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Go?CircuitNo.253(08/14/08発行)

---------------------------------------------------- Taste of USA ----
●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかしク
ルマを安全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していない
と楽しくもないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「ク
ルマさんとの正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●ユイレーシングス
クールからの提案です。●公道では安全運転を。サーキットではそれなりに。
》》Be Smarter、Drive Safer and Faster《《
【 Yui Racing School Offers Serious Entertainment 】
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|1) YRSサイトアップデート
|2) レースのススメ
|3) 参加申し込み受付中
|3)クルマを動かす その16 トム ヨシダ
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|1) YRSサイトアップデート
・YRSエンデューロ第4戦FSW結果&全ラップ
http://www.avoc.com/3result/pt/0726ye.shtml
・YRSスプリント第4戦FSW結果&全ラップ
http://www.avoc.com/3result/pt/0726ys.shtml

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|2) レースのススメ
去る7月26日に開催したYRSエンデューロ第4戦FSW。4名のYRS
卒業生がレースに初めて参加しました。みなさんYRSのドライビングワーク
ショップやオーバルスクールをたびたび受講されてきた方々です。それでドラ
イビングテクニックのひとつ上を目指すために「レースに出てみませんか?」
とお誘いしたところ、それに応えてくれた次第です。
中にはサーキットを走ったことのない方もいましたし軽自動車で参加された
いた方もいます。それでも、「学ぶところは多いから参加してみたら」と勧め
たのです。YRSのスクールレースは形式より中身を重んじるレースですので、
お遊びのレースではありませんしレベルは決して低くありません。そのあたり
を見聞きしていたからでしょう、みなさん最初は躊躇していましたし迷ってい
たようです。しかしレース後に話を聞いてみると、楽しかった、誘ってもらっ
てよかった、と言ってもらえました。
ユイレーシングスクールとしてはクルマが好きな人全員がレースに出る必要
はないと思っていますが、自分の運転操作に疑問のある方、もっと上手くなり
たいという意思のある方、あるいはレベルアップが停滞している方にはレース
を勧めています。
なぜユイレーシングスクールがレースに参加することを勧めるかと言うと、
最終的にクルマの運転に必要になってくるのが『客観性の維持と持続』だから
です。
クルマの運転する人は何かをよりどころにして操作をしています。そのたた
き台になるのが視覚がとらえた情報であり身体が感じる加減速です。それらの
情報に経験から導き出した判断をし、運転という行動を組み立てています。し
かし、この経験から導き出した判断、というものが曲者であてにならないのが
運転の難しいところです。なぜかと言うと、その判断は本来クルマを動かすこ
とを軸に下されなければならないのですが、例えば速く走りたいと思ったとた
んに人間よりの判断になりがちだからです。クルマが動きやすい状況を作らな
ければ安全にも速くも走ることはできないのに、人間がある意欲を持ったとた
んにクルマの動きなど無視して自分本位に運転してしまう傾向があるというこ
とです。
つまり運転者が客観的な判断を下すことができていれば、間違った操作をし
た時に「おい。それはおかしいよ」と言えたのでしょうが、夢中になっていれ
ばそれもできません。本人は間違った操作を続けながら、おかしいな、おかし
いなと自分の間違いに気づかずに悪循環に陥るのです。
ではなぜレースに参加することがドライビングテクニックの向上につながる
のでしょう?
走行会やラッピングだってサーキットを走るのだから同じではないか、とい
う人がいるかも知れません。否、そう言う人の方が多いでしょう。しかし、レ
ースが決定的に異なるのはその人の運転がレースという流れに支配されるから
です。チェッカー優先のYRSエンデューロなら最後まで走りきらなければな
らないとか、混戦に次ぐ混戦のYRSスプリントならどんなラインを走っても
クルマをコントロールできなければならないとか、明確な指標を与えられるか
らです。それはレースに参加する人全てが共有するいわば決まり事のようなも
ので、そこでは自分本位に運転する余地はありません。つまりレースの流れに
身をおくことさえできれば、意識しないでも客観性を維持することができると
いうわけなのです。
レースに出てみたら?と言うと、危ないからとしりごみする人がいます。し
かし本来レースは安全なものです。レースだからといって目くじらを立てて走
っていては好成績は期待できないものです。目くじらを立てた時点でその人に
は客観性が欠如しているわけで、そのような人に対してはレースコントロール
からしかるべき指示が出るはずです。
レースを走ると客観性が養える。客観性がなければレースで好成績は修めら
れない。それは、運転には客観性を維持し持続することが不可欠だからです。
速いか遅いかなんてどうでもいいんです。それよりも明確な目的を持ってそ
れに挑戦する時に『さらけだした自分』が何をするかを楽しんでほしいのです。

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|3) 参加申し込み受付中
現在、以下のカリキュラムの参加申し込みを受け付けています。

| ※申し込み期日を過ぎても定員に達しない場合は引き続き受け付けを行いま
| す。枠がある場合は当日受け付けも行いますが電話でご連絡下さい。その場
| 合は受講料を当日の受け付けでお支払い下さい。
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|■ 8月23日(土) YRSエンデューロ&スプリント第5戦 筑波
YRS卒業生でYRSエンデューロもしくはYRSスプリントに初めて参加
される方大歓迎です。わからないことがありましたら電話でお問い合わせ下さ
い。

