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Go ★ Circuits No.146 (09/18/02発行)
==【目次】=============================
◎ YRSウェブサイト更新
● 筑波ドライビングワークショップ受講者募集中
○ YRS筑波イベント参加者募集中
□ 筑波ドライビングワークアウト受講者募集中
■ 秋の感謝デー参加者募集中
△ 福山英朗ウィンストンカップ参戦 菊地 学
☆ ハウツゥスタート スリップアングル
★ レースウエイ in the states No.3d
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◎ YRSウェブサイト更新
> 筑波ドライビングワークアウトレポート掲載
9月5日開催の筑波ドライビングワークショップのレポートを掲載しました。
http://www.avoc.com > Reports > ワークアウト
> YRSオーバル歴代ラップタイムアップデート
9月8日現在YRSオーバルを走った延べ154名のタイムを掲載しました。
http://www.avoc.com > Lap Time of Record > Oval Course
> 筑波ドライビングワークアウトレポート掲載
9月8日開催の筑波ドライビングワークショップのレポートを掲載しました。
http://www.avoc.com > Reports > ワークアウト
> 筑波ドライビングワークショップレポート掲載
9月10日開催の筑波ドライビングワークショップのレポートを掲載しました。
http://www.avoc.com > Reports > ワークショップ
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● 筑波ドライビングワークショッププラス受講者募集中
筑波サーキットの公式ドライビングスクールである筑波ドライビングワークシ
ョップ(TDW)。今年も既に400名近い方が受講しています。クルマを安
全に速く走らせるコツをお教えするカリキュラムは、サーキットを走ったこと
のない方も、経験のある方にも好評です。
特に、ノーマルのクルマで参加された方はクルマの限界の高さに一様に驚かれ
ます。クルマは理屈にあった操作をすれば、思っている以上の性能を発揮しま
す。クルマが生き生きと走れば、運転していて面白くないわけがありません。
今年は4回のTDWと、TDWをより専門的に行う筑波ドライビングワークシ
ョッププラス(TDWP)の2回を残すのみとなりました。時は秋。走るには
うってつけの季節です。クルマの運転を楽しみたい方は、ぜひTDWに参加し
てみて下さい。
筑波ドライビングワークショップへの申し込みは次の頁から行えます。
http://www.avoc.com > School > ワークショップ
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○ YRS筑波イベント参加者募集中
10月12日には今年最後の筑波スプリントと筑波エンデューロが開催されま
す。「とにかくレースをやってみよう」と始めたこの普段着のレースも2年目
を終えます。まだ「ヨーイ、ドン」を体験したことのない方はぜひ参加して下
さい。
今回、筑波スプリントにはロードスタークラスを設けます。50秒台クラスも
設けます。スタートはローリングスタート。予選タイム順にスタートして競争
するので、速いクルマが必ず前にいます。その意味では走行会よりもずっと安
全です。
筑波エンデューロはいつもの通り2時間耐久レースとして行います。ピットス
トップの時間を管理されるので、争いはコース上のみ。ドライビングスクール
と同じ間隔で走ることができます。現在の話題は、どのチームが最初に140
周を走りきるか、です。
レースは相手を抜こうとして抜けるものではありません。『自分のミスを少な
くして相手より速く走る』のがレースです。
今年最後の筑波スプリントと筑波エンデューロ。みなさんの参加をお待ちして
います。
それぞれのレースの規則書は以下の頁でご覧になれます。
http://www.avoc.com > School > スプリント
http://www.avoc.com > School > エンデューロ
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□ 筑波ドライビングワークアウト受講者募集中
筑波サーキット公式ドライビングスクールの第2弾。筑波ドライビングワーク
アウト(TDO)の受講者を募集しています。TDOはカーコントロールの習
得に特化したカリキュラムです。クルマの挙動がわからない。操作した通りに
クルマが動かない。そんな経験のある方にお勧めです。
TDOではスレッシュホールドブレーキングとYRSオーバルを使った定常円
旋回の練習をします。以下は参加された方の感想を抜粋したものです。
※筑波サーキットドライビングワークアウトを受講した理由を書いて下さい。
・TDWで体験した定常円を楽しく感じ、もっと走行したいと思ったため。通
常のサーキット走行ではできないコーナリングスピードを高く保ちながら曲が
るという点を鍛えたいと考えたため。
・オーバルコースを何秒で走れるのか興味があった。前荷重させてのコーナー
進入方法とは?
