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Go ★ Circuits No.127 (03/26/02発行)
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【 127号の目次 】
◎ YRSウェブサイト更新
● 筑波ドライビングスクールツーデープログラム参加受付締め切り
△ 参加申込み
○ アンケート回答抜粋
☆ ハウツゥスタート 操作と挙動
★ コーナーの向こうに 第六話 青春の旗 第8回 トム ヨシダ
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◎ YRSウェブサイト更新
・筑波ドライビングワークショップレポート
3月5日、および3月19日開催のTDWのレポートを掲載しました。
http://www.avoc.com > Reportt > ワークショップ
・3月2日YRSイベント結果
3月2日開催の筑波スプリント、筑波エンデューロ、筑波タイムトライアルの
競技中に記録された結果を掲載しました。筑波エンデューロは全ラップを掲載
してあります。
http://www.avoc.com > Reports > イベント
・TDWアンケート集計結果
3月5日開催のTDWの参加者アンケートの集計結果を掲載してあります。
http://www.avoc.com > Documents > アンケート
・YRSオリジナル商品
この春に発売予定のフィアットバルケッタ用ロールバープロトタイプの画像を
掲載してあります。
http://www.avoc.com > Merchandise > 商品案内
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● 筑波ドライビングスクールツーデープログラム参加受付締め切り
ユイレーシングスクールが初めて開催するツーデープログラム。参加申込みが
相次ぎ早々に締め切らせていただきました。参加の意向をお持ちだったにも関
わらず申し込めなかった方にはお詫びします。
ツーデープログラムの1日目だけをフィーチャーした筑波ドライビングワーク
アウトを6月に予定しています。午後に行う定常円の追いかけっこは日本のモ
ータースポーツに新たなシーンをもたらすものと考えています。今回ツーデー
プログラムに参加されない方もご注目下さい。
・ユイレーシングスクール年間スケジュール:
http://www.avoc.com > School > スケジュール
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△ 参加申込み
ユイレーシングスクールが主催する一連のドライビングスクールは毎回定員で
の開催になっています。申込みも昨年に比べると2週間以上早まっています。
ユイレーシングスクールとしてはできるだけ多くの方に参加していただきたい
と考えていますが、筑波サーキットのスケジュールが一杯で現時点では日程が
増える可能性はありません。参加を考えていらっしゃる方は早めに申し込まれ
ることをお勧めします。
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○ アンケート回答抜粋
筑波ドライビングワークショップでは毎回終了後に参加された方にアンケート
を送っています。今後のカリキュラムを作る際の参考にするためです。ここで
はアンケートの回答の中から2つの設問に対する回答を抜粋して掲載し、参加
者の生の声を通じて筑波ドライビングワークショップの実際をお伝えしたいと
思います。
【設問】受講して習得できたことを思いつくだけ列記してください。
・自車の性能と、それに見合っていない運転技術。論理を技術化することの難
しさ。
・ブレ−キングによる加重移動
・どうやって、コーナリング時の内側タイヤを使える姿勢を作るか。
・アンダーステア、オーバーステアが起こる原理とその応用。
・過重移動の原理とその使い方。
・ブレーキの難しさ。
・タイヤの摩擦円の理解。
・前回よりも僅かながらも車の動きを感じ取る事が出来た様な気がします。
・コース1000のラインどりのイメージ。
・低速コーナーでのブレーキの残しかた。
・イーブンスロットルを自分なりに理解し、体感できた。
・コーナリングでのタイヤの変化を体感できた。
・一つ一つの操作を丁寧に行う必要性を理解できた。
・理論を学ぶことで、操作のミスに今までより早めに気づき多少は修正できる
ようになった。
・ブレーキのかけ方、ステアリング操作を含め、スムーズな車の動かし方。
・車の動きに逆らって運転していたという事を知ったこと。
・タイヤの使い方(頭では理解できた)。
・ON/OFFの操作では速くならないこと。
・ロール
・車の荷重移動を感じること。
・コーナリング時に4輪がすべる感覚。
・サーキットでのブレーキング。
・スムーズな操作の重要性。間違った知識による思い込みの多さ。自分の年齢
への認識。
・ブレーキの踏み方。いままでもじわっと踏んでいたつもりだったのですが、
TDWでは頻繁にABSを効かせてしまい、まだまだ荒かったことを痛感しま
した。
・トレールブレーキング、ブレーキングの強弱。
【設問】どんなところが上達したと思いますか?
