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Go ★ Circuits No.122 (02/02/15発行)

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【 122号の目次 】

◎ サイト更新

○ ユイレーシングスクール参加申し込み受付中

● 筑波エンデューロ 参加ドライバー募集

☆ ハウツゥスタート グラスルーツモータースポーツ

★ コーナーの向こうに 第六話 青春の旗 第4回 トム ヨシダ

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◎ サイト更新

1月29日に行われた筑波ドライビングワークショップのレポートを掲載しま
した。これからTDWを受けてみようと思う方の参考になると思います。ご覧
下さい。

http://www.avoc.com/ > レポート > ワークショップ

また昨年の筑波ドライビングワークショップ、YRS主宰のイベントのレポー
トも形を変えて復活させる予定です。しばらくお待ち下さい。

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○ ユイレーシングスクール参加申し込み受付中

ユイレーシングスクールでは以下のスクールの参加申込みを受け付けています。
参加を希望される方はお早めにお申込み下さい。

・筑波ドライビングワークショップ
・筑波ドライビングワークショッププラス
・筑波タイムトライアル
・筑波スプリント
・筑波エンデューロ

各スクールの案内および規則書はユイレーシングスクールWebサイトのフロ
ントページにメニューがあります。

http://www.avoc.com/ > スクール・イベント > 各種案内と規則書

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● 筑波エンデューロ 参加ドライバー募集

3月2日(土)に筑波サーキットコース1Kで行われる筑波エンデューロにユ
イレーシングスクールが参加します。参加ドライバー4名のうちひとりはYR
Sインストラクターが担当しますが、残りの3名の枠を「耐久レースを味わっ
てみたい」という方に開放します。

募集要項は以下の通りです。興味のある方は連絡して下さい。

参加レース:筑波エンデューロ2002 第1戦
参加車両:カローラレビン(スーパーチャージャー)
募集人数:3名
参加資格:過去に筑波ドライビングワークショップを受講された方
参加費用:22、250円(参加費、車両レンタル、メンテナンス代を含む)

※当日のガソリン代は参加者で均等に負担していただきます。

問い合わせ先:
publisher@avoc.com

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☆ ハウツゥスタート グラスルーツモータースポーツ

クルマが単なる輸送機械だったら、自動車技術はこんなに発展しなかった。ク
ルマが人や荷物を運ぶ役割の他に、人間に様々なものを与えてくれるからこそ
クルマはここまで進化した。スポーツドライビングという視点から見れば、そ
れは速さであり走行安定性であり、耐久性だ。

クルマはもはや単なる機械ではない。人間が楽しさや喜びを追い求める道具と
して存在する。サーキットを走る時の主役は間違いなく人間であるが、クルマ
は欠くことのできないバイプレイヤーの役目を担う。

ユイレーシングスクールが提唱する等身大のモータースポーツ。いわゆるグラ
スルーツモータースポーツは手軽であること、楽しいこと、より多くの人が参
加できる形態であることが大前提。YRSが目指すのは決してエスタブリッシ
ュメントのためのレースではない。

という前提でBBS@YRSで話題になっている筑波スプリントの車両規則に
ついて考えてみたい。

昨年からユイレーシングスクールが始めた筑波スプリント。アメリカのショー
トトラックレースをお手本にしたローリングスタートで始まるヒートレースだ。
最初のうちは参加者不足に悩んだのも事実だが、最終戦には4つのクラスがで
きるほどのエントリーが集まった。

当初「レースは危ないからなぁ。」と言っていた人が参加してくれた。「レー
スなんか俺には関係ないヨ。」と言っていた人も参加してくれた。
YRSが「目的も意識も違うドライバーが混在する走行会よりもレースの方が
数段安全です。」と訴えた結果だ。「同じ土俵で同じ目的に向かって他人と走
ると見えてくるものがありますヨ。」とも説明した。結果はその通りになった。
ユイレーシングスクールが期待していた以上の成果を得ることができた。

中でも特筆大書するべきなのは、筑波スプリントのレース中に参加者が自己の
ラップタイムを続々と更新したことだ。タイムアップを目的にした走行会やタ
イムトライアルでは短縮できなかったものが、レースという同じ土俵で争うこ
とによって副次的に可能になった。すなわちYRSが提唱する『無意識行動の
理論』の結果だ。

