Home > YRS Media-Info >

≡≡YuiRacingSchoolpresents≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

         Go−CircuitNo.271(05/26/09発行)

---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。思い通りに走らせるのはもっと楽しい●しか
しクルマがなかなか思うように動かない時がある●クルマの運転は簡単そうで
難しい●が、難しいことに感謝しなければならいない●難しいからこそうまく
できた時の喜びは大きい●うまくなろうとする過程がまた楽しい●うまくなろ
うとするから工夫する●今の時代、クルマを使い倒さなければもったいない。
||    Proud of Our Tenth Anniversary     ||
》》》Be Smarter, Drive Sater, and Drive Faster! You can do it!!《《《
         【  Yui Racing School Offers Serious Entertainment  】
======================================================================
|1) YRSウエブサイトアップデート
|2) YRS10周年企画第6弾 フォトギャラリー開設
|3) YRSオーバルレース入門クラス新設
|4) タイヤの回る音を聞きながら  その2
|5) 参加申し込み受付中
|6) コーナーの向こうに ‐ 今は昔 1960(2)           トム ヨシダ

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

|1) YRSウエブサイトアップデート
・2009年YRSスケジュール改訂版掲載
http://www.avoc.com/9misc/info/schedule2009.shtml
・YRSオーバルレース第2戦結果掲載
http://www.avoc.com/3result/result_race/2009/090607-yor.shtml
・YRSオーバルFSWロングベストラップランキング掲載
http://www.avoc.com/3result/pt09/yofl_best.shtml

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

|2) YRS10周年企画第6弾 フォトギャラリー開設
  ユイレーシングスクールではYRSスクールレース参加者を対象に、レース
の画像を公開、閲覧できるフォトギャラリーを開設しました。閲覧には事前に
登録することが必要です。YRSスクールレースに参加されたことのある方で
閲覧希望の方、ご自身で撮られた画像を公開されたい方は、頁左の登録ボタン
を押して登録を行って下さい。
  
・YRSスクールレースフォトギャラリー
http://www.avoc.com/5media/photo/

※名前の登録は本名の記入が必要です。メールアドレスはレース参加時にお使
いになったものを記入して下さい。

なお、写真の再利用時は個人情報(ナンバー等)の取り扱いに気をつけて下さ
い。
今後、レース参加者で限定された場所であっても写真の公開をされたくない方
はレース申込み時に主催者に申し出て下さい。
画像を掲載するには申請が必要となります。画像を掲載したい方はレース当日
もしくは後日、主催者に申し出て下さい。掲載の準備ができ次第メールにて連
絡いたします。

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

|3) YRSオーバルレース入門クラス新設
  ユイレーシングスクールではYRSオーバルレースのクラス区分をこれまで
のオープンクラス、ロードスタークラスに入門クラスを加え3クラスとしまし
た。
  YRSオーバルレースはYRSオーバルスクールを受講した方が参加できま
すが、常に接近戦の続くオーバルレースに参加するのを躊躇しているというご
意見にお応えしたものです。入門クラスではYRSオーバルのアウトインアウ
トの走り方の説明とリードフォロー、ローリングスタートの練習を行い周回数
の少ないヒートレースを3回行います。YRSオーバルスクールに参加したこ
とのある方は、この機会にクルマを使った最も単純で最も奥が深いリアルスポ
ーツに挑戦してみて下さい。

・YRSオーバルレース第3戦規則書&申し込みフォーム
http://www.avoc.com/2race/guide.php?c=sr&p=yor

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

|4) タイヤの回る音を聞きながら  その2 
  6月7日。今年のYRSオーバルレース第1戦が行われた。過去2回予定さ
れていたオーバルレースが雨で中止になったため、オーバルレース参加者にと
っては今回のレースが久しぶりのドアツードアの戦いとなった。
 加えて、今回は今まで使っていたジムカーナ場に設けた44x104mのY
RSオーバルFSW(YOF)ではなく、新設したYRSオーバルFSWロン
グ(YOFL)を使っての初めてのレースとなった。YOFLは半径20mの
半円を100mの直線でつないだもの。YOFよりコーナーが小さく直線が長
いレイアウトで、かつコースの幅員をYOFの18mから16mに狭めてある。
長円方向が140m、短円方向が40mのかなり大きなオーバルコースだ。

