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Go?CircuitNo.258(09/20/08発行)

---------------------------------------------------- Taste of USA ----

●クルマを走らせるのは楽しい。速く走らせるのはもっと楽しい。●しかしク
ルマを安全に速く走らせることが難しいのも事実。走らせ方を理解していない
と楽しくもないし危険でさえある。●クルマをもっともっと楽しむために「ク
ルマさんとの正しいお付き合いの仕方」を学びませんか。●ユイレーシングス
クールからの提案です。●公道では安全運転を。サーキットではそれなりに。
》》Be Smarter、Drive Safer and Faster《《
【 Yui Racing School Offers Serious Entertainment 】
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|1) YRSサイトアップデート
|2) 参加申し込み受付中
|2)クルマを走らせる その3 トム ヨシダ

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|1) YRSサイトアップデート
かって「コーナーの向こうに」と題した連載をYRSメールマガジンに掲載
していた。かなり前のことなので読まれなかった方もいるかも知れない。ある
レース好きの卒業生が嬉しくもその連載だけをまとめてくれた。そこで過去に
執筆した原稿などを置いてあるスクラップブックにまとめて掲載することにし
た。
ウィロースプリング編と題するこれは、南カリフォルニアのサーキットを舞
台にした話。日本では経験できない5速全開のコーナーがあり登って下る縦の
ブラインドコーナーがある1周4Kmのコースで悪戦苦闘するチーフインスト
ラクターの自叙伝。

・コーナーの向こうに ウィロースプリング編
http://www.avoc.com/5media/scrap/scrapbook.php?ca=mmarticle&article=201

※ 尚、ユーチューブの動画にウィロースプリングのレース中の車載映像があ
った。

・NASA無制限クラスレース(02/09/08)
Jack Mardikian - Willow Springs Raceway - 2000 Honda Civic

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|2) 参加申し込み受付中
現在、以下のカリキュラムの参加申し込みを受け付けています。

| ◆ ◇ ◆ クルマの運転の楽しさを味わってみませんか? ◆ ◇ ◆
| ※申し込み期日を過ぎても定員に達しない場合は引き続き受け付けを行いま
| す。枠がある場合は当日受け付けも行いますが電話でご連絡下さい。その場
| 合は受講料を当日の受け付けでお支払い下さい。
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|■ 9月27日(土) YRSオーバルスクール FSW
数あるカリキュラムの中でも唯一週末に行われるオーバルスクールです。平
日の参加が難しい方はぜひ参加して下さい。時間の都合で半日のスクールです
が、座学やアドバイスなどカリキュラムは通常のオーバルスクールと変わりあ
りません。

・YRSオーバルスクール FSW開催案内
http://www.avoc.com/1school/oval/yosf.shtml

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|■ 9月27日(土) YRSオーバルレース FSW 第5戦
今年のオーバルレースシリーズも残すところあろ2戦。オーバルスクールを
卒業された方のレースデビューをお待ちしています。

・2008YRSオーバルレース第5戦 FSW規則書
http://www.avoc.com/2race/oval/yor.shtml

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|■ 10月1日(水) YRSドライビングワークショップ FSW
ジムカーナ場での定常円走行とサーキット走行を組み合わせたYRSドライ
ビングスクールがドライビングテクニックの総論に近いものだとすると、YR
Sドライビングワークショップはその中のブレーキングとコーナリングに特化
して掘り下げた練習を行うカリキュラムです。みなさんが苦手のスレッシュホ
ールドブレーキングやターンインを徹底的に練習します。
ドライビングワークショップでの説明は「目から鱗」の連続のはずです。サ
ーキットを走るつもりはなくても、サーキットを走ったことがなくても、運転
に興味のある方はぜひ受講してみて下さい。ふだんの安全運転に役立つこと請
け合いです。