・カーコントロールの技術を向上させたかったため。
※スレッシュホールドブレーキングの練習をした感想を聞かせて下さい。。
・トランジッションの後のブレーキの踏み方が難しい。じわーっと踏力を足し
ていってフロントサスを縮めるがのんびりやっていると縮まる前にスピードが
落ちてるし・・。スムーズかつスピーディにこなすのが課題かなと思いました。
・トランジッションが非常によくわかった。
・2回目の挑戦でしたが、ブレーキを開始してからさらに踏み込むところが難
しいです。普通に踏むよりも短い制動距離で減速できる事は体感できました。
・「初期の減速度を高める」というのが今一歩つかめませんでした。
※YRSオーバルを走行した感想をお聞かせ下さい。
・まず車を変えて思ったのが“良く曲がるぅ”です。今思うとロードスターの
方がインプレッサよりコーナリングが得意なはずなのでイーブンスロットルの
区間を長くしてコーナリングスピードを高くした方がいいのかもしれません。
今回は調子に乗りすぎてたこったりしたので次回はそこらへんを取り組んでみ
ます。(でもまたながしちゃうかな)
・オーバル以外でも今までよりスムーズに走れそうな気がします。10月12
日が楽しみです。
・何度か走っているのですが,なかなかコツがつかめません。次回、同乗走行
の時にでもお願いしようかと思ってますが、運転しながらブレーキの強さを数
字で言ってもらえるとイメージがつかみ易いのかもしれません。コースの設定
等はとても良いと思います。
・円の大きさは車の限界を安全に引き出し体験するのにちょうど良い大きさで
良いと思った。
・「旋回速度を高める」という課題がすごく難しいと感じました。ほとんどブ
レーキをかけずに進入していけばアンダーステアが出るし、ブレーキをかける
と速度が落ちすぎるというかんじで、なかなかその折り合いをつけるのがうま
くいきませんでした。でも、おなじコーナーを何度も練習できるのでおもしろ
いです。
* * * * * * * * *
TDOのスレッシュホールドブレーキングも定常円旋回もクルマを正確にコン
トロールするテクニックの習得にはうってつけです。クルマさんとお友達にな
りたい方は、ぜひ参加してみて下さい。
筑波ドライビングワークショップへの申し込みは次の頁から行えます。
http://www.avoc.com > School > ワークアウト
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■ 秋の感謝デー参加者募集中
春の感謝デーで植えたさつまいもはスクスクと育っています。現在、石焼芋用
の釜を製作中です。石焼芋は水分を飛ばしたさつま芋が適しているので、事前
に掘り起こしておきます。当日参加者に掘っていただいた分はお持ち帰りいた
だきます。とれたてをふかし芋などにすると美味だそうです。
恒例になったバーベキューも行います。過去に参加された方が舌鼓をうったY
RS特製の焼きそばも用意します。詳細は次の通りです。
日時:10月6日(日)
場所:久我農園(千葉県長生郡一宮町)
募集人数:30名
参加費用:大人3、500円 子供1、500円 (大人は飲み放題)
プログラム:さつまいもの駆り入れとバーベキュー、ベンチレーシング
YRS感謝デー参加申込み:
http://www.avoc.com > School > その他のイベント
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△ 福山英朗ウィンストンカップ参戦 菊地 学
===> 快挙!! <===
ストックカーレースの最高峰ウィンストンカップに日本人初参戦!