・ブレーキング。
・ブレ−キング、加重移動。
・コーナーリングの方法。
・ブレーキの方法。
・スリップに対する恐怖心。
・日常の運転もスムーズになったと思います。
・荷重移動を意図的にすること。
・ステアリングの切りかた。
・一つ一つの操作がばらばらで雑だったのが、次の操作を考えてスムースに移
行しようと意識するようになった。また、理論を学ぶことで、車の動きを理解
して操作できるようになった。
・定常円は、前回よりスムーズに回れたと思います。
・帰り道の車の流れがかなりスローに見えました。
・余裕を持って運転できたように感じます。
・タイヤの使い方(ブレーキとハンドルとアクセルの連携のさせ方)。
・ハンドル操作。
・パワーで曲げてはいけない(でもパワーで曲げるのは楽しい(笑))。
・車の挙動が、以前自分が感じていたのと異なる動きをする事に気づいたこと
と、自分でも少し近づけるようになった気がする事、具体的にはロールとコー
ナリング時に4輪が滑りながら前に進む感覚。
・急ブレーキ、急ハンドルをスポーツドライビングと勘違いしていた面がある。
・できる、できないは別として、クルマの挙動(フロント・リアのサスペンシ
ョンの伸び・縮み)について意識が及ぶようになった。リアサスも縮ませるよ
うなブレーキの踏み方を信号停止のときも試しています。
※昨年の1回目からのアンケートの回答を全文掲載しています。
http://www.avoc.com > Documents > アンケート
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☆ ハウツゥスタート 操作と挙動
街中を走っていてこんな光景を目にしたことはありませんか?
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往来の激しい片側1車線の道路に面したスーパーマーケットの駐車場。買い物
を終えたのか1台のクルマが道路に出て左折するため駐車場の出口でクルマの
流れが途切れるのを待っています。しかしクルマの流れは途切れるどころか制
限速度の40Kmを上回る速さで流れています。
しびれを切らしたのか、流れが途切れるのを待っていたクルマはわずかに空い
たスペースにクルマをもぐりこませようと、静止状態からフル加速しながら左
折しました。『キッツ』というノイズを残して左車線に飛び出したかのクルマ
は、なんと左折というよりも対抗斜線に飛び出すように加速します。慌ててハ
ンドルを切り足すドライバー。かろうじてセンターラインを越えるのをこらえ
たクルマ。しかしドライバーは、今度は切り足したハンドルを戻すのに必死で
す。
近づいた後続車がホーンを鳴らします。
* * * * * * * * *
決して架空の話ではありません。その程度の差こそあれ、頻繁に見かける光景
です。そして、ここではドライバーの心理を探るのが目的ではありません。ド
ライバーが発進させたクルマに何が起きたかを検証することが目的です。
では対抗車線に飛び出そうとしたクルマに何が起こったのか?
結論から言いましょう。ドライバーの操作によってクルマがアンダーステアを
発生したのです。アンダーステアとはステアリングを切っても切っただけクル
マが回りこまず外にはらもうとする現象です。理論的に説明すると、多少難し
くなりますが、フロントタイヤのスリップアングルがリアのそれに比べて過大
な状態、ということになります。
ステアリングを切っても思ったようにクルマ曲がらない。読者の皆さんにも経
験があるはずです。ある時はサーキットで、ある時は街中で。そう。アンダー
ステアはスピードに関係なく発生します。止まっている状態から発進させた時
ですら発生するのです。
そのアンダーステア。アンダーステアが出る原因はクルマの挙動変化です。正
確に言えば姿勢変化ということになります。姿勢が変化すれば各車輪にかかる
過重も変わります。過重の変化がクルマの挙動を助ければ問題ないのですが、
クルマの挙動に逆らうような操作が行われた場合にはクルマはバランスを崩し
思わぬ挙動を示すわけです。
上の例で見れば、
・焦ったドライバーがステアリングを切ったままスロットルを『ガバッ!』と
開ける。
・静止状態にあったクルマが加速に移ることによりクルマ全体の過重が後ろに
移動する。しかも舵角のついたフロンとタイヤが抵抗となりクルマは前に進み
たがらない。
・リアタイヤの過重は増えるがフロントタイヤの過重は減る。しかもフロント
タイヤの抵抗に打ち勝つほどにスロットルが踏み込まれているから、その前後
の過重移動は相当に激しい。
・過重が抜けることによって前輪のグリップが減少する。代わりにリアタイヤ
のグリップが増す。
・リアタイヤに比べてグリップの少なくなったフロントタイヤには、もはやク
ルマの向きを変える余裕はない。経験的に左折するのに十分なだけステアリン
グを切っていたのに、それでは足りず結局切り足してその場をしのいだ。
という一連の挙動変化が起こったのです。そして挙動変化によって起こった現
象こそ、まさにアンダーステアなのです。アンダーステアは速度に関係なく現
れます。ドライバーの操作によってはいとも簡単に顔を出すのです。
筑波ドライビングワークショップに参加された方からどういうステアリングの
切り方が正しいか教えてほしいと質問されます。しかしながらそれは無理です。
クルマの挙動変化はたったひとつの操作で起きるわけではありません。
上の例でもステアリングとスロットルが関係しています。走行中であれば、そ
