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Go − Circuit No.168 (08/03/03発行)

---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかし安
全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していないと楽しく
もないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「クルマさん
との正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●ユイレーシングスクールか
らの提案です。
<<標語>> 公道では安全運転、サーキットではそれなりに。
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1)8月24日YDCA開催要項決定
2)8月5日筑波サーキット公式ドライビングスクール受講者募集中
3)車両メンテナンス
4)ハウツースタート 何から始めよう
5)温故知信 その10 トム ヨシダ
6)ユイレーシングスクールからのお知らせ

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1)8月24日YRSドライビングコンペティッション

ユイレーシングスクールでは8月24日(日)に浅間台スポーツランドでド
ライビングコンペティッションを開催します。パイロンで作った32mX10
0mのオーバルを使ってのタイムトライアルです。

開催要項は以下の頁に掲載してありますが、早めに参加台数を把握したいの
で申込み方法を以下のように変更します。
・参加費は当日お支払い下さい。
・参加を希望される方は申し込みフォームに記入し、振込み日時に8月24日
と書き『参加料送金済み』のボタンを押して送信して下さい。

YRSドライビングコンペティッションに参加される方はできるだけ早くに
お申込み下さい。

・YRSオーバル浅間台現在までのラップタイム
http://www.avoc.com/4circuit/4circuit_record/oval_ydwa/frame_ydwaoval.
htm
・YDCA開催要項
http://www.avoc.com/2school/2yrs/ydc_guide.htm

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2)8月28日筑波サーキット公式ドライビングスクール受講者募集中

8月28日。筑波サーキットジムカーナ場とコース1000を使って筑波サーキ
ット公式ドライビングスクール入門クラスが行われます。ジムカーナ場では形
の違う2個のYRSオーバル使ってクルマの性能の限界を察知できる感覚を養
います。コース1000ではコースを歩きながらサーキットを走る時に「するべき
こと」と「してはいけないこと」を説明した後にラッピングを行い、じょじょ
にクルマの限界に近づく練習をします。もちろん同乗走行で受講者のクルマに
適した走り方を披露します。

サーキットを走っているけどクルマの動きが分からない。速く走ろうとする
と怖い。運転というものを体系的に学びたい。そんな方にお勧めのカリキュラ
ムです。筑波サーキット公式ドライビングスクールを受講すると筑波ライセン
スを取得するための講習会が免除になります。

・筑波サーキット公式ドライビングスクール開催案内
http://www.avoc.com/2school/2tds/tds_guide.htm

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3)車両メンテナンス

暑い時期にサーキットを走るとクルマへの負担も増えます。特にオーバーヒ
ートしやすいブレーキ関係はメンテナンスが重要になります。今回、筑波サー
キットゲート前にあるメッカがリーズナブルな料金でサーキット走行に必要な
メンテナンスを引き受けてくれることになりました。クルマの状態に多少なり
とも不安のある方はご利用下さい。メッカは筑波サーキット開場以来レーシン
グカーの製作を行っているレーシングガレージです。

・作業工賃
ブレーキフルードエア抜き作業:3,500円より
ブレーキフルード:3,000円より
ブレーキパッド交換作業(エア抜き込み):4,000円より
ブレーキパッドフロント:9,000円より
ブレーキパッドリア:8,000円より
オイルキャッチタンク取り付け:4,500円より
各部点検:5,000円より
※各部点検にはハブ、足回り、マフラー取り付け部、オイル漏れの点検が含ま
れるそうです。

※点検と軽整備を依頼する場合も電話で予約を取って下さい。

レーシングプラザ メッカ
〒304-0824 茨城県結城郡千代川村村岡 166
電話:0296−44−0921、ファクス:0296-44-0782

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4)ハウツースタート 何から始めよう

自動車レースが始まって以来、既に100年以上の歳月が流れている。それは
ほぼ時を同じくしてヨーロッパとアメリカで始まった。長い年月と絶え間ない
技術の進歩はレースの形態を変えてきたが、自動車レースが『クルマを道具と
し速さを唯一勝敗の要因とする競走』であることに今も変わりはない。
つまり、その起源からクルマは道具であり、道具を使うのは乗り手である人
間だった。しかし、おうおうにしてクルマの速さが結果を左右したことが少な
くない。速さに占めるクルマの性能の割合が大きいのが自動車レースであるか
らいたしかたのないことではあるが、レースが始まる前から結果が読めるので
あっては競走にならない。競走とは、つまり人間の努力しだいでは好成績を収
められる環境がボトムラインとしてなければならない。