−>日本のオーバル・レース認知度向上になるか?<−
− 裾野を広げるYRS新カリキュラムのご紹介−
それは、一通の招待状だった。仕事柄クルマ関連の招待状はよくくるのだが、
この一通の招待状は自分にとって特別なものだった。その招待状にはこう記さ
れていた。「日本人初チャレンジ 福山英朗NASCAR参戦記念パーティ」。
「ヤッタ!!」心の中で思わず叫んだ。ナスカー・ウィンストンカップを知り、
そしてオーバルを走ることに魅せられていった自分にとって、その最高峰に同
じ日本人が参加するということは何にも増して嬉しかった。これで日本により
オーバルレースというものが浸透してくれれば。そして、これをきっかけによ
り多くの人が自分でオーバルを走ることに興味を持ってくれれば。現在、筑波
ドライビングワークアウトにスタッフとして参加している自分の偽らざる願い。
オーバルを楽しんでいるいち個人として、より高いレベルへステップアップ
していきたいという気持ち。一方では、より敷居を低くして少しでも多くの人
にオーバルを経験してもらいたいという気持ち。自分のレベルアップは自分の
問題として自ら解決していくことができる。しかし、オーバルの楽しさを知っ
てもらうには環境や参加者等、様々な要素が必要になってくる。手軽にオーバ
ルを経験できる場があれば、きっと、もっと広がるはずだと思う。
オーバルは、みるとやるでは大違い。一度でも走れば、その面白さは見てい
るだけの時とは比べ物にならないほど感じることができる。そして、9月から
開校される筑波ドライビングワークアウトビギナーは気軽にオーバルに接する
ことができるカリキュラム。受講料金の面でも、かなりリーズナブルな設定に
なっている。さらに、参加対象者がサーキット走行未経験者とされている部分
も大きな特徴だ。もちろん、サーキット経験者は参加できないということでは
ないが。
サーキット走行は興味があるけど、ライセンスや装備にお金が掛かりすぎる。
回りが経験者ばかりだと気後れしてしまって走ることがためらわれてしまう。
そもそも、サーキットをまともに走れるのだろうか。そんな不安をお持ちの方
も、ワークアウトビギナーなら杞憂に終わるはずです。
ワークアウトレポートでもおなじみのYRSオーバルでは同時走行は2台まで、
しかも追い越し禁止ですから、後を気にしすぎて自分の走行に集中できないと
いうことはありません。そしてこのカリキュラムでは、走りはもちろん、会話
の時間も十分に取る予定です。インストラクターから、自身が走り始めた経験、
今に至るまでの経緯なども交えながら、オーバルを走ることの、そしてサーキ
ットを走ることへの心構えや楽しさもお伝えしていこうと考えられています。
モータースポーツに興味のある方、免許を取ったばかりだけどサーキットを
走ってみたいと思っている方。実技付き吉田塾があったらと思っている方。い
ちど、ドライビングワークアウトビギナーに参加してみてはいかがでしょうか。
面白かったら次のステップへ参加すればよし、物足りないなと思っても、1日
過ごすイベントとしては良くも悪くも金額なりに得られるものはあると思いま
す。多くの、そして、新たな方々にお会いできることを楽しみにしています。
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☆ ハウツゥスタート スリップアングル
メールマガジン144号でスリップアングルの話しをしたところ、質問のメー
ルをいただきました。限界でクルマをコントロールする時に欠かせない概念で
あるスリップアングル。質問に対する回答を公開しますので、みなさんもイメ
ージを膨らませてみて下さい。
* * * * * * * * *
> 144号の記事から
タイヤのトレッドを見ます。奇妙な動きをしています。本来ならば、次の瞬間
に接地するであろうはずのトレッドの『とあるポイント』が、あろうことかず
っと外側に着地するのです。おわかりでしょう。タイヤに横向きの力が加わら
