Home > YRS Media-Info >

≡≡ Yui Racing School presents ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

Go − Circuit No.186 (04/02/04発行)

---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかしク
ルマ安全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していないと
楽しくもないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「クル
マさんとの正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●ユイレーシングスク
ールからの提案です。●公道では安全運転を。サーキットではそれなりに。
======================================================================
1)ユイレーシングスクール参加申し込み受付中
2)2004年TDS上級クラス受講者の声
3)トム ヨシダのドライビングチップス

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
1)ユイレーシングスクール参加申し込み受付中

■4月8日筑波サーキットドライビングスクール =まだ間に合います=
今年で4年目を向かえたジムカーナ場とコース1000を組み合わせた筑波サー
キットドライビングスクール。入門クラスはサーキット走行の経験のない方で
も不安なく安全にサーキット走行を始められるカリキュラムを組んでいます。
サーキットを一度走ってみたい、自分のクルマを思い通りに動かしてみたいと
思われる方の参加をお待ちしています。
4月8日の入門クラスにはまだ余裕があります。申し込みは以下の申し込み
フォームに記入して送信して下さい。5日以降に申し込まれる方は受講料を当
日受付けでお支払い下さい。

・筑波サーキットドライビングスクール案内
http://www.avoc.com/2school/2tds/tds_guide.htm
・筑波サーキットドライビングスクール申し込みフォーム
http://www.avoc.com/app/application_tds.cgi

■4月10日YRSスプリント&エンデューロ@しのい
4月10日。しのいサーキットでYRSエンデューロシリーズ第2戦とYR
Sスプリントシリーズ第2戦を開催します。基本的には過去に開催した筑波エ
ンデューロと筑波スプリントと内容的には同じですが、補足的なレース概要が
決まりましたのでお知らせします。当日のスケジュールを早めに確定したいの
で、参加を考えられている方はお早めにお申し込み下さい。YRS@しのいで
はラッピングを行う予定です。詳細はレースのエントリーがほぼ確定してから
決めることになりますので、発表まで今しばらくお待ち下さい。

| ※YRSスプリント@しのいの参加申し込み締め切りを4月5日とします。
| 参加を希望される方はそれまでに申し込みフォームをお送り下さい。尚エ
| ンデューロについては規定台数に達するまで受け付けます。
| ※当日のラッピングについては4月6日に発表します。
| ※今回のレースに限り参加費を当日にお支払いいただいてもかまいません。
| その場合は送金日の欄に4月10日と記入して下さい。

○YRSエンデューロしのい
・130分の時間レースとします
・フルコースを使用します
※一人で130分を走行する方には参加費の優待があります。詳細はメールで
問い合わせて下さい。

○YRSスプリントしのい
・16周+20周の2ヒートレースを行います
・ショートコースを使用します

・YRSスプリントシリーズ規則書
http://www.avoc.com/2school/2yrs/yts_guide.htm
・YRSエンデューロシリーズ規則書
http://www.avoc.com/2school/2yrs/yte_guide.htm

■YRSドライビングワークショップ成田
4月13日に開催される第3回YRSドライビングワークショップ成田の受
講者を募集しています。いちからクルマの運転を会得してみたいというかたに
最適のプログラムです。1台ずつ走行しますのでご自分のペースで走ることが
できます。
またYRSドライビングワークショップ成田を受講された方がYRSが終了
後メールでお送りするアンケートにお答えいただいた場合、YRSオーバルス
クール浅間台、YRSオーバルスクール富士、もしくはは筑波サーキットドラ
イビングスクールの受講料を3、000円割引いたします。YDWNとオーバ
ルスクール、あるいはドライビングスクールの両方を受講することでクルマの
運転の極意をのぞいてもらおうという企画です。

・YRSドライビングワークショップ成田開催案内
http://www.avoc.com/2school/2ydw/ydwn_guide.htm
・成田モーターランドコースレイアウト
http://www.avoc.com/2school/2ydw/layout_narita.htm