ロードスターパーティーレースは、その意味で自動車レースの本質を具現化
しようとしたものだ。同じ仕様のクルマを使い、乗り手である人間の速さを浮
き彫りにする。レースに参加するための初期投資が高いかどうかは置いておい
て、その本来の趣旨は達成されつつあるように見える。

ロードスターパーティレース第2戦。筑波サーキットコース2000。行われた
4レースで白熱した争いが繰り広げられた。しかし走っている乗り手の努力、
ここではあえて『あがき』という言葉を使おう。その人間のあがきを見抜けた
人がどのくらいいたかは疑問だ。もともとクルマの性能を均一にし人間の資質
を全面に出すことが目的のパーティレース。クルマに性能差がなく、乗り手の
資質にも大きな開きがあるわけではない。まして舞台は曲がりくねった筑波サー
キット。2周目に入ると1列縦隊のパレードが始まる。派手な追い越しシーン
があるわけがない。前のクルマを抜こうとして果敢にアタックする乗り手がい
ないわけではないが、いや全てがそうなのだが、彼らのあがきを外から推し量
ることは難しい。だからレース自体は単調に見える。面白くないと映るかもし
れない。しかしそうではない。

少しでも上位に食い込みたい。少なくとも今のポジションを守ってフィニッ
シュしたい。レースを走る人間なら当然考えることだ。だから前のクルマに必
死になってついていく。少しばかりの勇気をふるってそれまでより高い速度で
コーナーに進入する。
状況はかわらない。単調にレースは進む。しかし、それは見ている側の印象
でしかないのも事実。実際にはそこかしこで乗り手の『あがき』とレースで好
成績を収めるために不可欠な『工夫』が見られた。

* * * * * * * *

筑波サーキットコース2000。クルマに絶対的な性能差がなければ簡単には前
車を追い越すことのできないコース。はたしてどこがパッシングポイントなの
か。

2ヶ所あるヘアピンは最も速度の落ちる区間。予選のようにラップタイムだ
けを重視して走るのなら速度の高いコーナーから攻めるのが鉄則。しかしレー
スで重要なのは相手との相対な速度差だ。周回路で前車を抜こうとするならば、
コーナーの立ち上がりから次にスロットルを離すまで(減速するまで)の区間
を速く走らなければならない。ではどうすれば相手より速く走ることができる
のか。

一見同じような速さで同じようなラインでコーナリングしているクルマ。が、
実際にはクルマの状況はクルマごとに異なる。しかも状況はクルマが前に進む
に従って連続的に変化する。そんなめまぐるしい状況にありながら相手より速
く走ろうとするのは簡単ではない。しかし目指すところははっきりしている。
それは、クルマの性能を最大限に引き出すことだ。これだけでは分かりにくい
だろう。言い換えれば、加速区間の速さが重要なのだから、できるだけ早くク
ルマを加速状態に持っていけるように走ることだ。
ここで間違ってはいけないのが、スロットルを早く開けることが『早く加速
状態』にすることとはイコールではないことだ。いくらスロットルを「早く」
開けてもクルマが加速状態になっていなければクルマは加速しない。スロット
ルを早く開けることが「クルマの性能を100%引き出すことではないという
ことだ。鍵は『トラクション』にある。

第1ヘアピンに向かって数台のロードスターがテールツーノーズでS字を下
ってくる。ポジションはこう着状態。田原選手は前後のクルマにはさまれてS
字最後の右コーナーにさしかかりブレ−キング。どのクルマも同じような速さ
で同じようなラインでヘアピンに進入する。強いて違いを探すのならば、田原
選手はほんの少しだけ他のロードスターよりブレ−キングで速度を落とし(つ
まり前車との間隔を少しだけ空けて)、気持ち大きな円弧を描くようなライン
で進入したことだ。前方にかなりのスペースがある前車はいつもろ通り進入か
ら高い速度を維持しコースをめいっぱい使うきれいなアウトインアウトのライ
ンで走る。
ヘアピンの頂点での前車と田原選手の位置関係は、1m弱の間隔で前後に並
んでいる。レコードラインで言えばアウトにはらみ出す地点。田原選手がクル
マ半分ほど内側。しかし前後関係は変わらず1m弱。前車がヘアピンのアウト
にはらんだ時。田原選手はクルマ1台分イン側に。前後関係はと言うと、田原
選手のフロントバンパーが前車のリアバンパーの位置にあるほど近づく。次の
瞬間。前車がヘアピンで受けた横Gを消して加速に移ろうとした時。田原選手
のフロントバンパーは前車の助手席ドアのあたりにまで進んでいた。
次のダンロップコーナーに備えて左にスィープする区間。田原選手の存在を
認めた前車は田原選手が左に移行するにつれて左に転舵。ほぼ2台が横に並ん
で加速する。まだ前車がわずかに前で田原選手が後ろ。田原選手がコース左端
に寄った時には完全に横に並び、ダンロップコーナーへのターンインではフロ
ントバンパー2つ分ほど前に出ることに成功していた。