 YRSでは2002年の筑波サーキットドライビングスクールで導入して以
来、カリキュラムにオーバルコースでの走行練習を取り入れてきた。言うまで
もなく、クルマの運転にもっとも大切なトランジッションの概念を養ってもら
うためだが、実際ユイレーシングスクールでオーバルコースを走行した人はお
しなべてタイヤをうまく使えるようになる。
  そのYRSオーバルコース。筑波サーキットドライビングスクール(TDS)
の30x60mに始まり、浅間台スポーツランド(YOA)で32x100m
と大きさを増し、ツインリンクもてぎ(YOM)では56x144mの巨大な
オーバルコールを経験した。FSWのジムカーナ場が完成したのを機にYRS
オーバルのベンチマークとして設定したYOFを経て、筑波サーキットではジ
ムカーナ場に32x80mのYRSオーバル筑波を設定し、今回YRSオーバ
ルの中では最もスピードの出せるコースとしてYOFLを加えた。
  各YRSオーバルのラップタイム一覧は『YRSレコード』としてYRSウ
ェブサイトに掲載してあるが、それぞれのラップタイムからコースの性格を見
直すことにする。ひとつ目の数字はコースごとのベストラップと記録した車種、
2番目の数字はコースの性格を比較しやすいように改造度7のロードスタ
ー(NCを除く)が記録したベストラップ、になっている。

YOT:12.649秒(ポルシェ GT3)、13.319秒、0.670秒
YOA:13.350秒(ケーターハム7)、14.250行、0.900秒
YOM:16.704秒(ポルシェ 911)、17.335秒、0.631秒
YOF:13.499秒(ロータス エリーゼ)、14.251秒、0.752秒
YOFL:16.854秒(ポルシェ ボクスター)、18.256秒、1.402秒

  ベストラップを記録した車種がまちまちなのと同じロードスターでも微妙に
性能が異なるためあくまでも目安に過ぎないが、こうして比べると、もちろん
大きなオーバルコースほど所要時間は長くなるが、同時にコーナーが小さく直
線が長めのコースのほうが差が出やすいのがわかる。実際、一番大きなYOM
はコーナーの大きさにも助けられてポルシェとロードスターの差はわずかでし
かない。これに対し、コーナーの小さなYOFLではその差がもっとも大きい。

  モメンタムレース(慣性力のレース)と呼ばれるほどオーバルレースではク
ルマが蓄えた勢いをそがないで走ることが求められる。単独でオーバルコース
を走る時も同様で、必要以上に減速したりコーナリング中に走行抵抗を増やす
ことは速さに逆行する操作になる。
  つまり、アンダーステアを出していてはタイムアップなど望むべくもない。
YRSオーバルを走ると運転が上達するのは、ひとえにクルマを前へ前へと進
めることに慣れるからに他ならない。直線での加速はクルマの動力性能がその
まま反映されることが多いが、コーナリングの所要時間は運転手の意識で短く
することも可能だ。具体的な操作方法よりも、クルマの慣性力に逆らわない運
転を覚えるのがオーバルコースで練習する最終的な目標だ。
  YRSオーバルスクールやYRSドライビングワークショップでインベタで
走るのも、曲げるのが難しいクルマを曲げる方法を理解するためだ。YRSオ
ーバルレースでドアツードア、スリーワイドの接戦の中で走るのは、どんな状
況でもクルマが内包する慣性力を殺がない意識を高めるためだ。

  走り始めたかりのYRSオーバルFSWロング。現時点ではベストラップと
改造度7のロードスターのタイム差が最も大きなコースだが、しばらくすれば
その差は縮まりだすはずだ。事実、6月7日に走ったほぼ全員が直線に出ると
ころでアンダーステアにおちいっていた。スキール音もコーナー後半でしか聞
こえてこなかった。コーナー後半で慣性力を横に逃がしてしまっていた証拠だ。
だから、ベストラップはともかく、動力性能に劣るクルマほどまだまだラップ
タイムが向上する可能性は高い。
  特に、ひとつが下り、もひとつが上りのコーナーのYOFLは立ち上がりで
アンダーが出やすい。アンダーステアを出せば直線の到達速度は遅くなる。立
ち上がりではらもうと思ってもコース幅は広くない。クルマによってはシフト
アップとシフトダウンが必要になる。あれやこれや、慣性力を殺がないことを
目的に走り方を構築すれば間違いなくタイムアップは果たせるはずだ。(完)