なければ、間違いなくトレッド上のあるポイントは接地して離れて1回まわり
、進むべき方向の延長線上にまた接地するものです。しかし、それが起こらな
い。まさにタイヤの限界を超えて走っているのです。
> 質問
とあるポイントが外側に着地?何度か繰り返し読んだのですが、この部分がよ
くわからずイメージが湧きません。
> 回答
表現力が乏しいのでわかりづらかったかも知れないですね。反省してます。
これはコーナリング中のタイヤがどういう変形をしながら回転しているか、実
際のタイヤはどんな軌跡をたどるか、という話です。
机の上に置くような幅20mmの大きなセロハンテープがあるでしょ。直径が
12センチぐらいあるのかな。あればそれを持ってきて下さい。なければそれ
をイメージして下さい。あとは大きな画用紙にできるだけ大きな四分円を書い
て下さい(書いたと想像して下さい)。
セロハンテープに1センチ間隔で線を引きます。半周ぐらいでかまいません。
セロハンテープの面に20x10mmの長方形がいっぱいできたはずです。そ
の長方形の全ての中央に点を書いて下さい。
(1)書いたら最初の点を四分円の線上に置きます。セロハンテープに書いた
点が次々に四分円の線上に降りるようにセロハンテープを回転させます。
これがタイヤがコーナリングする時のイメージだと思います。ふつうは。
#非常に大まかに言っていますが。
しかし『実際にコーナリングするタイヤは四分円の上を点が次々にトレースす
るような動き』はしていません。
どういう動きをしているかというと、(1)の後の話です。
(2)四分円の線上にある点の次の点が四分円の円弧のわずかに外側に着くよ
うに回転させます。この時に注意するのはセロハンテープの向きを常に(1)
の時と同じにして回転させることです。
(3)その次の点は円弧から(2)の点と同じ量だけ外側に着くように回転さ
せます。
(4)そのまた次の点は円弧から(3)の点と同じ量だけ外側に着くように回
転させます。
(5)同じように(1)では円弧上に下していた点を同じ量だけ円弧の外側に
向かってズラしながら回転させます。
(6)次々にズラして置いた点は四分円よりゆるやかな「弧」を描いたはずで
す。結果としてセロハンテープは(1)と同じ向きなのに円弧の外側を通りま
した。
コーナリング中のタイヤの軌跡は新しく描かれた「弧」です。画用紙の上の円
弧はあくまでも運転手が描いたイメージに過ぎません。
直線の上をセロハンテープを回した時は、それぞれの点を直線の上に降ろして
かまいません。横向きの力が加わってませんから。
しかし横向きの力(クルマが受ける遠心力)が働くとタイヤが変形して(2)
から(5)の「作業」が繰り返されます。上の場合で言えば、画用紙に描いた
円弧よりも外側の「弧」が実際のタイヤの軌跡です。
(1)の時にセロハンテープが向いている方向に線を引きます。これを、ある
瞬間にタイヤが向いている方向とします。次にその点から(2)で点を降ろし
たところを結んで直線を引きます。タイヤが向いていた方向と「ある角度」が
ついた直線が引けたはずです。このある角度がスリップアングルです。
コーナリングを開始したタイヤには必ずスリップアングルがつきます。勢い良
く回転しているタイヤが次々に変形<(2)から(5)の作業>を繰り返すか
らです。
なぜ変形するかというと、お分かりでしょう。クルマに遠心力が働き、結果と
してタイヤの軸方向に横向きの力が加わるからです。タイヤが変形を繰り返す
ことが、実は、タイヤが滑ると言うことなのです。
と、まぁ、こんな説明でいいですか?
画用紙の上(頭の中)にスリップアングルが書けました。この『スリップアン
グルの角度をコントロールする』ことがコーナリングです。
スリップアングルはひとつだけではありません。4つあります。前輪のスリッ
プアングルが後輪のそれより大きければアンダーステア、逆ならオーバーステ
アです。
* * * * * * * * *
いかがでしたか?読者のみなさんにもおわかりいただけたでしょうか?