特に、インストラクターに「タイヤが減ってもそのまま走ったら何か見つかる
ヨ。」と言われてそれを守ってくれた谷 辰也さん。レースに出るたびにタイ
ヤは減るはずなのに毎回タイムを更新して最終戦ではノーマルのインプレッサ
と磨り減ったラジアルタイヤで44秒943をたたき出した。

もちろん良いことづくめではなかった。5回のレースで2回の接触があった。
原因はどちらもドライバーの、安全に対する意識の欠如、運転技術とクルマの
性能に対する過信、そして相手に対する思いやり(実はこれは自分に対する思
いやりでもある)の不足であった。当事者のほとんどは吉田塾に参加した。接
触し理由を徹底的に話し合った。レースに対する誤解があったこともわかった。

おそらく昨年の筑波スプリントに参加したドライバーがユイレーシングスクー
ルのレースに対するスタンダードを作ってくれたはずだ。今年の筑波スプリン
トはそこからスタートする。

さて、昨年はユイレーシングスクールのデータベースに記録されている『過去
のベストラップタイム』でクラス分けを行った。それらのラップタイムは筑波
ドライビングワークショップで記録されたものもあるし、筑波タイムトライア
ルや筑波エンデューロでマークしたものでもある。共通しているのは、そのタ
イムが『クルマのポテンシャルにドライバーのパフォーマンスを足した値』で
あることだ。

筑波スプリントの理想から言えば『車両規則に則った同じ性能のクルマ』によ
るレースだ。そこではクルマのポテンシャルを定数化できる。だからレースの
結果は純粋にドライバーのパフォーマンスで決まる。しかしこの理想を追いか
けるとユイレーシングスクールの理念である『手軽さ』と『誰にでも』に逆行
しかねない。現状の最善策として過去のデータに基づくポテンシャルパフォー
マンスでクラス分けの線引きをした。

昨年末。2年目に入る筑波スプリントの車両規定をめぐってYRSスタッフは
議論を重ねた。何が参加者のためになるかということはもちろん、レースとし
ての形態を保ちながらスクールの延長腺に位置付けるにはどうすれば良いかを
話し合った。

中にはBBS@YRSに河村さんが書いているような意見もあった。ここでは
河村さんの書きこみを引用する。

| 去年スプリントを含め、いろいろとレース、タイムトライアルなどのサーキ
| ットサンデーレースなどにかなり参加してきて思ったことですが、大排気量、
| 重量級のターボ車との同じクラスでのバトルは非常に危ないと実感しました。
| 現にTC1000スプリントでもクラッシュはありましたし、自分も今年そ
| のことが元になり接触がありました。
| パワー、重量が違えばいろいろと異なる部分が多くなり、サーキット走行が
| 楽しければ良いものでありますが、タイム、順位がからんでくれば、上を目
| 指して走るのはあたりまえです。そうなればミスもでてきます。同じパワー
| で重量が似通っていれば、ミスをしてもクラッシュの危険性は減りますし回
| 避できる可能性が増えますし、接近してのバトルも安全に行なえると考えま
| す。これは、自分の今までの経験によるものです。NAだけのクラスでのレ
| ースの方が安全に感じたからです。
| NAクラスをスプリントで実現したいのですが、問題もあると感じています。
| 去年思ったことは、Sタイヤで参加しているNA車両が少ないことです。S
| タイヤとラジアルタイヤでのタイム差があるため、ラジアルタイヤの参加者
| が上位に入れなくなりレースでの公平性がなくなるからです。
| 自分もタイムにはこだわって走っているのでSタイヤでタイムも狙いたいこ
| とはあります。ですがレースでの相手との駆け引きなどのバトルが大好きで
| すし、そこから学ぶことは非常に大きいと感じています。そこでNA車両で
| のSタイヤ参加者が多ければSタイヤクラスとラジアルタイヤクラスの二つ
| が成立しますが、少ないようだったらNAラジアルタイヤクラスを作ってい
| ただければと思います。普段の車でのレースをと歌っているのも事実なので、
| ラジアルクラスを作ったほうが参加希望の方々も参加しやすいと思います。

