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         Go−CircuitNo.241(03/01/08発行)

---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかしク
ルマを安全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していない
と楽しくもないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「ク
ルマさんとの正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●ユイレーシングス
クールからの提案です。●公道では安全運転を。サーキットではそれなりに。
》》Be Smarter、Drive Safer and Faster《《
     【  Yui Racing School Offers Serious Entertainment  】
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|1) YRSアップデート
|2) 参加申し込み受付中
|3) エンデューロドライバー募集
|4) 50歳からの運転
|5)クルマを動かす その2			トム ヨシダ
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|1) YRSアップデート
・2008YRSツーデースクールFSW結果
http://www.avoc.com/pt/0301two.htm
・YRSオーバルFSW歴代ベストラップ一覧
http://www.avoc.com/pt/0301oval.htm
・YRSメールマガジン最新号掲載
http://archive.mag2.com/0000016855/index.html

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|2) 参加申し込み受付中
  現在、以下のカリキュラムの参加申し込みを受け付けています。

| ※申し込み期日を過ぎても定員に達しない場合は引き続き受け付けを行いま
| す。枠がある場合は当日受け付けも行いますが電話でご連絡下さい。その場
| 合は受講料を当日の受け付けでお支払い下さい。
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|■ 3月4日(火) YRS筑波サーキットドライビングスクール
  筑波ドライビングスクールは、自然な流れでクルマの性能の限界近くで走ら
せることができるように考えられたカリキュラムを採用しています。座学では、
一般概論として、クルマを思い通りに動かすためにはどのような操作が必要か
を説明します。シニアインストラクターが考案したオーバルコースを使った定
常円旋回では、過不足のない正確な操作を身につけることができます。知識を
得て、コーナリングの反復練習をすることにより、違和感なくサーキット走行
を行うことができます。特にサーキットを走られたことのない方にうってつけ
のカリキュラムです。

・YRS筑波サーキットドライビングスクール開催案内
http://www.avoc.com/1school/driving/tds.shtml
|※50歳からの運転:対象となる方は受講料が23,000円になります。

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|■ 3月8日(土) YRSドライビングワークショップFSW
  過去3年間好評だったYRSドライビングワークショップFSWを週末に開
催します。1日の練習で加速、減速、旋回とクルマを動かす時に必要な操作の
基本を学ぶことができます。特にサーキットを走るつもりはないけれどクルマ
を気持ちよく走らせたいと思っている方にうってつけです。
  カリキュラムは、
・スレッシュホールドブレーキング
・イーブンスロットルコーナリング
・トレイルブレーキングコーナリング
・同乗走行
・タイム計測

※希望者には有料(3,000円)で逆同乗走行を行います。先着6名の方に
限らせていただきますが、希望される方は申し込みフォームのコメント欄に逆
同乗走行希望とお書き下さい。追加料金は当日の受け付けでお支払い下さい。
※週末のFSWのコースレンタル料は平日の2倍になります。そのため受講料
も高く設定せざるを得ません。ご了承下さい。

・YRSドライビングワークショップFSW開催案内
http://www.avoc.com/1school/driving/ydwf.shtml
|※50歳からの運転:対象となる方は受講料が20,000円になります。

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|3) エンデューロドライバー募集
  来る3月29日FSWショートコースで2008年YRSエンデューロ第2
戦を開催します。YRS卒業生でYRSスクールレースに参加したことのない
方を対象に以下の要領でエンデューロドライバーを募集しています。希望され
る方はメールか電話でお問い合わせ下さい。

レース:2008年YRSエンデューロレース第2戦FSW
内容:130分耐久レース
応募資格:	過去にYRS主宰のスクールを受講された方
		FSWショートコースを走行したことのある方
募集人員:3名(走行は各30分となります)
参加車両:YRS所有のロードスター(NA8)
参加費用:20,000円(車両使用料を含みFSW入場料を含まない)

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|4) 50歳からの運転
  ユイレーシングスクールは50歳を過ぎてご自分のドライビングポテンシャ
ルを向上させようと思う方を応援します。
  過去にユイレーシングスクールのカリキュラムを受講されたことのない方を
対象に、2008年の受講料(エンジンドライビングレッスンは除きます)を
割引いたします。割引率は一定ではありませんが、その都度本メールマガジン
で告知します。尚、参加申し込みフォームを送信した後、3日以内に本メール
マガジンに掲載した受講料を指定の銀行にお振込み下さい。

  ご質問のある方はメールか電話(090-9837-1494)でご連絡下さい。 

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|5)クルマを動かす その3			トム ヨシダ
  駐車場から道路に出てきたクルマは、やはりこちらを意識していながらも無
理して割り込もうとしていたに違いない。なぜならアクセルを開けて極端に加
速しながら駐車場を出てきたからだ。いつもそんな運転をしているのだろうか?
そうではないはずだ。毎回あんな合流のしかたをしていては疲れてしまう。本
人に、クルマがやってくるから急がなければという意識があったからだろう。
やり過ごせば、その後を走っているクルマがないのだから急ぐ必要などないの
だが。
  走ってくるクルマの直前に割り込むのは危険だと書いた。それはそういう状
況を自ら作り出すことへの警告でもある。同時にこの稿では、そうすることの
操作の間違いを指摘しなければならない。