この時点で田原選手の追い抜きは事実上終わっていた。大きな円弧を描くこ
とのできる田原選手に対してイン側のクルマは小さな円弧を描くことしかでき
ない。当然コーナリングスピードが低下する。それだけターンインで速度を落
とさなければならない。自分のポジションを守ろうとすれば田原選手を押し出
すことになる。それは禁じ手だ。モータースポーツは肉弾戦ではない。
ダンロップコーナーを抜けて次の左高速コーナーに向かう頃、通過速度に勝
る田原選手が位置関係を逆転していたことは言うまでもないが、ダンロップブ
リッヂ下で行われた追い越しだけに目を奪われてはならない。実際に田原選手
が前車を追い抜ける状況にあったのはダンロップコーナーに向かってステアリ
ングを切り始める前だ。田原選手がその地点で追い抜ける状況を作り上げるこ
とができたのはへやピンの進入から立ち上がりまでの走り方に工夫を凝らした
からだ。
相手を抜くためには10数秒まえから手続きを始めなければならない。抜き
たいと思った瞬間に抜けるほどクルマを使った競走は簡単ではない。コントロー
ラーの操り方が上手ければ結果を残せるゲームとは違う。

* * * * * * * *

クルマの性能に差がある状態で競い合っても何も生まれない。速いクルマが
速いだけだ。爽快感はあるかも知れないが、それはきわめてあいまいな情緒的
なこと。知性には関係のないことだ。
性能の拮抗しているレースで追い抜くのは確かに難しい。クルマの速さが同
じ上に、誰もがより速く走ろうとあがいているからだ。
そんな状況にある時。前車を抜きたいという明確な意識があればなにかしら
工夫をするはずだ。結果として抜くことはできないかも知れないが、その工夫
はその時にこそ生かされないにしても乗り手の財産になるはずだ。工夫をその
都度頭の中の引き出しに入れておけば、その人の走りのイメージは高まる。ユ
イレーシングスクールが自動車レースを知的遊戯と呼ぶ所以である。
そして、乗り手の操作がクルマの要求に完全に一致していればより速く走る
ことができるスポーツドライビングを、ユイレーシングスクールはアートだと
考えている。