確かにクルマ+人間のポテンシャルパフォーマンスに加えてもうひとつの要素
が筑波スプリントのレースにはある。それは全長が短くコース幅は広いという
コース1Kというサーキットの性格。短さがパワーに勝るクルマの性能を殺ぎ、
広さが軽量車の運動特性の高さを増幅する。その結果出力で見ると3倍の差が
あるクルマ同士が同じようなラップタイムで走ることになる。その上それぞれ
のクルマの特性はまったく違うから走り方も異なる。

一方ではこんな意見もある。昨年の筑波スプリントにカプチーノで参加し、最
終的に47.570をマークした石山さんの書きこみだ。

| 異種格闘技=性能差の大きい車の混走の危険性ですが、理想的には、お互い
| が相手のこと(走り方)を十分理解して走れば問題はないのだと思います。
| が、実際は熱くなるとそんな思いやりを忘れてしまいがちなので、危険にな
| るのだと思いました。そういう意味では、レースの安全性にとっては同じよ
| うな車を集め、メンバーがある程度固定しているのがいいのかな?と思いま
| した。どんな人かよくわかりますし。
| 自分の場合、直線が異常に遅くコーナが速すぎる車で、相手の予想に反する
| ラインで走れてしまうのが接触の原因になったりしました。コーナの直前で
| 強引に前に割り込まれたりして怖い思いもしました。また、自分のレベルが
| 低くてつい熱くなってコーナで無理をして周囲に迷惑をかけることもありま
| した。そこで、とりあえず手っ取り早く安全に楽しく走るには(上手くなる
| までは)他の人と同じような車にしたほうがいいと思い車を変えてしまいま
| した(改造するより安いので)。
| でも、上手い人たちにはぜひ「異種格闘技」で安全かつ熱いバトルを見せて
| 欲しい!と、一観客として思います。真のイコールコンディションはありえ
| ない以上、各参加者(車)の個性が際立った走りが見れるレースのほうが、
| ワンメイクレースより単純に面白い!と思います。Sタイヤもハイパワーも
| 超軽量もそれぞれ一つの「個性」であって同じもののように感じるのですが、
| 素人じみた考えでしょうか?
| #重量級の車がコーナを見事にくるくる曲がっていくのも、すげぇ〜と尊敬
| の眼差しで見てました。

皆さんはどんな意見ですか?

ユイレーシングスクールとしてはできるだけ理想の形でレースを開催したい。
そのための方法も知っている。が、ユイレーシングスクールがまず目指すのは
「レースなんか俺には関係ないヨ。」と言っている人にYRSの安全意識基準
を知ってもらいレースに参加してもらうことだ。

どんな車両規則を用意しようとレースが安全でなくなることはない。どんなレ
ース施設を作ろうとどんなレース形態を採ろうと、レースが人間の手によって
行われる限り安全ではない。安全であるためには運転手の安全に対する意識が
不可欠だ。入稿の時点で19台の参加がある。ここ1週間の間にクラス分けを決
めることになる。ユイレーシングスクールとしては参加者の内訳も吟味しなが
ら、理想に近づく可能性のあるクラス分けを行う予定だ。

尚、現時点での参加車は次の通り。

スカイラインGTS−T 改造済
ロードスター 改造済
ポルシェ964RSS 改造済
フィアットバルケッタ 無改造
シビックタイプR 改造済
プジョー205GTI 改造済
ポルシェ911 改造済
ロードスター 無改造
スカイライン 改造済
インプレッサ 無改造
シビック 改造済
インプレッサWRX 無改造
RX−7 改造済
セリカ 無改造
ロードスター 改造済
BMW M3 改造済
ルーフRCT 改造済
S2000 改造済
180SX 改造済

筑波スプリントの参加者でなくてもかまいません。「俺はレースと安全につい
てこう考える!」という意見をお寄せ下さい。

投稿先:
publisher@avoc.com

ところで、あなたも筑波スプリントに参加してみませんか?