※ YDWN卒業生がオーバルスクール、あるいはドライビングスクールに参
加される場合も通常通りの参加申し込みと受講料の振込みをして下さい。キャ
ッシュバックはオーバルスクール当日の受付けで行います。

■第1回YRSオーバル富士プラクティスデー参加受付中
4月17日(土)。YRSオーバルレースプラクティスデーの告知をしたと
ころ、将来オーバルレースに参加しなければならないのですかと問い合わせが
ありました。4月と5月に開催するプラクティスデーはあくまでも練習です。
オーバルスクールで定常円の走行を体験した方が次のステップにすすむための
カリキュラムです。オーバルレースに参加する予定がなくてもかまいません。
オーバルコースを安全に速く走る方法を知りたい方は参加して下さい。ただし
原則としてYRSオーバルスクール浅間台を受講された方を対象とします。

・YRSオーバルレース富士開催案内
http://www.avoc.com/2school/2yos/yorf_guide.htm
・富士スピードウエイホームページ
http://www.fujispeedway.co.jp/index.html

■第14回YRSオーバルスクール浅間台参加受付中
運転の上達に欠かせないトランジッションを習得するのにうってつけなのが
YRSオーバルスクールです。4月19日には浅間台スポーツランドでYRS
オーバルスクールを開催します。サーキットを走ったことのない方でも参加す
ることができます。楽しみながらクルマとの一体感が体験でき、クルマの限界
を引き出すコツを習得できるYRSオーバルスクールに参加してみてはいかが
ですか?

・第13回YRSオーバルスクール浅間台結果
http://www.avoc.com/2school/2report/report_yosa/yosa_report.htm
・YRSオーバルスクール浅間台開催案内
http://www.avoc.com/2school/2yos/yosa_guide.htm
・YRSオーバル浅間台歴代ラップタイム
http://www.avoc.com/4circuit/4circuit_record/oval_yosa/frame_yosa.htm

■TDS中級クラス
TDS卒業生からYRSで走行会を開催してほしいという要望があります。
YRSの卒業生と一緒に走れる時間帯を希望されているようです。そこで走行
時間を増やす意味でブレーキングとコーナリングの練習を省いたカリキュラム、
中級クラスを実施します。開催日は4月22日。午前中にジムカーナ場で定常
円の練習をするのは同じですが、午後はコース1000でラッピングのみを行いま
す。安全意識の高いYRS卒業生と走りたいという方は参加して下さい。

・筑波サーキットドライビングスクール案内
http://www.avoc.com/2school/2tds/tds_guide.htm
・筑波サーキットドライビングスクール申し込みフォーム
http://www.avoc.com/app/application_tds.cgi

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
2)2004年TDS上級クラス受講者の声

今年の第1回筑波サーキットドライビングスクール上級クラスが終了しまし
た。受講された方にアンケートを実施しましたが、以下はその集計です。受講
された方の生の声を聞いてみて下さい。筑波サーキットドライビングスクール
の受講を考えている方の参考になればと思います。(文章は句読点、と半角/
全角の変更以外は加筆、訂正していません。)

* * * * * * * * * * * *

> 1.筑波サーキットドライビングスクール上級クラスを受講された動機はな
> んですか?

・運転技術の向上という意味で次のステップに進みたかったからです。コーナ
リングの上達こそがそれにあたるので、コーナリング練習のある上級クラスを
受講しました。
・初級クラスを受講して、大変勉強になったので、さらに運転技術を向上させ
るために上級クラスを受講しました。それは、自分なりにモータースポーツに
参加する際の心構えの面で共感できるところがあったり、純粋に安全にモータ
ースポーツの楽しさを享受するための技術向上であったり、それに何しろ安全
性の向上にもつながる・・・と考えたからです。
・速く走るための基本操作を修得したいが為。
・サーキット走行の要領が今ひとつ理解できず、十分な成果があげられなかっ
た事です。初級クラスでは基本的な技術を教えていただき良かったのですが、
それをどう応用するかがわかりませんでした。上級コースではサーキットでタ
イムを上げるための方法を教えていただいたので、大変役立ちました。
・前回の浅間オーバルに参加させていただいたときに参加者方が今回の筑波の
話をされていて参加するのであれば上級クラスの方が為になりますよとアドバ
イス頂いたので参加しました。
・もちろん上達したいからです。
・コース1000を走行したかった事と、サーキットのコース上での車の動き
を理論的に知りたかったため。
・レースを再びはじめるため、テクニックの感覚を戻し、早く走るため。