・YRSドライビングワークショップ FSW開催案内
http://www.avoc.com/1school/driving/ydwf.shtml

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|3)クルマを走らせる その3 トム ヨシダ
1979年夏からアメリカに本拠地を移し生活してきた。翌80年の3月に
創刊されることになる八重洲出版のCARBOYでは、早速『トムヨシダのU
Sエアメール』という連載を始めた。その年の夏にはJAF出版から発行され
ているオートルートという雑誌に『トムヨシダのUSA通信』という連載を始
めた。どちらにもアメリカのクルマ社会の様々な断面を書いてきた。アメリカ
のクルマ社会については改めて触れる機会があると思うが、運転に関しては
『アメリカ人は下手だ』と一貫して指摘してきた。もちろん上手い人はいるが、
総じて運転がうまいとは言いがたかった。クルマはあくまでも家電製品と同じ
生活のための道具であって、運転に頓着する必要はないと感じたからだ。
ところが、1999年にユイレーシングスクールを開校するために再度本拠
地を日本に移すと、毎日の運転でストレスを感じている自分に気付いて驚いた
ものだ。今でもアメリカ人の運転は決して上手くはない。なにしろ、ある統計
では8割の人が『しかたがなくいやいや運転している』自動車が生活に欠かせ
ない国の話だ。クルマはあくまでも移動の手段でありそれ以上のものではない
から、運転の上手下手を論じることはほとんどない。とにかくクルマに乗るこ
とが先決なのだ。実際アメリカでも交通事故は多発しているし、中にはマナー
の悪いドライバーもいる。しかし約30年の間アメリカをベースに生活してき
た者としては、概して運転の下手な人が走り回っているアメリカよりも日本で
運転することのほうが数十倍も疲れることを白状しておきたい。

日本に住んでいる人にとっては日本の交通の現状が当たり前なのかも知れな
いが、現状はいささか悲惨だ。最新の数字を確認したわけではないが、人口が
日本の2倍強の国の交通事故による死者数もおよそ2倍。一見同じような比率
に映るが、日本とアメリカでは走行距離が格段に違う。アメリカは60マイル
(96Km)ですら通勤圏の国。走行距離あたりの事故発生率はアメリカのほ
うが低いことは容易に想像がつく。そして道路などのインフラが異なるという
事情はあるが、現実に直面する交通というものはたいした差はない。一旦停止
の交差点があって、抜け道があって、高速道路がある。走っていて直面する状
況は似たり寄ったりなのだが、運転していて気を使わないですむのはアメリカ
の交通だ。

要するに簡単に言ってしまえば、安全にクルマを運転する(その対極に交通
事故があるのだが)には運転技術を習得するだけではダメだという話なのだ。
クルマを動かしているのが人間である以上、クルマはその人が考えている通り
に動く。しかしその人が交通というものに対して間違った考え方をしている可
能性は大いにある。だとすれば、その人の運転するクルマが安全に走行すると
いう保障はなしし、交通の中で予測もつかないことをしでかすこともあり得る
わけだ。
ユイレーシングスクールはクルマが好きで運転が好きな人に、もっと上手く
運転する方法を教えている。実際ユイレーシングスクールを受講した人はみん
な運転が上手くなる。だが、それはあくまでも運転技術が向上しただけのこと。
あらゆる交通体系の中で、あるいはサーキットで安全に運転することを教える
までには至っていない。その点に触れることがYRSの次の課題かも知れない。

ジムラッセルレーシングスクールでインストラクターをやっていた時のこと。
「ここをこうするといいよ」と具体的な操作を教えていると、当時のチーフイ
ンストラクターが「トム、見たことを簡潔に伝えるだけでいい」と言う。サー
キットを走る方法を教えているのに、受講生の操作がどうであったかしか言わ
ない。それでいい。そのほうがいいと言うのだ。例えば「ステアリングを切る
位置が遅い」とか「ブレーキをかける位置が遅れている」とか。それ以上のこ
とは言わない。もちろん質問されればそれこそ丁寧に教えるが、まず座学で基
本的な知識を吸収しているであろうその人に事実を伝え、その人自身に指摘さ
れたことの意味を考えてもらうことを優先する。
それで受講生が上達するかというと、これが見事に上達する。上達するペー
スは人によってまちまちだが、3日間行われるスクールの最後にはほとんどの
人が見違えるほど運転が上手くなる。しかも生まれて初めて乗る人がほとんど
のフォーミュラカーを使っての話だ。40人程度のクラスが3日間を走り続け
ても、たいがいの場合スピンもコースアウトもなく終わる。
ユイレーシングスクールを日本で始めた当初。同じように事実だけを伝えた
時期があった。もちろん走行練習の前にはジムラッセルレーシングスクール同
様に座学がある。そこでクルマを安全に動かすために必要な知識を学んでもら
いコースに出るのだが、単に「ステアリングの回し方が速い」と言っても修正
してもらえない、「ブレーキをかける位置が遅れている」と言っても直らない
ケースに直面したことがある。結局、現在のように「理由はかくかくしかじか
なのでステアリングはこうやって回して下さい」というアドバイスになり、
「ブレーキを手前からかけるのはこれこれこういう理由からです。奥でブレー
キングするとこうなる可能性があります」と説明するスタイルに落ち着いた。
これまで幾度となくその理由を考えたことがあるが、おそらくそれは、運転
の仕方を覚えることがすなわちクルマを速く走らせることにつながるという意
識が強いので、本来は省いてはならない安全に対する意識とか理屈にあった操
作の仕方を隅っこに追いやってしまい、単純に速さを追いかけてしまうからで
はないかとの結論にいたっている。