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★ コーナーの向こうに 第六話 青春の旗 第4回 トム ヨシダ

雨粒がついたレンズが見るものを歪める。レッカー車に引かれてパドックに向
かうポルシェ910を見送りながら14番ポストに戻る。箒を片手に歩きながら
つぶやく。「大したことがなくて良かった。」

ポストに戻り濡れたタオルを絞って眼鏡を拭く。乾くはずはない。外はまだ雨。
湿気は多い。半畳ほどの中にオガクズの入った袋や箒、フラッグが置かれてい
るポストに入りしばし雨を避ける。

「もう何回旗を振りに鈴鹿に来たのだろう。雨の日と晴れの日ではどっちが多
かったのかなぁ。」とりとめもなくそんなことを考えていると一斉連絡。レッ
カーがパドックに戻ったんだろう。予選再開だ。

何事もなかったかのようにマシンが立体交差の下に現れ、しぶきを上げて近づ
き、そしてヘヤピンへの進入へと消えていく。ホンの少しの間があって水煙を
高く舞い上げながらヘヤピンを立ち上がり260Rに向かうマシンが視野に入
る。雨は降り続いている。

今度は何事もなく予選は進む。マシントラブルか、極端なスロー走行のクルマ
がいることを知らせる白旗を出したのとヘアピンの黄旗振動を受けて黄旗を静
止で提示したぐらい。それにしても・・・。

コースより高くなっているポストから見ているとドライバーの運転がよく見え
る。ことに2座席レーシングはドライバーの腕の動きまで見て取れる。短いが
高速の右110R。曲がりきったところがヘヤピンのブレーキングポイント。
ヘヤピンは左回り。だからどのドライバーも110Rをアウトインインで廻る。
ドライなら110Rのターンインでは全開なのに、ターンイン直前でエンジン
音が変わる。アクセルを抜いてコーナーに入っている。

2座席レーシングカー。肩の高さまで上げたステアリングホイールを握る左手
が一瞬消える。戻しているのだ。それでもマシンの向きは変わらない。マシン
は既成事実としてあったようなラインを踏みながら進む。TSやGTS。ドラ
イバーが時折忙しくステアリングホイールを左右に動かす。前輪の向きが変わ
るのが見て取れる。しかしマシンの向きは変わらない。「やっぱり滑っている
んだ。」どうしたらあんな風にクルマを操作できるのかわからないまま目前の
事実だけを目に焼き付ける。

午前中の予選が終わり、一番最後にチェッカーを受けた車両を追いかけてマー
シャルカーがコースを1周する。コース確認のため。ほどなく立体交差下にマ
イクロバスが止まるのが見える。弁当の配達だ。

「今日はどんなおかずかな?」

朝ポストに入り全てのスケジュールが終わるまでそこを離れることはない。騒
音が消えたコース上はようやく日常の世界に戻りつつある。全てがスピードと
いう人間の生理では推し量れない次元で進む予選。そしてレース。確かにレー
スに参加する当事者ではないが、オフィシャルもまた無機的な世界を味わう。

目の前にマイクロバスが止まり窓から弁当が差し出される。弁当と缶ジュース
を受け取りながら「この落差もまた楽しい。」と思う。弁当が運んできてくれ
た有機的な日常に浸かる。

* * * * * * * *

レースがやりたい。どうしてもレースがやりたい。

ライセンスをとる方法はわかった。クルマをどんな風に改造すればレースに出
られるかも勉強した。どうやったらレーシングスピードで運転することができ
るかもおぼろげながら見えてきた。しかしレースはできない。レースができる
体制を作り上げる資金がない。ものの本に書いてある。『レーシングドライバ
ーになるために最も大切な資質は財布が厚いことだ』

「クソッ!」

それでもいつかはレースがやりたい。やってみたい。そんな夢みたいなことを
考える毎日。知り合った名古屋レーシングクラブの役員が勧めてくれる。「レ
ースには出られないけどオフィシャルとしてレースに参加してみたらどうだろ
う?」

「オフィシャル?」

「そう。オフィシャルもレースを成功させるために大切な役割なんだよ。レー
スのことも勉強できるしいろいろなことを知ることもできる。」

目の前の霞が見えるような話しを聞いてから2週間。公認審判員のライセンス
もとらず、役員の好意に甘えてポストに立つ。

=== 続く ===

※文中のドライバーの敬称は略してあります。

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