> 2.筑波サーキットドライビングスクール上級クラスのカリキュラムは期待
> 通りだったでしょうか?

・もちろん期待通りでした。ただ目的意識の薄さの現われと思いますが、オー
バル以外のいわゆるサーキットを走行する事が久しぶりであった為に肝心のコ
ーナリング練習の時にはリズムや感覚が掴めずに実のある成果をそこでは得ら
れなかったように思います。個人的には午後は1発ラッピングをやって、その
結果を持ってコーナリング練習を行い、その後でラッピングをして1回目と2
回目でその差はどうなったか?という流れのほうが良かったように思います。
ただ、あるコーナーが旨くいっても次がダメもしくは逆という事があるので、
その差は的確な検証にはならないかも知れませんが。それから午前中のオーバ
ル。コーナリング理論を理解実践する為には必要不可欠ですし、なによりもそ
の楽しさはやった人でしか分からないものです。終日無線機によるリアルタイ
ムアドバイスがあるのも◎です。
・はい。無線機で個人ごとにタイムリーにアドバイス頂けるのは非常に助かり
ました。でも基本的には初級クラスで教えていただいたことと大きな違いはな
いと感じました。それだけ基本が大事だということなのだと感じました。
・ 期待通りでした。オーバルコースでのきめ細かいなアドバイスを1000コー
スでも受けられると更に良いのですが。例えば,コース上に3名くらいが走り、
各自にアドバイスをするのは,如何でしょうか?
・期待以上の効果がありました。WetとDryの違いもあると思いますが、ベスト
が7秒短縮できました。それ以外の効果もありました。だんだん自分の車の他
車と違う特長がわかってきて、この車ならどう走らせると速くなるかという事
を考えられるようになりました。また、回りのハイパフォーマンスカー軍団に
は太刀打ちできませんでしたが、逆に余計なことは考えず、丁寧な操作に徹し
ようという気持ちになってきました。それにハイパフォーマンスでないからこ
そ、低い速度でもピッチング、ローリングを感じられ、それをコントロールす
る喜びを感じられるのではないか、などと思うようになりました。逆にハイパ
フォーマンスを求めすぎると公道ではコミュニケーションしづらい面白みに欠
ける車になってしまうのかな、と思いました。(とは言えなぜかハイパフォー
マンスカーは大好きですが。)
・期待通りの内容充実したものでした。習うより慣れろという言葉があります
が、実際にはある程度の教えを受けたうえでその教えを実行するために慣れる
ように走る事が必要と痛感していましたので私にとっては物凄く勉強になり、
また自分の欠点も良く見えてきました。何度か、現役プロドライバーのレッス
ンにも参加したことがあるのですがスポーツでも良く言われるように、良い選
手が教え上手とは限らないと。此方のスクールでは教え上手は吉田さんが居て
成り立っているのだと思いました。
・同乗走行があるとうれしい。
・スクールのメニューとしては午前・午後共に期待通りでしたが、コース10
00に移動後は時間が少ないように感じました。
・ひさしぶりなので今回は良かったと思う。希望として、講師とのマンツーマ
ン指導があればうれしいですが・・・。

> 3.筑波サーキットドライビングスクール上級クラスを受講した成果があり
> ましたか?あったとすればどんな場面で生かされると思いますか?