れに慣性力が加わります。このような複雑でかつ連続的に変化するクルマの姿
勢が乱れたからと言って、ステアリングだけで解決する問題ではありません。
その順列組み合わせは無限です。もちろんスロットル操作だけで解決するもの
でもありません。そこに必要なのは『クルマの状態を把握する感性』と『それ
に反応するための知識』です。
次回はみなさんがあまり意識してこなかったクルマの挙動変化を簡単に体験す
る方法を紹介します。
クルマは操作と挙動の因果関係の上で走りつづけることを覚えておいて下さい。
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★ コーナーの向こうに 第六話 青春の旗 第8回 トム ヨシダ
グランドレストラン脇にあるグランド浴場まで足を運べば24時間風呂に入れる。
実際、日曜の役務につく前に朝風呂を浴びるオフィシャルもいる。
オフィシャルになる理由は様々だ。レースを身近に見たいという人。ただで、
しかもR項というアルバイト料をもらってレースが見れるからという人。共通
点があるとすれば、みんなレースが好きだということだ。
ホテルに取って返すや風呂に入るのにはひとつの理由がある。グランドレスト
ランで計時からコースまで200名あまりのオフィシャルが一同に会して取る
夕飯も、確かに理由ではある。だが真のねらいはその後にベッド8つの部屋に
入れるだけつめこんでビール片手にレース談義をする至福のひとときだそれだ。
人によってはみんなとダベルのを好まない場合もあるようで、全員が集まる訳
ではない。京都、大阪、岐阜、名古屋、東京から集まるオフィシャルだから気
の合った同士集まって缶ビールを空けているグループもある。その中で最も人
数が集まるのが地元NRC(名古屋レーシングクラブ)の部屋だ。本来なら8
人部屋なのに2段ベッドの上段に3人が頭を低くして座り、立ったまま話に加
わる人がいて、20人以上入りこんだこともある。このグループの中には早川さ
んという鈴木隆コース副委員長を補佐するチーフ的存在の人もいる。
グランドレストランでの夕飯が終わる頃、鈴木さんがポケットマネーでビール
を買ってくれる。オフィシャルも、もちろんめいめいにビールやウイスキー、
そしてつまみを買う。
既に暗くなったホテルの通路をビニール袋に入ったビールを下げてF棟に向か
う。靴音と今日の出来事を我先にと話す声が、その集団を異質なものに変える
。一瞬、声高に続くオフィシャルの話し声が聞こえなくなる。頭の中に鮮烈な
意識が甦る。
「俺は傍観者ではない!」「レースをやるために勉強に来ているんだ。面白さ
や楽しさなんてクソ食らえだ。俺はレース界のインフィールドを目指している
んだ!」
人と話すのは苦痛ではない。むしろ好きなほうだ。しかしレースオタクになる
つもりはあに。オタク的な発言はうっとおしいだけだ。
ビールの缶を何本空けただろうか。ようやく話し声が雑音として聞こえるよう
になる。酔いが回るにつれ、レースを選んだ自分を不安に思っている自分に出
会う。いつものことだ。オフィシャルに来ているのは自分の不安を消すためで
はないかとも思う。
頭の上と足の下にほとんどスペースのないベッドで目覚める。
「高原さんはセッティングを変えてくるのかなぁ。」「けっこう乱暴な立ち振
る舞いだけど、陰気な田中選手よりましかな?」
「ヨシ!」「今日もやるぞ!」
もはや不安はどこかに消え去り、どんなレースになってもこなして見せるゾと
気分が高まっていくのがわかる。
顔を洗い荷物をまとめグランドレストランに向かう。待ちに待った朝飯。いつ
も同じようなメニューだがふだんの朝飯よりずっと豪華な朝食。ワカメと豆腐
の味噌汁。小ぶりの塩鮭。のの脇には細いはじかみ。生卵。味付け海苔。山菜
が入った小鉢。毒々しい色の漬物。
思い思いにテーブルを離れ歩いてパドックに向かう。トンネルを抜け最終コー
ナーよりのピットまで上り、中を覗きながら1コーナーに向かう。1台でピッ
トを使っているF2。3台でひとつのピットを使うFL500。メカニックが
慌しく行き来する。「クォーーーンッ、クォン」モノコックに馬乗りになった
メカニックがスズキの2ストロークエンジンを暖気している。
高原レーシングのピットを覗く。高原選手はまだ来ていない。小倉チーフメカ
が気付いて声をかけてくれる。「ヨッ!」いつもの通りのぶっきらぼうあn言
いまわし。足を止めずに会釈して先を急ぐ。もうすぐウォーミングアップ走行
の時間だ。
1コーナーに歩いて行く間、オフィシャルを乗せたマイクロバスが追い越して
行く。コースの中央に歩を進め落ちているものがないか確認しながらはるかか
なたの1コーナーへと急ぐ。「これは大きすぎるな」と思うようなタイヤカス
は拾ってコース脇に投げる。ボルトを拾ったこともある。スパナが落ちていた
こともある。
ホームストレートはかなり下りながら1コーナーへつながる。ストレートを歩
いているうちは2コーナーは見えない。貯水用の下池とその回りに生える草が
邪魔をする。その代わりカントのついた3コーナーが見える。
「何もなければいいけど。」
ふとそんなことを考えている自分に苦笑する。オフィシャルとしてしかレース
界とつながっていられない自分。歩きながら深呼吸。下腹に力を入れる。
「何かあったら何とかしてやる。大丈夫。」
=== 続く ===
※ 文中の登場人物の敬称は略してある場合があります。
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