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

|5)  参加申し込み受付中
  現在、以下のカリキュラムの参加申し込みを受け付けています。
|   ◆ ◇ ◆  クルマの運転の楽しさを味わってみませんか?  ◆ ◇ ◆
| ※申し込み期日を過ぎても定員に達しない場合は引き続き受け付けを行いま
| す。枠がある場合は当日受け付けも行いますが電話でご連絡下さい。開催日
| 前3日を過ぎてからの申し込みは受講料を当日の受け付けでお支払い下さい。
| 振り込まれた方は振り込んだことを証明するものを受付で提示して下さい。
----------------------------------------------------------------------
|■ 7月3日(金) YRS筑波サーキットドライビングスクール
  ユイレーシングスクールでは、筑波サーキットコース1000を走るための
「あんちょこ」を用意しました。受講される方に受付けでお渡しします。座学
では「あんちょこ」を元に車を動かす原理とコース1000の走り方を説明し
ます。座学終了後は走行時間までドライビングポジションの確認、質疑応答の
時間とします。

・YRS運転虎の巻「明日のために」(運転マニュアル)進呈
http://www.avoc.com/3result/pt09/10an3.shtml
・YRS筑波サーキットドライビングスクール開催案内&申込みフォーム
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=tds

----------------------------------------------------------------------
|■ 7月5日(日) YRSオーバルレース第3戦 FSWロング
  今回から入門クラスを追加しました。オーバルスクールを経験した方に自然
な流れでオーバルレースを体験してもらおうという試みです。YRSオーバル
スクールに参加したことのある方はぜひヨーイドンをも体験してみて下さい。
充実感いっぱいになること請け合いです。

・YRSオーバルレースFSWロング規則書&申し込みフォーム
http://www.avoc.com/2race/guide.php?c=sr&p=yor

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

|6)  コーナーの向こうに ‐ 今は昔 1960(2)           トム ヨシダ

--------------------------- 以下269号から転載 ------------------------

  「え〜っ、何? え、何で?」

  少年は自分の目を疑った。それもそのはず、運動会の時に使われるような楕
円形のコースで子供たちがクルマを運転している。しかも、そのクルマは絵本
で見たことのあるレースカーのようだった。自分と同じぐらいの歳の子供がク
ルマを運転している。楽しそうにクルマを走らせている。それはそれは衝撃的
な光景だった。
  少年は自覚していなかったが、その時こそ少年が目にした最初のモータース
ポーツだった。もっとも、それがクォーターミヂェットと呼ぶ4歳から12歳
の子供のための自動車レースだとわかったのは25年もあとのことだったが・
・・。
--------------------------- 以上269号から転載 ------------------------
 
 少年は小学校にあがる前から身体が弱かった。扁桃腺が弱くてすぐに熱を出
したり中耳炎にかかることもしばしばだった。通っていたみこころ幼稚園も休
みがちだった。近所の同年齢の子供達に比べて家にいる時間は長く、外に出て
もすぐ疲れて家に戻ってしまうような少年だった。後に、疲れるのは視力が弱
いことが原因のひとつであることがわかり眼鏡で矯正することになったが、そ
れとて少年に活発さを与えるものではなかった。
 かくしてひ弱な少年は、当時としてはめずらしく眼鏡をかけた学童として品
川区立原小学校に入ることになる。授業をとりたてておもしろいとは思ってい
なかったが、学校生活自体は嫌いではなかった。しかし、休み時間に同級生と
ボールを追いかけて遊ぶことが苦手なことと、『メガネザル』とあだ名で呼ば
れることは少年にとって苦痛だった。眼鏡をかけている生徒は学年でも二人ぐ
らいしかいない時代だった。

 大家族の中で育った少年は、幸いなことにそれでも楽観的だった。毎日の生
活は「ふつうの子供」とは異なり家で本を読むことにあけくれることが多かっ
たが、そうこうしているうちに少年は自分の興味がひとつのことにむかってい
ることに気づく。
 それは動くものに対するあこがれだった。かけっこではクラスで最も遅く運
動神経が優れているとはいえなかったことの反動であったかどうか、少年には
もちろん自覚はない。それでも、少年は日に日に動くものへの興味をつのらせ
ていった。
 絵本で見る飛行機はかっこ良かった。飛行機を操縦する人になりたいと思っ
たものだ。
  ところがある日、同居しているいとこから「目が悪いとパイロットにはなれ
ないんだよ」と衝撃的な事実を告げられる。いとこに悪気があった訳ではない
が、目の悪い少年は自分の未来を閉ざされたような衝撃を受けた。
 それでもしばらくは飛行機が少年の興味の対象であり続け、いつしか原町に
ある三澤模型に出入りするようになっていた。間口一軒ほどの駄菓子屋さんと
同じ軒に店を構える三澤模型は、ちょっと怖そうな圭ちゃんの趣味のような店
だった。模型店だから一応なんでも置いてあったが、占める広さからすれば飛
行機がメインであることがわかった。