・YRSエンデューロ規則書
http://www.avoc.com/2race/closed/yes.shtml
・YRSスプリント規則書
http://www.avoc.com/2race/closed/yss.shtml
※YRSスプリント第5戦に申し込まれた方の中から先着順20名の方にAV
OC制作の『ミヂェットレースへの招待』ビデオ(非売品)を差し上げます。

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|■ 9月4日(木) YRSオーバルスクール FSWプラス
今回もカーコントロールの上達に役立つカリキュラムを用意しています。逆
同乗走行も行います。みささんの参加をお待ちしています。

・YRSオーバルスクール FSWプラス開催案内
http://www.avoc.com/1school/oval/yosp.shtml

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|4)クルマを動かす その16 トム ヨシダ
ある日のYRSオーバルスクール浅間台でのこと。天気予報は雨。
集合時間に集まった9名の受講者は降雨量こそ少ないものの振り続ける雨の
中で出走の準備を始める。この日の受講者のうち1名だけがユイレーシングス
クールを初めて受講するのだが、他のYRSオーバル経験者も心なしか顔が曇
りがち。「いい天気ですね」と声をかけると思わず苦笑い。雨イコール滑る、
という図式が頭に浮かんでいるのだろう。とりわけ浅間台スポーツランドのY
RSオーバルコースを走ったことのある人は、ウエットになるととたんにグリ
ップしなくなることを知っているからなおさら。
ウエットな路面は滑りやすいと言われる。しかしドライ路面に比べれば滑り
やすいが、溝なしのスリックタイヤでも履いていない限りある程度路面をつか
まえることはできる。ところが浅間台スポーツランドの路面は特殊で濡れると
本当に良く滑るようになる。歩いていて滑ってころんだ人もいるぐらいだ。ジ
ムカーナの会場として頻繁に使われる浅間台スポーツランドには残念ながらロ
ードスィーパーがない。しかも走行する路面が周囲よりも1段低いところにあ
るから、急ブレーキや360度ターンで削れたタイヤのゴムかすがそのまま残
っている。拾えるようなものはもちろん片付けられているが、目に見えないよ
うなゴムの粒子はそのまま残っている。実はこのゴムの粒子が曲者なのだ。路
面が濡れてくるとこの粒子が浮いて路面を漂うようになる。するとタイヤと路
面の間にごく小さな、しかし無数のボールベアリングが入っていうような状況
になり、タイヤは全く路面を捉えることができなくなる。
余談だが、一般道では路面が濡れていてもそれほどグリップが低下すること
はない。雨が降れば、例えゴムの粒子が残っていたとしても流されてしまうだ
ろうし、道路はそのために水はけの良い構造になっている。むしろ雨が降り続
きホコリやゴムの粒子が流されてしまったほうが安全だ。気をつけなければな
らないのは雨の降り始めだ。ポツポツと雨が落ちてきて路面全体が濡れたころ
が最も滑りやすい。それまでそこのあった目に見えないホコリやゴムの粒子が
浮いてきて極端にタイヤとの摩擦を減らしてしまう。雨が降り出したら、しば
らくは路面が雨水で流されているかどうか確認する癖をつけるといい。
受講者の走行準備が終わったので座学を始める。いつものことながら、『ク
ルマは4本のタイヤでしかその機能を発揮することはできません』というフレ
ーズに始まって、タイヤの限界を使って走るための方法論に移る。外を見れば
雨。降雨量1?2mmほどの細かな雨が降り続いている。コースは冠水こそし
ていないもののアスファルトの凹部には雨水が溜まりいかにも滑りそう。なん
となくそわそわしている受講者を前にして「今日はせっかくの雨なので一部カ
リキュラムを変更して滑る路面でもクルマをきちんと加速させることに重点を
置いて進めます」と宣言。
いっせいに受講者の視線が強まるのを感じながら続ける。「いつも言ってい
るようにタイヤのグリップというものは加速に関しては非常に寛容です。進行
方向とタイヤの回転方向が一致しているのが大きな理由ですが、ドライ路面の
場合はとんでもないパワーのあるクルマでなければホイールスピンも一瞬しか
しない。それほど加速に関しては安心してスロットルを開けてもいいんです。
ただしクルマに横向きの加速度が起きてないことが絶対的な条件ですが」。受
講者はまだこちらの意図が汲み取れていないようだ。
「本来のオーバルスクールではタイヤの限界を探るためにイーブンスロット
ルでのコーナリングを練習しますが、雨の浅間台のコンディションでは35キ
ロで明確なアンダーステアが出てしまって練習になりません。それでコーナ
ーはゆっくり回ってかまいませんから、ストレートに出て横Gが消えたと判断
したらスロットルを床まで踏み込んで下さい。その練習を行います」。
受講者はYRSのFM発信機の周波数に自身のラジオを合わせ、スタートの
順番を待っている。
「それでは○○さんスタートして下さい。最初は様子を見ます。コーナーで
は思いのほか滑るかも知れませんから手前で十分減速して下さい。ですが、可
