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Go−Circuit No.280(10/22/09発行)
---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。思い通りに走らせるのはもっと楽しい●しか
しクルマがなかなか思うように動かない時がある●クルマの運転は簡単そうで
難しい●が、難しいことに感謝しなければならいない●難しいからこそうまく
できた時の喜びは大きい●うまくなろうとする過程がまた楽しい●うまくなろ
うとするから工夫する●今の時代、クルマを使い倒さなければもったいない。
|| Proud of Our Tenth Anniversary ||
》》》Be Smarter, Drive Sater, and Drive Faster! You can do it!!《《《
【 Yui Racing School Offers Serious Entertainment 】
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|1) 参加申し込み受付中 & YRSスケジュール
|2) コーナーの向こうに ‐ 今は昔 1973(3) トム ヨシダ
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|1) 参加申し込み受付中 & YRSスケジュール
現在、以下のカリキュラムの参加申し込みを受け付けています。
| ◆ ◇ ◆ クルマの運転の楽しさを味わってみませんか? ◆ ◇ ◆
| ※申し込み期日を過ぎても定員に達しない場合は引き続き受け付けを行いま
| す。枠がある場合は当日受け付けも行いますが電話でご連絡下さい。開催日
| 前3日を過ぎてからの申し込みは受講料を当日の受け付けでお支払い下さい。
| 振り込まれた方は振り込んだことを証明するものを受付で提示して下さい。
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|■ 10月27日(火) YRS筑波サーキットドライビングスクール
過去90回。延べ卒業生2215名。2000年から開催してきたYRS筑
波サーキットドライビングスクールですが、YRSの活動10年を機会にカリ
キュラムの見直しを行うのに伴い暫定的に今回が最後の開催になります。ドラ
イビングポテンシャルの向上を目的に安全に速く走るコツをお教えしする筑波
サーキットコース1000を使った午後半日のスクールですが、ドライビング
ポジションの確認、サーキットを走る際の理論的アプローチの説明など、クル
マを動かすために必要な情報を提供しています。
・YRS筑波サーキットドライビングスクール 開催案内&申し込みフォーム
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=tds
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|■ 10月31日(土) YRSオーバルスクールFSWロング
YRSオーバルスクールFSWロングは、40x140のYRSオーバルF
SWロングを使用します。カーコントロールで最も重要なトランジッションの
概念とスリップアングルのコントロール方法を学ぶのにうってつけです。カリ
キュラムは以下の通りです。
1)イーブンスロットル練習 インベタ
2)トレイルブレーキング練習インベタ
3)トレイルブレーキング計測 インベタ
4)イーブンスロットル練習 リードフォロー
5)イーブンスロットル計測
6)トレイルブレーキング リードフォロー
7)トレイルブレーキング計測
※路面の状況によってはカリキュラムを変更する場合があります。
YRSオーバルスクールFSWロングへの参加を考えられている方は、参考
のために以下の頁をごらん下さい。
・YRSオーバルFSWロングを走る
http://www.avoc.com/3result/pt09/howto_yof.shtml
むずむずするようなコーナリングを味わってみたい方。本当に速いコーナリ
ングがどのようなものか体験してみたい方はぜひ参加してみて下さい。
・YRSオーバルスクールFSWロング 開催案内&申込みフォーム
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=os&p=osf#0
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|■ 11月1日(日) YRSエンジョイドライビング
今年導入したYRSエンジョイドライビングも今回で5回目。半径22mの
真円をできるだけ速く走る練習、時速90キロからできるだけ短い距離でクル
マを止める練習、20m間隔のパイロンをできるだけ速くすり抜ける練習。ど
