイヤに注目する。基
本的には直前までの減速による姿勢変化で過重がフロントにかかっている。と
いうことは、前後に同じサイズのタイヤを履いていても、フロントのグリップ
のほうがリアのそれに勝っている。だからステアリングを乱暴に切ってもとり
あえずフロントは応答してくれる。
ところが全てのタイヤには固有の限界がある。例え前過重のおかげでグリッ
プが増していたとしても、やはり限界はある。そして、その限界内でしかクル
マは地面に張り付いて走ることはできない。タイヤにかかる加速と旋回、ある
いは減速と旋回の応力の和もその限界内に収まっていなければならないという
話だ。
・YRS教科書:http://www.avoc.com/1drive/1textbook/1text37.htm

直前までのブレーキングでタイヤのグリップの内のかなりの部分がクルマの
速度を落とす力−制動力を路面に伝えることに使われている。ターンインでは
減速と旋回のふたつの応力がタイヤにかかることになるわけだが、タイヤ側か
ら見れば旋回を始めるために振り分けるためのグリップは残りわずか。その事
態を無視して運転者が勝手気ままにステアリングを切ったらどうなるか?直進
方向と横方向に働く慣性力の和は簡単にフロントタイヤのグリップの限界を超
えタイヤが滑り出す。滑るのはステアリングを切ったフロントタイヤだけだか
ら、結果的にフロントタイヤのスリップアングルがリアのそれよりも大幅に大
きくなる。アンダーステアが発生するメカニズムだ。
問題はステアリングを切る量と切る速さを運転手が決めなければならない点
にある。速く走ることばかりに必死になってクルマの状態などおかまいなしの
運転手にステアリングワークが委ねられている点にある。まだある。それは一
部のおせっかいなデバイスがついたクルマ以外、リアタイヤはステアしないと
いうことだ。リアタイヤにスリップアングルが発生するのは、リアタイヤに横
方向の応力がかかってからでしかない。
もし、リアタイヤに横方向の応力が発生していない段階で「エイヤッ」とス
テアリングを切ったらどうなる?リアタイヤにのスリップアングルは限りなく
ゼロだ。ステアリングを切っただけでフロントのスリップアングルが過大にな
るのは目に見えている。
・YRS教科書:http://www.avoc.com/1drive/1textbook/1text77.htm

速く走ろうとする意欲は必要だ。それがなければ進歩はない。しかしクルマ
の状態を無視した操作をして、それが運転手の努力であり速く走ろうとする意
欲の表れだというのは間違いだ。
コーナーへ進入する時のスピンとコースアウト。クルマの動きを視点に考え
れば、その原因が運転手にあることに気づくだろう。と言うことは、それらを
避ける方法も考え付くだろうと言うことだ。
何度も同じミスを繰り返しながら、それが自分にできる精一杯の努力だと思
いこんでいるのは幼稚だ。ユイレーシングスクールは、ただやみくもにスピン
やコースアウトをしてはいけないと言っているのではない。我々アマチュアは
身体で覚えるほどの走り込みをすることは不可能だ。だからこそ速く走ること
よりも何よりも、まずクルマの動かし方を学んだほうが効率がいいではないか、
と言っているのだ。そこに安全に楽しくスポーツドライビングと付き合う秘訣
があるのだから。

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9)モーターランド三河ドライビングスクール延期のお知らせ

現在ユイレーシングスクールでは筑波サーキットドライビングスクール、オー
バルスクール、オーバルレース、ドライビングワークショップ成田以外のスケ
ジュールの見直しを行っています。それに伴い、前号で告知した4月5日(月)
のモーターランド三河ドライビングスクールを延期します。
参加を予定されていた方にはご迷惑をおかけすることになりますが、4月中
に開催する方向で検討していますのでご了承下さい。

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