・大いにありました。それはコーナリングの肝である、アクセルオフから減速
のトランジッション、減速終了時の姿勢(ピッチング)、その姿勢からリアをロ
ールさせてコーナリングフォースを得るというターンインのトランジション。
の意味を再認識させてくれた事です。その成果は全てのコーナリング時に生か
されるものと信じています。どんなコーナであろうと最大のコーナリングフォ
ースを発生させる姿勢させ作れれば良いわけで、その姿勢までいかにスムーズ
に早く持っていくかが課題となりますね。その物差しを持ってスクール後に一
人反省会を開きましたが、どうやら40点くらいにしかなりそうもありません
でした。一番いけないのは速く走ろうとする気持ばかりが先行して車の都合
(状態)を考えていない為にいわゆる突っ込み過ぎになって、前荷重残り過ぎ/
ステアリング急過ぎを連発し、尚それに気付いていない事です。今後はこの物
差しを持ってコーナリング毎に訂正していければと考えています。
・最後に行ったコース1000でのラッピングでは過去最高記録でした。つまり客
観的データとしても効果あったと認識しています。今後、筑波などでのファミ
リー走行時にいろいろ試しながら腕を磨き、個人的に参加している草レースで
上を目指したり、また日頃の運転でもそれを生かした安全運転を心がけたいと
思います。(限界域で思いっきり走るのはサーキットで・・・)
・過去のデータと比較して平均1秒以上速くなっています。やはりコーナース
ピードが上がりました。また,ラッピングで車を抜く方法も少し理解できたよ
うに思えます。
・ドライのサーキットを初めて走れ、車好きにたくさん会えたので、とても楽
しかったです。
・成果はありました。自分の走り方のスタイルが欠点だらけだった<当たり前
ですが。 ただ、何処がどのように悪くどうすればそれが改善されるかが解っ
てきました。此の成果は、走行会やミニレース等に生かすのはもちろんのこと、
通常の公道走行(普通に走る際)にも自分のもてる余裕に繋がると考えていま
す。
・とても勉強になりました。とくにブレーキからコーナリングの、一つの流れ
が少しつかめたような気がします。ただ最近どうしても体に力が入ってしまい、
腰が折れそうに痛いのです。。タイトコーナーは突っ張った状態になってしま
い思ったような動作が出来ません。シートを交換したからなのか、ハンドルを
交換したからなのか、はたまた、リラックスできないのか???
・コース1000を使用した練習とラッピングのラップタイム及び走行後の車
の状態より自分の不足している部位が認識できたことは今後の走行に非常に影
響することだと思います。
・成果はありました。何分久しぶりで基本がめちゃくちゃになっていたので。
生かす場面としてはレースです。