れも日常の運転に不可欠な操作とクルマの挙動の関係を知るのにうってつけで
す。加えて40x140mのYRSオーバルFSWロングで高速コーナリング
の練習も行います。ご自身の運転技術の確認と向上にうってつけのカリキュラ
ムです。
・YRSエンジョイドライビング 開催案内&申し込みフォーム
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=yed#0
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|■ 11月4日(水) YRSドライビングワークショップ筑波
クルマを動かす上で最も基本となる加速、減速、旋回に対する各操作の仕方
の手ほどきをするYRSドライビングワークショップ。来年以降のカリキュラ
ムの見直しに伴い筑波サーキットジムカーナ場での開催はこれが最後になりま
す。
・YRSドライビングワークショップ筑波 開催案内&申し込みフォーム
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=dwt
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|■ 11月14日(土) YRSオーバルレースFSW最終戦
ユイレーシングスクールが開催する国内唯一のショートオーバルレース。シ
ンプルでありながら最もスポーツ性に富むモータースポーツです。クルマを自
由に操りながら他人と競い合う醍醐味が味わえます。
・YRSオーバルレース 規則書&申し込みフォーム
http://www.avoc.com/2race/guide.php?c=sr&p=yor
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|■ 11月28日(土)、29日(日) YRSツーデースクール
クルマの運転を理解するためには体系だった練習が必要です。YRSツーデ
ースクールは1日目に操作の基本を反復練習し2日目にサーキットを走行する
カリキュラムで、飛躍的にクルマの操作に馴染むことができます。
・YRSツーデースクール 開催案内&申し込みフォーム
http://www.avoc.com/1school/guide.php?c=ds&p=2ds
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|2) コーナーの向こうに ‐ 今は昔 1973(最終回) トム ヨシダ
グランドスタンドは既にたくさんの人で埋まっていた。この年に始まったF
2000レースは、この日の参加台数こそ少なかったが、言うなれば日本で見
られる最高峰のレースだった。人々の注目も高かった。
FJ1300は日本製純レーシングカーのレースとして大いに盛り上がった
FL500の上級カテゴリーとして初めての年を迎えていた。
1970年に始まったFL500はそれまでの日本のレース形態、自動車メ
ーカー主導のレースを根底から覆した。メーカーの後押しがなくても熱意さえ
あれば誰もが本格的なレースに参加することを可能にした。それまでの日本の
モータースポーツは、『箱』のレース、つまりツーリングカーレースが主流で
国産車にも出番はあった。しかし高度な製作技術が必要になるレーシングカ
ーは全て輸入車に頼っていた。しかし鈴木板金、レーシングクォータリー、鴻
池スピードなどのコンストラクターが500ccにボアアップした軽自動車の
エンジンを搭載したフォーミュラカーを送り出すようになると状況は一変した。
メーカーに頼らなくとも、望むなら誰でも本格的な風のあたるマシンでレース
ができるようになった。
鈴鹿サーキットは、メーカー色の濃い従来の特殊ツーリングカー、特殊グラ
ンドツーリングカーに加えて、フォーミュラカーレースを看板にしようとして
いた。この日は日本のレース界の主だったカテゴリーが一同に会するレースと
あって、観客の入りはたいそうなものだった。
これだけファンが集うレースは、間違いなく日本のモータースポーツの華だ
った。そのレースを走るドライバーが最初に迎えるコーナーにある4番ポスト
を任されていることが、少年には少しばかり誇らしかった。25あるポストの
うち、スタート後にみんなが最も注目するであろう4番ポストに意味があった。
コースを挟んでピットが見える。まだコースとピットロードを分けるピット
ウォールはない。
ピットボックスに入っているマシンからだろう、時折エキゾーストノートが
聞こえる。F2000クラスのウォーミングアップ走行を前にエンジン調整を
しているのだろう。
少年はグランドスタンドの階段を降りながらふと3コーナーのほうを眺めた。
にぎわうグランドスタンドの喧騒に、少年は我に帰った。やはりそれは現実だ
った。「この中の何人の人が昨日の事故のことを知っているんだろう。知って