能であればコーナーの中も少しずつ速く走る努力をしてみて下さい。大事なの
はストレートに出て横Gが消えるのを感じることです。ステアリングがまっす
ぐになっていて、なおかつロールが残っていない状態です。最初は躊躇してし
まうかも知れませんが、横Gが消えたら一瞬でもいいですからスロットルを床
まで踏んで下さい」。
高台にある計時室から見ていても受講者のクルマがふらついて走っているの
がわかる。操作に力が入りすぎなのか、それとも操作が遅れているかのどちら
かだ。しばらくコースになれてもらうことにする。
ウァァーン。少しずつスロットルを開けているようだ。マイクを手に持つ。
「○○さん。ストレートに出たらもっと勢いよくスロットルを開けて下さい。
横Gに注意しながらです」。
次の瞬間。コーナーを立ち上がりストレートに入ったクルマのテールがエキ
ゾーストノートの高まりに合わせてアウト側に振り出される。カウンターステ
アを切りながらスロットルを戻したものだからテールが反対側に振られる。最
終的にブレーキで速度を落としたから事なきを得たが、スロットルオンのタイ
ミングをつかめていないことは明白だった。おそらく本人はステアリングがま
っすぐになっているのを確認してスロットルを開けたのだと思う。しかしクル
マにはコーナリングの置き土産ともいうロールがわずかに残っていたのだ。そ
れで左右後輪の駆動力に差が出てテールを振り出してしまったわけだ。
10数周、つまり20数回スロットルを開ける練習をしているうちに少しず
つではあるがステアリングとスロットルの連動がうまくいくようになる。しか
し、まだスロットルを開ける位置が遅れている。ステアリングを戻しきってい
ないのだ。「○○さん。コーナーを立ち上がったらキャスターアクションに抵
抗しながら戻すのではなくて、自分の力で直進状態にまでもどしてみて下さい」。
ステアリングワークに集中してしまったのかスロットルの開け方が緩慢にな
っている。雨は上がり午後からはドライ路面で練習ができそうだが、まだ路面
は濡れている。時間もあることだし同乗走行をすることにする。
「ますできるだけ遠くを見ます。次にステアリングをできるだけ軽く握りま
す。コーナリング中に上体がぶれないようにしっかりとシートに座り必要なら
ば膝をセンターコンソールに当てて下半身を固定します」。コーナーを回りス
トレート。クルマが目的の方向を向く瞬間にステアリングを戻す。ロールが収
束する。一瞬だけ探りを入れた後、スロットルを床まで踏み込む。シシシシッ
ツ。リアタイヤがスピンを始める。思いのほかトルクが大きい。こんなクルマ
こそ加速に移る前のロールコントロールを徹底的に身につける必要がある。ホ
イールスピンをさせたままスロットルを開けるのを『そこで』止める。戻しは
しない。加速感が高まりタイヤが路面をつかんだのを感じる。間髪を入れずに
スロットルを床まで踏み込む。3.8リッターNAエンジンを積むフェアレデ
ィZは路面が濡れているのにも関わらずノーズをもたげ短い直線をフル加速す
る。「結局、操作が遅れているのが原因ですね。クルマが動いている時は次に
何が起きるか想像できるわけですから、次の瞬間に行う操作の準備は怠らない
ようにしたほうがいいですね」。
浅間台のYRSオーバルは半径16mの半円を68mの直線2本で結んだも
のだ。ブレーキング区間を差し引いても60mはフル加速する余地はある。こ
の日。別の受講者のロードスターにも乗った。2速でコーナーを回りロールを
消しておいてフルスロットル。1.6リッターエンジンのトルクは細いがそれ
でもホイールスピンは起きる。ためしに床まで踏み込んだスロットルを戻さな
いでいると、次のコーナーに備えてスロットルから右足を離すまでホイールス
ピンが続いていた。もちろんロードスターは直線部分に置かれたパイロンと平
行の軌跡を保ったままだ。

クルマに横向きの力が加わっているかどうかわからないのであれば、スロッ
トルはできるだけ穏やかに開けたほうがいい。むろん、わかれば急激に開けて
もいいという話ではなく、クルマをキチンと加速させるためにはスロットルを
開ける前にクルマの状況が手に取るようにわかるように感性を養うべきだ。計
らずもタイヤが加速に関しては寛大だということが証明できた。タイヤが路面
を捉えていようと、ホイールスピンを続けていようと、横向き加速度から開放
されているクルマはまっすぐに加速する。加速している間は安全だ。行く手に
速度を落とす必要があるならばスロットルを戻せばいい。ブレーキをかければ
いい。それで安全は保たれる。加速とはそういうものだ。

クルマの操作に疑問のある方はユイレーシングスクールのドライビングワー
クショップかオーバルスクールを受けてみて下さい。どんな質問にもお答えし
ます。クルマとの距離が縮まること請け合いです。

・ユイレーシングスクール教科書
http://www.avoc.com/5media/textbook/textbook.php?page=0
・ユイレーシングスクールポリシー
http://www.avoc.com/9misc/info/yrspolicy.shtml

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