> 4.思いつくことがあればお書き下さい。

・今回のラッピングではなんとかベストを更新しましたが、その更新した事よ
りも前回のベスト近辺のタイムを0.3秒の幅で10周近くラッピング出来た
事が驚きであり成果でもありました。ベストはその周回の最後に出たものです
が、なんせ前回は毎週1〜2秒の幅がありましたから。ここで、その時の事を
思い返して見ると、前にいる自分より速い車になんとか付いて行こうという気
持を持ってから以降の周回が0.3秒幅に落ち着いていたようです。もちろん、
車が悲鳴を上げ出す為に付いてはいけないのですが、でも何か出来るはずとの
思いを持っていたのは確かです。如何に欲を押えて走るかが速さに繋がるもの
と思っていましたが、そういった気持も車のバランスを崩さない範囲であれば
成長には必要なのかと気が付きました。だとすると今後更なるステップアップ
を目指すなら、YRSE&Sレース等への参加がこの上ないステップアップカ
リキュラムなんだと思います。
・筑波コース2000の走り方などを教えてほしいです。そのような講習会はあり
ますか?去年はあったような気がするのですが。また、別のサーキット(例え
ば、もてぎなど)のコースを使ったコース攻略を含めた講習などがあるいいな
あと思います。
・1)私が運転して,インストラクターが助手席で,コースを周回しながらそ
の都度,アドバイスを受けられれば最高です。2)思いつきですが,上級コー
スにオーバルコースのみならず,S字コーナーの練習は出来ないものでしょう
か? 
・細かなことを言えばサーキットを早く走るためのいろいろな技術があると思
います。きっと他のサーキットではまた違ったものを要求されるかもしれませ
ん。いろんなものを一通り経験してみたいと思っています。そのようなクラス
を用意していただけると助かります。
・流石に長年続けられているドライビングスクールだけあって、仕切りの良さ、
的確なアドバイスには感心しました。そして、遠方からの参加者、参加年齢の
高さ、此の辺りのリピーターが多いことも驚きですが、此のスクール参加者の
何かを得ていこうという目的意識が高く、此方もそれに触発されて一層真剣に
取り組めるのでとても良かったです。今回学んだことが、最後のラッピングで
5回に2回程度しか出来なかったり一部分だけ良く他の部分が悪いという1周
を通して満足な走り方が出来なかったで自分自身の宿題にして練習に励み5回
に4回は学んだ事が実行でき、かつ1周を通してある程度の納得できる走りが
出来るようになったらまた別の課題を得るために参加させていただきたいと思
います。自分にとっては、やみくもにサーキットに通い友人達からのアドバイ
スを得るよりも遥かに得るものが多くまた、自分の走りを考えさせられる良い
機会であった事。ホントに良かったです。
・コスト・集客・目の届く範囲等で難しいかもしれませんが、コース2000
を使用したスクールがあるとありがたいです。次回はYRSオーバルレースプ
ラクティスYORF01の参加を予定しいます。また、よろしくお願いします。
・上記にもしましたが、講師とのマンツーマン指導があればありがたいと思い
ます。また4月22日も受講予定です。

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
3)トム ヨシダのドライビングチップス

クルマの運転がごく当たり前のことになって久しい。高校生の時に免許を取
りクルマやバイクを走らせていると、「あの人不良よ!」なんて後ろ指を指さ
れたことが嘘のようだ。運転が上手いか下手かは別にして、公道でクルマを運
転する資格をもつことはきわめてふつうのことになった。
自動車メーカーは次々と高性能車を発売し、誰でも簡単に未知の領域を体験
できるようになった。タイヤメーカーはより性能の高いタイヤを売り出し、誰
もが運転技術に関係なく安全により高い速度で走れるようになった。
誰もが簡単により高い速度を経験できることになったのは、確かに自動車技
術の進歩だ。実際、クルマやタイヤの性能が拙しかった頃は、一部の明確な意
思を持った人と運転が必要であった人しか自分から進んで高速で走ろうなどと
は思わなかった。しかし現代においてクルマの運転は普遍的なものになり、人
々は文明の利器であるクルマの恩恵を様々な方法でこうむっている。

サーキット走行もそのひとつに過ぎない。YRSが提唱するスポーツドライ
ビングがそれだ。クルマを速く走ることを前提に作られたクローズドコースで、
自らの手で自分のクルマを速く走らせようという企みだ。実に多くの人がサー
キット走行を体験している。未知の速度域に足を踏み入れて武者震いする。繊
細な操作で卓越したコーナリングを決めて悦に入る。クルマと運転が好きな仲
間が増え、同じ価値観をもつ社会が形成される。確かに、スポーツドライビン
グは自動車技術の進歩をなくしては成り立たなかった。その意味でスポーツド
ライビングは紛れもない現代のエンターテイメントだ。
しかしエンターテイメントであるはずのスポーツドライビングで事故が絶え
ないのも事実だ。大切なクルマを壊し、時として最も大切な自身の身体を傷つ
ける。エンターテイメント、娯楽であるならば楽しくなければならないはずな
のに、それが苦痛に変わる時がある。悲しいことだ。そして、それが自動車技
術のせいではなく、クルマを操る人間の意識が原因で起きるところがスポーツ
ドライビングの暗い側面だ。しかも避けようとすれば避けられることだけに、
何かが起きた時にはやりきれなさが残る。