  クルマの走行特性についてはおいおい説明していくが、最初に覚えておいて
欲しいのは、クルマはある条件の下では思い通りに動かない場合がある、とい
うことだ。
  クルマの運転はアクセル、ブレーキ、ステアリングを操作して行う。クルマ
はそれぞれの操作に対して加速し、減速し、旋回する。ふだん穏やかに走って
いる分にはクルマは操作に忠実に、つまり運転手の意思通りに動いているかの
ように感じる。確かにある領域まではクルマは運転手の意思に忠実に従ってく
れるすばらしく良くできた機械だ。
  しかしクルマは万能ではない。人間の過ちを許容してくれるほど柔軟な道具
ではない。クルマは人間がはるかに及ばない性能を備える道具だ。道具には道
具の使い方がある。人間が想像も出来ないくらいの機能を発揮するクルマの操
作が、本来そんなに簡単なわけではないではないか。いくらメーカーが「安全
に留意して作りました」と宣伝していても、それを鵜呑みにしてはいけない。
きちんと運転できる人が運転すれば『安全』なのだ。安全に走ろうという意識
のある人が乗るから安全なのであって、いくらセーフティデバイスがおごられ
ていても間違った使い方をすればクルマは運転者を簡単に裏切る。間違っても、
クルマを『自分の思い通りになる下僕』のような存在だと思ったら大きな間違
い。しっぺ返しを食らう可能性が非常に高い。

  では具体的にはどんな時にクルマが思い通りにならないのか。少なくとも思
い通りになれば事故の可能性は限りなくゼロに近くなるはずだから、どんな時
にどんな状態でクルマが思い通りにならなかったかを想像すること(体験する
のではない)は、本来クルマを運転する人全てにとって有益なことだ。
  ニュースに出てくる、<ゆるい右コーナーで運転操作を誤り路外に逸脱。電
信柱に表面から激突>というようなものがそれだ。運転していた人は決して道
路を外れようとして外れたわけではない。まして電信柱にぶつかろうなど想像
もしていなかったはずだ。本来は何事もなくゆるい右コーナーを抜け、目的の
ためにクルマを進めていたはずなのだ。
  それがなぜ。クルマが思い通りにならない原因というのはひとつではないか
ら一概には言えないが、仮にこのクルマがゆるい右コーナーを通過中にクルマ
のフロント側から進路を変えて飛び出したのなら、それはその時クルマに『ア
ンダーステア』という現象が発生したと考えられる。
  アンダーステアを簡単に定義すると、『ステアリングを必要だと思う量切っ
ても、クルマが必要なだけ曲がってくれない』現象ということになる。アンダ
ーステアを引き起こす要因は様々だが、読者の中にもクルマが曲がってくれな
くて一瞬ヒヤッとした経験のある方がいるに違いない。
  とにかく自分では正しいと思った操作をしたのにクルマがそれに応えてくれ
ないばかりか、予想外の動きをした。公道で事故を起こしたり、サーキットで
危険な目に合った人からよく聞く言葉だ。しかしそれは言い訳に過ぎない。ク
ルマは良くできた道具だから、間違った操作をしたらその通りに動く。決して
思い通りに動かなかったのではなく、運転している人自身がそうなる操作をし
たからそうなった、というのが正しい表現だ。
  この場合、コーナリング中に外にむかって路外に逸脱している訳だから、ひ
ょっとすると速度が高すぎたのかも知れない。路面が滑りやすくなっていたの
かも知れない。ステアリング操作を誤ったのかも知れない。いずれにしろ、そ
の時の状況にそぐわない操作をしたことには変わりはない。
  アンダーステア。この現象はステアリングを切っても思うようにクルマが曲
がらずはらんでいってしまう現象を言う。