願わくば、走っている人にも見ている人にも『人間のあがき』がもっと明確
に映るように、もう1ランク下のタイヤでパーティレースをやってみてほしい
ものだ。

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5)温故知信 その10 トム ヨシダ

ホンダS600のようなスポーツカーでさえ轍に足を取られてフラフラする。
それが当たり前なのだと疑わない。まだクルマが成熟していない時代の話。

国道の轍は交差点の手前とか下り坂に多い。トラックなどの重量車のブレ−
キングで舗装がよれた結果だなんて知るよしもない。とにかく路面が波打って
いるところを通過する時には注意するほうがいいと身体が覚えている。
轍の中を走れる時はそれほどでもないが、たいていの場合2本ある轍は乗用
車のそれより幅が広い。大型車が作ったからだろう。友人から借りた軽自動車
に乗っている時などは悲惨。轍の片方をどちらかのタイヤで踏んでいればそち
ら側は安定する。しかし轍に乗っていないもう片方のタイヤが暴れる。どうす
ればクルマが矢のように真っ直ぐ進むのか、解決策は見つからない。
とにかく路面の突起に乗り上げた側のタイヤはあらぬ方向に向かおうとする。
それがどっちなのかは分からない。左右の前輪はつながっているから、結果的
にクルマの進行方向も変わる。ふつうの速度で走っている分には問題はないが、
速度を上げるとタイヤが受ける外乱の量が多くなる。ただ、轍は直線部分に集
中していてコーナーにはあまりみかけないのが救い。
しかし軽自動車免許をとって間もない頃は平坦地ですら真っ直ぐ走れず蛇行
していたことを考えれば、運転時間が少ない割りにはまともにクルマを走らせ
られる。少し自慢。高校生のぶんざいでクルマに乗れるだけでも喜ばなければ
ならないのかも知れないが、頭の中はもっとうまくクルマを運転してみたいと
いう願いでいっぱい。クルマを運転する機会があれば、どうしたらクルマを思
い通りに動かすことができるか、それだけを考える。
ある日のこと。クルマの直進性のことばかり考えながら軽自動車を運転して
いる。20数馬力のクルマだから速度が速いわけでもない。タイヤはもちろん
バイアスの10インチ。4輪ドラムブレーキ。例によって轍のあるところでは
フロントが落ち着かない。
片側のタイヤだけでも轍に乗せて走るほうが安定すると聞いていたし、それ
をそのまま信じて片方のタイヤが常にどちらかの轍に乗るようにしてきたが、
ふと両方とも乗せないとどうなるのか試したくなる。あえて路面が波打って高
くなっているところを両方の前輪で踏めるような進路を選ぶ。見事に振られる。
もっと速いとどこかに飛んでいってしまうんじゃないかという不安はあるが、
その先のことはわからない。ただただ進路を乱さないように走ることだけを考
える。ステアリングホイールを握る手が左右に忙しく動く。真上から見ればク
ルマのフロントが絶えず右に左にコチョコチョ動いているのかも知れない。自
分で安心できる範囲で速度を上げる。
確かに轍を無視して走るのは簡単なことではない。しかしできないことでな
いことも分かる。慣れてくるとけっこうな速度で走れるようになる。何も考え
ない。ただただ走っているクルマがどんな動きをするか感じることに全神経を
集中する。
もともと運動神経が最悪でおよそスポーツには縁がない。運転も決して上手
くないはず。だけど巧くなりたい。ダルなステアリングギアボックスのせいで
直接的なショックは感じないものの、キックバックは少なくない。パワーステ
アリングなどない時代。
走っているうちに不思議なことに気が付く。常にステアリングホイールを握
り締めているよりも、力を抜いて支えていて必要なときにだけ力を入れるほう
が気が楽に走れる。思えばそうだった。高校1年の夏に「吉田ぁ、蛇行してる
ぜ。」と鼻で笑ってくれた友人も「手に力入れすぎなんだってば。」と言って
いた。
不必要な力が入ってクルマの向きが変わり始める。それではいけないと力を
入れたままの状態で軌道を修正する。修正したつもりが修正しすぎてもう一度
修正するはめになる。その繰り返し。あのころは手の平に汗を書いていた。
「そうなんだ。力を入れていなくてもいいんだ。」 コツがわかればその練
習。最初のうちはキックバックが来てから力を入れていたが、慣れるとステア
リングホイールが回り始めようとする瞬間をとらえて力を入れることができる
ようになる。「たいしたもんだ。」調子に乗っているうちに、それが雑誌に書
いてあった直進性のなせる技なんじゃないかと気が付く。鈍感。
それでも、たいていの路面ならクルマのフロントを乱さずに走れるようにな
る。轍をわざと外して走るのが楽しくなる。路面の状態を見ることなく、ステ
アリングホイールに添えた手の平がほんのわずかな動きを察知して対応できる
ようになる。

「運転ってクルマにまかせたほうがいい時もあるんだなぁ。」なぜか運転の
本質が見えるような気がする。そしてクルマを安定させることが運転で一番大
切なことだと思い知る。
時として轍に振られ驚いてスロットルをゆるめる。エンジンブレーキがかか
り、前輪はそれまでより激しくバタつく。ゆるめないで踏み込んでいったらど
うなるか。やはり乱れは少なくなる。
「ものの本に書いてある『段差を乗り越える時は手前でブレーキを踏み離し
た時に乗り越えるようにしてショックをやわらげる』のと同じようだな。」そ
の時はブレーキを踏むことで過重が前に移動し前輪の接地圧が上がるなんて理
屈は知らない。ただただ手の平を通して感じるクルマの世界にゾッコン。

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6)ユイレーシングスクールからのお知らせ

8月2日にYRSメンバーに「YRS通信」を送信したところ、相当数のメー
ルが不達で戻ってきました。YRSメンバーの方で受け取っていない方はアド
レスの再確認をお願いします。

・YRSメンバー登録・変更フォーム
http://www.avoc.com/7info/7member/7member_apply.htm

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