ユイレーシングスクールでは99年の暮れに第1回ドライビングワークショ
ップを桶川で開催した時から一貫して安全にスポーツドライビングを楽しむこ
とを提唱している。誰も彼もが速く走る必要はない。その人なりの速さで走っ
てもスポーツドライビングは成り立つ。スポーツドライビングとはまずクルマ
の運転を楽しむことだ。そういう思想だ。
前回までスピンやコースアウトは絶対に避けるべきだと書いてきた。避ける
ためのヒントも書いてきた。読まれた方の何人かは、「はは〜ん。そういうこ
とか。」と思われただろうし、ある人は、「何言ってやんでぇ。んなまだるっ
こしいことできるかい。」と思われたかも知れない。多分、最近メールマガジ
ンの購読を解除された数名の方は後者なのだろう。(笑)それはそれでいい。
スポーツドライビングは、何をさておいても安全で楽しくなければならない。
これはシャバの決まりだ。それ以外にスポーツドライビングが大儀を持てる理
由はないと心得るべきだ。

一人ひとりの経験や意識が違うから、テクニックを教える理想はマンツーマ
ンだ。しかしそれは物理的に実現するのが難しい。最大の妥協策がYRSが開
校している各ドライビングスクールだ。そこで操作の基本と運転に対する心構
えをお話している。そこが全ての出発点だ。経験の多い少ないに関わらず、ク
ルマを正確に操ることを軸足としていればテーマが見つけ易いからだ。クルマ
を意のままに操るには時間がかかる。練習も必要だ。だからこそ、限られた時
間の中で最大の成果を上げるような練習をすることが必要だ。

僕自身。実にいろいろなサーキットを走り、いろいろなクルマに乗ってきた。
練習が嫌いでなかったらもっと上手くなっていたのではないかと思わなくはな
いのだが、状況が許してもやはり練習はしなかったはずだ。ただ、威張るほど
のことではないが、サーキットを走る時はいつでも『覚醒』していたのが僕の
自慢だ。気負うのとは全く意味が違うが、とにかく意識は明確だった。そう。
僕は、その意識から速さを導き出そうとしてきた。
サーキットを走る時。乗っているクルマが受講生のファミリーワゴンであっ
ても、NASCARの720馬力ストックカーであっても共通していることが
ある。それはどのレベルで自分が走るべきかを瞬時に計算しその範囲で走るこ
とだ。何があってもそのレベルは超えないように決めていた。結果が期待通り
でなくいても、意識を守ることを優先し結果には甘んじてきた。