タイヤのスリップ率をコントロールすることこそ安全に速く走るために必要な
テクニックです。実際にスリップアングルの増減を体感してみたい方は、ぜひ
筑波サーキット公式ドライビングスクールに参加して下さい。
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★ レースウエイ in the states No.3d
出そうになるリアを通常よりわずかにスロットルを開けることで路面に食いつ
かせ、舵角を増やしてフロントが巻き込まないようにターン7を下る。うまく
バランスを取れば、下りのコーナーということもあってかなりの速度で旋回で
きる。しかも180度コーナーで長い間横からのGを受け続けるから、クルマ
のコントロールもしやすい。
2速のコーナーだから飛躍的なタイムアップには繋がらないが、「コーナー中
のどの地点でもコンマ1キロだけ速く走れればいい」と考えながら走る。
ターン7からターン7Aへの切り返しも難しい。切り返す地点は完全なフラッ
ト。そこで長い時間蓄えてきた右の横Gを収束させて左のGを発生させなけれ
ばならない。クルマの巨大なエネルギーを全く逆向きの方向に変えるというこ
とは大変な作業だと気付く。それは加速から減速に移る時も同じ。
同じようにターン7を出たつもりでも、切り返しの地点でのクルマの向きは微
妙に違う。ターン7Aの進入に都合の良い向きになっていることもあれば、ク
ルマがターン8の方に進みたがっている時もある。まして、頑張ってターン7
を下ってきた日には、クルマは向きを変えようともしない。モータースポーツ
が知的遊戯だと思うのはそんな時。感情でクルマは速く走らない。理屈に合わ
ないことはクルマが受付けない。アメリカのサーキットを走るとつくづくと感
じる。
要するに、ターン7もターン7Aもそのクルマの限界でコーナリングすればい
いわけだ。同じような曲率だし同じように走ればいい、と思う。しかし、実際
の事情は少しばかり違う。ターン7Aの後には長い直線が控える。タイムアッ
プに欠かせないストレートエンドの速度を考えるなら、重要度はターン7Aの
方が上。しかしターン7を犠牲にしての話では、これまた駄目。やはり必要な
のは知性だ。
飛行機の離着陸もできるストレートに出る。ターン7Aのアウトにはらまない
うちに3速。通過速度はそれほど高い。逆に、アウトに出てから、つまりステ
アリングを戻してから3速に入れるようでは競争にならない。
3速が吹けきる頃、路面が下り始める。コースの上を横切るオーバーブリッジ
をくぐる。4速。ドッグレッグの手前で5速。右足がつるのではないかと思う
ほどスロットルペダルを踏む。実際、ターン7Aの立ち上がり方で5速に入る
ポイントが明確に違う。2、3、4、といつも同じようにレッドラインまで引
っ張っているのに5速に入れられる地点が違う。これだから面白い。
せっかくの加速を台無しにしないように、最小の舵角でドッグレッグを回る。
ターン7Aを立ち上がってからの長い直線でクルマを右端に寄せておけば大き
な曲率で回れる。オーバースピードを気にすることもない。スピンの心配をす
る必要もない。肝心なのはタイヤの抵抗でスピードを殺さないことだ。
裏の直線からターン9に至るコースの幅は広い。コースの半分ほどを使ってド
ッグレッグをクリアすると、正面に赤と白に塗られたターン9のウォールが見
える。そう。ここもエスケープゾーンがない!しかも、今度は5速でブレーキ
ングして入るか、場合によってはターンインしながら4速に落として入る高速
コーナーだ。
「なんというコーナーだ!」なんて悠長なことは言っていられない。他のドラ
イバーはなんとかネゴしながら(折り合いをつけながら)スパッと入っていく
のだから。
ある日、歩いて最終コーナーを見に行った。左回りのオーバルコースならアウ
ト側が「壁」でも運転席の反対側にある。ターン9は右コーナー。走っていれ
ば、ウインドネット越しに赤と白のウォールがすぐそこに迫ってくる。その実
体解明(?)のために見に行った。