 あしげく通う割にはほとんど何も買わない少年を無視するかのようにライト
プレーンを作り続ける圭ちゃん。いくつかマッチ箱ぐらいの大きさのプラモデ
ルを買ってはみたが、決められた通りに作ればおしまいのそれらは、少年にと
って少しも現実味のないものだった。物足りなさの原因を探すすべを持たない
少年は、何かを探すかのように時間があれば三澤模型に通った。
 三澤模型はエンジン付きのUコントロール模型も売っていたが、通うほどに
少年には圭ちゃんがゴム動力の模型飛行機の神様のように思えてきた。
 ライトプレーンもキットで売っていた。胴体をなす角棒と木製のプロペラ。
翼の形に曲げられた竹ひごとまっすぐな竹ひご。そしてそれをつなぐニューム
管。ゴムやヒートンなどの部品と一緒に実物大の設計図も入っていた。
 店にいると自分で作ったライトプレーンを持ってやってくる人もいた。そん
な人たちの作品を見るにつけ、少年はますます圭ちゃんの作品がすばらしく生
き生きしているように感じるのだった。
  圭ちゃんはキットに入っている曲がった翼用の竹ひごをろうそくであぶりな
がら伸ばし、また曲げて設計図と寸分違わない形状に整えていった。時折、竹
ひごが焼けるような匂いが立ちこめた。うっすらと煙があがることもあった。
ショーケースの上の小さなスペースで圭ちゃんは、あぶり過ぎたところを舐め
た指で冷やしながらゆっくりと形を作っていた。熱くないのかな。少年は心配
だった。でもなぜかそのしぐさをかっこいいと思った。
  ニューム管と呼ばれる細いアルミニュウムの管で竹ひごをつなぐと翼の形が
現れた。バルサ材でできたリブに接着剤をつけ竹ひごに渡していく。リブの片
側が湾曲していることを見つけた少年は大手柄をたてたような気がした。リブ
のくぼみに爪楊枝の先につけたほんの少しの接着剤を塗り、圭ちゃんは器用に
翼を作り続けていた。物と物をくっつける時、接着剤が多ければよいというも
のではなさそうだと少年は想像した。

  ある日。圭ちゃんが飛行機を飛ばしに行くという。ついていってもいいかと
聞くと「いいよ」と困惑したような、それでいて楽しそうに微笑んでくれた。
  行き先は少年が通う原小学校ではなかった。反対方向にある伊藤中学校だっ
た。大井町駅発の循環バスが通るそれほど広くない通りを圭ちゃんのあとにつ
いて歩く。圭ちゃんはライトプレーンの中では大きなほうのB級とゴムを巻き
上げるためのワインダーを持っていた。圭ちゃんがすごい人のように思えた。
  伊藤中学校は放課後で何人かの生徒が校庭にいるだけだった。誰に断るでも
なく門をくぐった圭ちゃんは突然、「ここ持ってくれるか?」と少年に問いか
けた。少年はうれしさのあまり驚いた。飛行機を飛ばす手伝いができる。大人
の仲間入りができるような快感を感じていた。

                               <続く>

・クォーターミヂェット 今は昔
http://content.cdlib.org/ark:/13030/kt8g5023qs/

********************************************************** 奥付け ****
□メールマガジン"Go−Circuits"
□有限会社ユイレーシングスクール発行
□編集/文責:トム ヨシダ
■問い合わせ:090−6539−4939(朝8時〜夜9時)
□オリジナルサイト:http://www.avoc.com/
□Copyright:Yui Racing SchoolCo.,Ltd.
□Copyright:1986-2008  AVOC CORPORATION
本メールマガジン、オリジナルサイトの全部、または一部を複製もしくは引用
されたい方は、事前に発行人までご連絡ください。
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡  Presented by Yui Racing School≡