いる人はいないかも知れない」。
華やかなレース。車好きの心を揺さぶるレース。だが、その裏にある危険を
どのくらいの人が自覚しているのだろうか。
少年が事故の処理をしたのは昨日が初めてではなかったが、車両火災を目の
当たりにして改めて『レースでは何が起きるかわからない』と思った。
もし辻選手がスピンしなかったら。たとえスピンしても車が止まるまでブレ
ーキを踏み続けていたら。宮脇選手が1コーナーで黄旗2本の振動を見た時に
もう少しスピードを落としていれば。否、少しでも早く黄旗を出すことができ
ていれば。レースに『タラ・レバ』はないと言われるが、少年は楽しいはずの、
自分を含めてみんなのあこがれであるレースで人命にかかわるような事故が起
きてしまったことが悔しくてしかたがなかった。
ドライバーもメカニックも。主催者もオフィシャルも。昨日の事故を忘れる
ことなどできるはずがないのに、何事もなかったかのようにレースに向けて慌
ただしく動き回っていた。
少年はトンネルを抜けるといつものようにピット沿いにパドックを下ってい
った。いつしか顔見知りになった高原選手と目があった。「おはようございま
す」。少年は足を止めて挨拶した。
「今日も4番ポスト?」。「そうです」。「また僕の走り見ておいてね」。
「はい」。気さくに声をかけてくれる高原選手におじぎをして再び歩き出した。
Bピットには既にオフィシャルがいた。コースだけでなく技術のオフィシャ
ルもいた。レースコントロールのため鈴鹿サーキットの職員も配置についてい
た。
挨拶しながらコースにでると、深呼吸をした。少年はいつものように神聖な
気持ちになった。「何か落ちているといけない」。数時間後には時速300キ
ロ近い速度でレーシングマシンが走るであろうコース見回しながら歩を進めた。
遠くに4番ポストが見える。昨日の予選を走っていたドライバーは1コーナ
ーで2本の黄旗が振られている時、ストレートを下りながらどんな景色を見た
のだろうか。
少年は腰をかがめてフォーミュラカーのドライバーと同じような目の高さか
ら4番ポストを見てみた。目の位置が低くなるだけで、そこにはまるで別の世
界が広がっていた。「やっぱりいつかは自分で走ってみたいな」。現実的に無
理なことだとはわかっていたが、華やかなレースの裏側を見てしまったからか、
サーキットを走ってみたいという思いがわいてきた。
4番ポストに真っ先に到着した。備品を確認する。昨日使いきった消火器は
新しいものに交換されていた。右手で消火器を持ち左手で箒を握りしめて5本
目の水銀灯に向かった。「今日は何も起きないでほしい」。何かあれば対処す
る方法は知っているつもりだった。不安などなかった。それよりも、すごいド
ライバーが見せてくれるワクワクするレースは何事もなく終わらなければなら
ないと思う気持ちが強かった。「そうでなければ・・・」。
この年、国内のレースは転換期を迎えていた。
自動車メーカーが後押しするTSとGTS以外は秩序のないレースが行われ
ていきた日本のモータースポーツだったが、鈴鹿サーキットがフォーミュラカ
ー路線という明確な方向を定め、FL500、FJ1300、F2000とい
うピラミッドが作られた。野球にリトルリーグ、高校野球、社会人野球、プロ
野球と明確な階段があるように、日本のモータースポーツにも望む者がたどる
ことのできる道筋が作られつつあった。
しかし国際的な水準から見ると、FIA規則のF3を想定して作られたFJ
1300も、F2との共通性を見いだそうとしたF2000もしょせん日本国
内だけのローカルレースにすぎなかった。もちろん、これらのレースがあった
からこそ日本にレーシングカーコンストラクターが生まれ、パッケージでレ
ース活動を請け負うレーシングチームが誕生した。
一方、富士スピードウエイでもそれまでの無秩序なレースから脱皮しようと
する動きがあった。レース規則を改定しスポーツレーシングに的を絞ったレ
ースシリーズを育てようという動きだった。GCシリーズの始まりだった。
そして、それまでメーカーとの契約で自社のマシンにしか乗ることのできな
かったワークスドライバーが、F200やGCシリーズに参戦を始めた。
日本のレース界は躍動していた。日本に足りないものを海外に学び国内の技
術で消化し、世界のレベルに近づこうとしていた。
5本目の水銀灯の根本に消火器をおくと少年はコースを掃きながら4番ポス
トへ向かった。「まもなくF2000クラスのウォーミングアップが始まりま
す」。 遠くでアナウンスが聞こえた。
後日、少年は辻克義選手が集中治療室を出るまでに回復したことを聞いた。
「良かった。あれだけ炎の中にいたのに。身体の3分の2も3度のやけどを負
ったのに助かって」。少年は、重くのしかかっていた霞のようなものが晴れて
いくのを感じていた。
<了>
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