なんと、ウォールは鉄板で出来ていた。鉄板自体の暑さは1インチほどだが、
鉄板の高さに合わせて盛り土がしてあるから、ウォールにクラッシュしても鉄
板がずれることはまずない。
「そうか。鉄板か。金属と金属なら当たっても滑りやすいわけだ。当たる時は
薄い角度で入っていけばいいんだ。」と自分を慰めたことを思い出しながら走
るのがターン9。
ターン9にはカントが付いている。コース幅も広い。180度以上回りこんだ
長いコーナーだ。しかも、考えようによっては、ターン9の速度を上げれば上
げるほど、ターン7Aからターン6までが直線に近くなる。まず間違いなく無
視できない、RIRでは最も重要なコーナーだ。
ドッグレッグを過ぎて、さらに加速していくと左手にウォールの始まりが目に
入る。マージンを取って1mほど内側でスロットルを戻しブレーキング。その
地点からカントが始まる。ブレーキングの最後に減速度を必要以上に残すとリ
アが暴れる。かと言って速度を落としすぎても駄目。勇気ではない。計算が必
要だ。
ターンイン。初期のステアが大きすぎると、カントのせいでフロントが逃げな
いから、長いコーナーのごく初めの内にインについてしまう。ステアリングを
修正しなければならない。当然、通過速度は遅くなる。ピット前のストレート
に「いい形」で出て行くことだけを考えてラインを決める。実にイヤなコーナ
ーだ。回っても回っても出口が見えない。しかも、エンジンは4速でレッドラ
イン近くまで回っている。
とりあえずアウトから滑らかにインに付き、クリッピングポイントならぬクリ
ッピングラインを舐め、舵角に気を付けながらカントを上るようにアウトに出
る。ウォールと並んだ時に「ゴォーッ」と鳴った排気音がインに向かうにつれ
て小さくなり、また大きくなる。
ストレートまで続くウォール。最後に横Gが消える時はウォールまで1mもな
いだろう。4輪がドリフトアウトしているのを感じながら、「どうせそのうち
流れは止まるサ」と「頼む。止まってくれ!」という声が頭の中で交差する。
ストレートの加速を考えるとターン9は4速で立ち上がる方が速い。どこで4
速に落とすかはその時によるが、最終的にウォールギリギリまではらんだ時に
5速に入れられれば上出来だ。
アウト側でいったん横Gを完全に消す。この速度で乱暴なことはできない。そ
れから小高いピットに向かってゆるやかにステアする。ヘルメットに内蔵した
イヤフォンから声が聞こえる。「35秒×××」
1300ccのクルマが1分35秒を切ることができるか?結局、それは果た
せないままRIRは閉鎖してしまった。
… この項続く …
○アメリカのレース場(YRSオリジナル原稿)
http://www.avoc.com > Scrap Book > 原稿 > Over View > ネーム
○YRSオリジナルRIRコース図(pdfファイル:120K)
http://www.avoc.com/images/image_cover/map-rir.pdf(pdf:120K)
http://www.avoc.com/images/image_cover/map-rir.jpg(jpg:51K)
○リバーサイドインターナショナルレースウエイヒストリー
http://home.san.rr.com/fsheff/rirpicts.htm
○アメリカンレースウエイ−RIR
http://www.na-motorsports.com/Tracks/Riverside.html#TrackMap
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□ メールマガジン " Go − Circuits "
□ 有限会社ユイレーシングスクール発行
□ オリジナルサイト:http://www.avoc.com
□ Copyright Yui Racing School Co.,Ltd.
□ Copyright 1986-2001 AVOC CORPORATION
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