  さて。駐車場から慌てて飛び出してきたクルマの話に戻ろう。後続車が来る
ことを認識していた運転手はアクセルを開けながら駐車場から道路へとステア
リングを切る。その時。クルマにはアンダーステアが発生する。左側車線に留
まれるだろうと思ってステアリングを切るのだが、意に反してクルマは対向車
線に向かってはみ出そうとする。アンダーステアが発生したからだ。このとき
既にクルマはこの人の意に反した動きを見せている。つまり人間側から見れば
思い通りにならない事態が発生したことになる。
  この場合、なぜクルマが対向車線に向かってはらもうとしたのか。アンダー
ステアが発生したのか?結論から言うと、アクセルを開けながらステアリング
を切ったからだ。そんなこといつもやっているよ、とは言わないで欲しい。状
況がどうだったか。加速して道路に出なければ後続車がやってくる。相手が迫
ってくる前に自分は駐車場かた出なければならないと意識してもおかしくはな
い。それでアクセルを必要以上に踏み込みながらステアリングを切る。本人は
その操作で十分だと思っていたのに違いない。しかし結局はクルマが思い通り
に動いてくれず、本人はヒヤッとする。
  それではこの場合をクルマ側から見てみよう。
  クルマはタイヤの摩擦力(路面をとらえる力:グリップ)があって初めて運
転手の思い通りに動くし、その性能を発揮する。クルマを動かす時の決まりご
とだ。
  グリップがなければ、あるいはグリップが足りなければクルマは機能しない。
この場合は、思っていた通りに曲がってくれなかったということになる。そう。
この場合はフロントタイヤのグリップが足りなかったから、ステアリングを十
分に切っているはずなのに思うように曲がってくれなかったのだ。グリップが
足りていれば、運転手の意思通りに左車線に留まり、対向車線に飛び出そうと
する気配さえなかったはずなのだ。
  では、どうしてフロントのグリップが不足したのか?
  クルマは重い。人間を乗せて、荷物を載せて、快適に移動できるように作ら
れた道具だからどうしても重くなってしまう。快適な居住空間を求めれば、そ
れだけでもさらに重くなる。
  重いものは元々機敏に動くのが得意ではない。力はあるかも知れないが、い
わゆる俊敏性に関しては軽いものに軍配が上がる。それは物体には慣性力が働
くからだ。止まっている物体はずっとそこに止まっていようとする。動いてい
る物体はずっと動き続けていようとする。慣性力とはそんな力だ。
  慣性力があるからクルマが加速するとのけぞるように感じ、減速するとつん
のめるように感じる。実は、この時にクルマ、特にタイヤのグリップには大き
な変化が起きている。慣性力は物体が重ければ重いほど大きくなるのだが、慣
性力が発生するとクルマの姿勢が変化する。加速中のクルマはフロントをもた
げ、減速中のクルマのフロントは下がる。クルマの挙動変化という言葉を使う
が、読者の中にもそれらしきことを認識している人もいるだろう。
  それを見ることはできないし、数値化することも不可能だが、クルマが加速
を始めるとクルマの重さの中心は後ろに移動する。運転している人間がのけぞ
るように感じるのも同じ。人間に慣性力が働いているからだ。
  そんなことは知らなくても気にしなくてもクルマを動かすことはできるが、
実は、この重心の移動こそ最もクルマの操縦性に影響を与えるものなのだ。ク
ルマが動くためにはタイヤのグリップが必要だと書いた。グリップとは路面に
対するタイヤの摩擦力のこと。しかしこの摩擦力だが、クルマが動いている限
り一定ではありえない。つまりタイヤのグリップは常に変化している。それが
現実だ。
  摩擦力とは物体の性質ではない。物体が滑りやすさや滑りにくさを表現する
のは摩擦係数だ。摩擦力とは、簡単に言えばその摩擦係数に、物体に垂直にか
かる力をかけた積のことなのだ。つまり、タイヤにかかる力が変化すればタイ
ヤのグリップも変化する、ということになる。
  駐車場の例で説明しよう。この運転手は急がなければならない状況を自ら作
り、慌ててアクセルを開けながら(=慣性力が働きクルマの重心が後ろに移動
→後輪にかかる力が増えるからグリップが増し力が抜けた前輪のグリップは減
少している)ステアリングを切った。クルマは曲がらなくて当然。クルマが思
い通りに動かないわけである。これがアンダーステアのひとつの例だ。アンダ
ーステアなんかサーキットを走らなければ関係ないよ、とは言わないで。クル
マが自由に動き回れる道具である限り、否、自由に動き回るためにこそ、日常
でもそこかしこにアンダーステアが発生してヒヤッとする可能性は存在すると
いうことだ。

  もしクルマが、タイヤがどんな状態になりながら走っているのかを想像する
ことができたなら、ひょっとするとアンダーステアを全く出さない運転ができ
るかも知れない。しかしクルマの動きを瞬間、瞬間で察知するには少しばかり
練習が必要だ。練習がしたければユイレーシングスクールに来てもらえれば教
えることはできるが、それまではできるだけ急のつく操作を避け、十分にゆと
りをもって運転することだ。クルマは正直な道具でもある。運転する人間の心
の中まで見抜いて走るものだ。

  便利な道具。好きなクルマ。それが原因で自分が傷ついても他人を傷つけて
もいけない。しかし、だからと言ってスピードを出さずに走れば安全という話
でもない。アンダーステアを出さない運転、アンダーステアが出た時の対処法
については次回にゆずるとして、今回はクルマは思い通りに動かなくなる場合
がある、というよりも、クルマを思い通りに動かすためには道具であるクルマ
に合わせた運転操作が必要なのだ、と覚えておいてほしい。

・ユイレーシングスクールポリシー
http://www.avoc.com/9misc/info/yrspolicy.shtml
・ユイレーシングスクール教科書
http://www.avoc.com/5media/textbook/textbook.php?page=0

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