例えて言うならば、自分の限界をわきまえてクルマに負担をかけない範囲で
運転するのをレベル2とすると、余裕を持ちかつメリハリをつけて走るのがレ
ベル3。クルマの性能を引き出すことを最優先に絶対に何も起こらない範囲で
走るのがレベル4ということになろうか。実際にはこんな数値で表すことは不
可能なのだが、自分の中では明確に分けているのだから言葉にするとこう表現
する以外にない。いずれにしろ。どのレベルであれスピンやコースアウトをし
ないことを前提としている。
例えば、街中を走る時。できる限り安全を心がける。かと言ってゆっくり走
るのとは違う。自分と他人の安全を確保できるレベルのことだ。速度制限以外
のルールは必ず守る。八千代氏から筑波サーキットまですいていれば1時間ち
ょっとで着く速さであるが、何か起きるはずはない、と確信できる。言うなれ
ばレベル3か。
昨年までの筑波サーキットドライビングスクールでやっていた同乗走行。受
講生のクルマに乗って、そのクルマの限界をわかりやすく体験してもらい、同
時にそのクルマを限界近くで走らせる操作を見せなければならない。間違って
もクルマがバランスを崩すそぶりすら見せてはいけない。なのに速さは必要だ。
そんな時。たいていはレベル4になる。
オーバルスクール。なんども参加している方に一皮剥けてほしいと思う時。
時として2周か3週だけレベル2のモードに入ることがある。あとはやはりレ
ベル4だ。
昔。雑誌の取材で試乗記を書いていた時。常にレベル4だったが極力レベル
3で走るように心がけた。行ったり来たり。運転しながらあれこれ考えていた。
そう言えば、ある時コース1000でとてつもなく速いポルシェの同乗走行を
することがあった。この時ばかりはレベル4ではなく終始レベル3だったのを
覚えている。久しぶりに『どこまで行っていいのかわからないクルマ』に乗っ
て楽しんでしまった記憶がある。
アメリカでレースをやっていた時。やはりライバルがいるわけで時としてレ
ベル2になったが、大方はレベル3で走りきった。レースは楽しかったが常に
我慢の連続だった。レベル2で走っていて追いつかない。引き離せない。すぐ
さまレベル3に変える。それでも駄目。深呼吸してもう一度レベル2に緒戦。
そこでふんばる。そうすると、今までに3回しか経験していないが、レベル1
の走りができたことがある。全米選手権に招待された時のロードアトランタと、
カリフォルニアチャンピオンを争っていてレース中にコースレコードを出した
リバーサイドとウィロースプリングスのレースだ。あれはすごかった。いつも
は見えない世界が見えたような気がしたものだ。パドックにクルマを止めても
しばらくは自分のしたことが信じられなかったほどだ。心からクルマの運転が
好きで良かったと思った。勝ちたいという純粋な欲と自分で自分に課したルー
ル。そのせめぎあい。おそらく、セナのようなドライバーは常に自分の意思で
そういった世界が覗けるのではないかと思った。

残念ながら、それ以来レベル1は影をひそめたままだ。だから、別の見方を
すればいつも『手を抜いて』走っていることになる。それを邪道だとも、もっ
たいないとも思わない。抜かれることもあるけど、悔しいとは思わない。いつ
の日にかまたレベル1を経験できるかも知れないと期待しつつレベル3やレベ
ル4で走りつづけるのも悪くはない。それに、(不謹慎だが内心では)必死で
アップアップしながら走っているヤツをこっちはレベル4でブチッといけたら
いいだろうな、なんて思っていたりする。
だってそうでしょ。レベル毎に速さが大幅に違うのであれば問題だけれども、
操作の結果であるラップタイム自体にはほとんど差はでない。クルマの運転を
知っているということはそういうことだと思う。レベル分けにしたって人間だ
から常に正確ではありえない。だけど、『走り出した時に自分で意識した判断
は、それを守っている限り絶対に自分のもの』。それが僕自身のスポーツドラ
イビングに対する心のよりどころだ。

昔は難しかったことが今は簡単にできるようになっている。おそらく一発の
速さを求めたら今の方が速いだろう。たぶん、ずうずうしいかも知れないが、
まだ技術的には進化をしているのだと感じる。それを感じるのは、サーキット
を走る時にはいつも覚醒していて、明確な意識とはっきりしたテーマを持って
いるからだと思う。

みなさんはどんな意識でクローズドコースを走り始めていますか?

********************************************************** 奥付け ****
□ メールマガジン " Go − Circuits "
□ 有限会社ユイレーシングスクール発行
□ オリジナルサイト:http://www.avoc.com/
□ Copyright Yui Racing School Co.,Ltd.
□ Copyright 1986-2003 AVOC CORPORATION
本メールマガジン、オリジナルサイトの全部、または一部を複製
もしくは引用されたい方は、事前に発行人までご連絡ください。

宛先:発行人 publisher:mail@avoc.com
----------------------------------------------------------------------
下記のURLで購読中止・配信先変更の手続きが行えます。
◇ まぐまぐ: http://mag2.com
◇ メルマ:http://www.melma.com/
◇ Eマガジン:http://www.emaga.com/
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ Presented by Yui Racing School≡