この4月。アメリカに帰った時にジムラッセルレーシングスクールを訪ね当
時のチーフインストラクターをしていたマネージャーに会ってきた。スクール
はますます発展し今や初心者クラスでさえカーボンファイバーシャーシのフォ
ーミュラ3マシンで指導する。彼がユイレーシングスクールの教え方を見たら
どう思うか。そんなことを考えながら昼食をともにした。

余談になるが、かのチーフインストラクターを2回日本のレースに招待した
ことがある。最初は鈴鹿サーキットのSJレース。2回目は富士スピードウエ
イで行われたフォーミュラミラージュ。どちらも練習無しのぶっつけ本番だっ
たが鈴鹿では1位を走り最終的に3位。大雨のフォーミュラミラージュでも6
位に入賞し、運転がうまければどんなところでも走れるしどんなクルマでも乗
りこなせるというお手本を見せてくれた。

アメリカ人には彼らがしている操作の実際を伝えるだけで、彼らは座学で得
た知識を元に自分なりに操作に修正を加えていく。日本では「こうして下さい」、
「こうしたほうが速く走れるから」と言わないと安全が確保できない。この差
はどこから来るのか?ユイレーシングスクールを受講するのはごくふつうの人
達だ。自分のクルマを使い少しでも運転が上手くなりたいと思っている人達だ。

ユイレーシングスクールは2000年から筑波サーキットドライビングスク
ールを開催しているが、座学の初めに必ず「今までに公道でもサーキットでも
スピンやコースアウトを経験したことのある人は手を挙げて」と聞く。スピン
やコースアウトの経験のある人が最も多かったクラスは、32人中30名が危
ないことを体験済みだった。実に94%。サーキットを初めて走るためにユイ
レーシングスクールを受講した人の中にもかなりの割合でスピンやコースアウ
トの経験がある人がいる。

ジムラッセルレーシングスクールとユイレーシングスクール。どちらもサー
キットを使って運転技術を教えている。お金を払っても自分の意志で運転が上
手くなりたいと思う人に教えている。しかし、それでも受講者の安全に対する
意識には開きがある。
これが公道になればどうなるか。間違いなく安全意識は日本人のほうが低い。
安全意識が欠如しているものだから、『停まると危険な場所に平気で停まり』、
『友達とおしゃべりしながら運転して一定のペースで走れなくてもそれが当た
り前だ』と思っている等、というとんでもないことが起きる。あくことなく追
求しなければならないのが安全だと思うのだが、そうではなくて、まるで危険
でなければそれが安全だと言わんばかりに。

運転している人全てではないし全員が下手だとは思わないが、潜在的に危険
をはらんだ運転をしている人の確率がアメリカに比べてとんでもなく高い。だ
から走っていてストレスを感じる。交通の流れに秩序がないのだ。それが日本
では当たり前なのかも知れないが、それはおかしいよと言いいたいのだ。クル
マに乗らない日がないアメリカ人は確かに運転に慣れている。しかし運転テク
ニックが優れているかと言うと、そんなことはない。しかし、概してクルマと
いう道具の使い方を安全に移動し目的を達成することと定義するならば、アメ
リカ人に見習うべき点は実に多い。

クルマの運転に関わらず、安全は個人個人が努力を継続して獲得するものだ。
それがおざなりにされている日本は、だから少々悲惨だと思うのだ。少なくと
もユイレーシングスクールで触れ合うことのできた人には、安全に楽しくご自
身のクルマ人生をまっとうしてほしいと常に願っている。

・ユイレーシングスクール教科書
http://www.avoc.com/5media/textbook/textbook.php?page=0
・ユイレーシングスクールポリシー
http://www.avoc.com/9misc/info/yrspolicy.shtml

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