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Go − Circuits No.71 (01/17/01)
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【 71号の目次 】
★ 2月10日座学&タイムトライアル&走行会受付中
☆ コーナーのむこうに。 第三話 WIR その3
○ YRS卒業生からの質問と意見、その回答
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★ 2月10日座学&タイムトライアル&走行会受付中
2月10日に開催する第4回タイムトライアルの参加申し込み受付を行ってい
ます。
今年から開催するスプリントレース、耐久レースに参加を予定されている方は
座学を受けていただくことになっています。
過去に練習走行とタイムトライアルへの参加も座学が必要だとお知らせしまし
たが、レースに参加される方だけに絞りました。
また、過去のタイムトライアル参加者、ユイレーシングスクール卒業生からコ
ース1000を走りたいとの要望がありました。筑波サーキットとしては定期
的な四輪のスポーツ走行を組まないということなので、2月のタイムトライア
ルの時に走行できる時間帯を設けました。
ただ、あくまでも練習走行は「過去にタイムトライアルに参加して座学を受け
られた方」と「桶川ドライビングワークショップ、あるいは2000年に筑波
サーキットドライビングスクールで座学を受けられた方」を優先します。
イベント参加規定と練習走行参加規定は、トラブルフリーのモータースポーツ
を日本で実現するためと、みなさんの安全を確保するために設定しました。ご
了承下さい。
定員はタイムトライアル40名、練習走行20名です。
規則書は、
http://www.avoc.com/school/program/time_trial/ttt021000.htm
※日本には24日に戻る予定にしています。それまでの間は受講料の振込確認
ができませんので、申し込まれる方は必ず受講料を振り込んでから申し込みフ
ォームをお送り下さい。
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☆ コーナーのむこうに。 第三話 WIR その3
「同じようなもんヨ」とクルーチーフ兼我が家の大蔵省。
もちろん、そんなに簡単にタイムが縮まるとは思っていない。が、しかし、方
向性は見えてきた。不用意な操作でコーナーの「通加速度」と「脱出速度」を
殺がないように、クルマのバランスに注意することだ。
予選では「直線を速く走るための準備にコーナリングを使う」ことを徹底して
走ろうと決意。
考えてみれば、WIRでハードブレーキングが必要なのは4速から2速に落と
す3コーナー、下り切ったところにある5コーナーの2つ。
速度を落とす必要があっても1コーナー、2コーナー、最終コーナーは高速コ
ーナー。ブレーキングを減速に使うより、コーナーの通加速度を決める手段に
利用した方が有効だ。
ラップタイムは1周の平均速度と正確に比例するから、特に高速コースのWI
Rなどではコーナーで頑張るより直線での速度を稼ぐことが大切だ。
昔取材したことのある名レースエンジニアが言った「速く走るクルマを創るの
には、単位時間あたりの移動距離が大きい直線と高速コーナーで速く走らせる
ことを念頭に置く必要がある」という言葉を思い出す。
予選の2コーナー。1コーナーを抜けてからわずかな上りの続く直線。その延
長にある2コーナー。180度以上向きの変わる長いコーナーの途中からは斜
度が増す。
ここもスピードを殺すことのできないコーナー。
2コーナーへは4速のままでも進入できるが、トラクションが足りない分だけ
カントがついているにも関わらずアウトへはらもうとする。慣れるまで3速に
落として入ることに決める。
ここのダウンシフトは圧巻。なにしろ4速でも行けるほど速いコーナー。3速
の回転はレッドゾーンギリギリ。ヒールアンドトーでダウンシフトする際、ス
ロットルを思いっきり開けないと回転が合わない。
コース幅が結構広いから、ラインも悩みどころ。アウトインアウトがいいのか
。と言ってもコーナーが長いからどこにクリッピングポイントを置けばいいの
か。あるいは全長にわたって少しでも半径を大きくするためアウト側をなめた
方がいいのか。
タイヤにも負担のかかるコーナーだ。上り勾配に加えて明確なカントがついて
いるからスロットルを開けてもアンダーステアが顔を出すことはないが、左リ
アタイヤがスライドする。
とにかく、コーナリング中に右前方に見える3コーナーをうかがうこともでき
るほど、長い時間のコーナリング。
「頼む。どうかスピードが落ちないように」
願いながら、「ベストと思われる」スロットルポジションをキープ。コーナー
の後半ではできるだけ遠心力を減らせるようなステアリングワークに気を付け
る。
2コーナーの立ち上がりはトリッキーだ。コーナーが終わるところで路面がフ
ラットになる。アウトに最もはらむ地点のエッジをコーナリング中に見ること
ができない。安全策の意味もあるが、3コーナーまでの加速を稼ぐため2コー
ナー出口付近でクルマの向きをインよりに変える。
2コーナー出口から3コーナーまでの直線。3コーナーは左にうねりながら上
っている2速の小さなコーナー。直線を走っていても、正面には左手の丘に消
えるコースの一部しか見えない。
2コーナーの立ち上がり、エンジンが3速で悲鳴を上げる寸前4速にアップ。
右手の低いところに1コーナーから2コーナーへ続く直線が見える。
ターンインのあたりから上りこう配の始まる3コーナー。最も高いところにあ
る4コーナーまでの急な上りを駆け上がるため2速が必要だが、6000回転
は回る速いコーナー。
ブレーキングで車速を落とし過ぎると失速する。慣性を残すためにも3コーナ
ーの通加速度が重要。いろいろなことが頭を過ぎり、整理する暇も、情報の入
っている引き出しを捜す暇もない。
「ろくに練習もしていないのだから・・」。当たり前だと自分を納得させる。
3コーナーは回り込んでいるくせに直後に右にベンドする。どこでGを消した
らいいのか判断が難しい。左に振り過ぎると速度を殺ぐようだし、早めに右ベ
ンドについてしまうと4コーナーをインから入らなくてはならない。
とりあえず、3コーナーに入ってからはイーブンスロットルをキープする。ス
テアリングワークに集中できるようにする。瞬間的なGがかからないラインを
探す。
右回りの4コーナー。コースの最も高いところにある。しかし、アプローチで
はクリッピングポイントも、もちろん出口も見えないブラインドコーナー。
しかも、立ち上がりのアウト側は瓦礫のエスケープゾーンだが下っている。絶
対に「はみ出してはならない」コーナーだ。
4コーナー。クリッピングポイントの手前から路面は下りに変わる。かなりの
下り。
慎重にスロットルを開けながら立ち上がると、目前にはカリフォルニアの砂漠
。左手から右手へと、7〜9コーナーまで続くコースと滑走路のような直線が
目に入る。
とにかく面白い。リバーサイドも楽しいが、速く走るためには基礎問題だけで
なくたくさんの応用問題を解かなければならないWIR。
<WIR編は第四話に続く>
WIRコースレイアウト
http://www.willowspringsraceway.com/images/WillowSpring.GIF
# 今年は5月の第3日曜がメモリアルウィークエンド。WIRでは土曜から
月曜までSCCAのクラブマンレースが開催される。YRSでは観戦と試走の
ツアーができないか検討中。参加に興味のある方は発行人までメールを下さい。
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○ YRS卒業生からの質問と回答
< 質問 >
> 私はコーナーリング中にテールブレークなどが起こった際に、いわゆる「タ
> コ踊り」になってしまい、どうにかこれを直したいと思っています。
> ブレークしないように走りなさいと言われるとそれまでなのですが、リスク
> 回避のひとつとして身につけたいと思っています。
>
> とりあえずスリックカートなどに行ってみようかと思っているのですが、効
> 果的な練習方法はありますでしょうか?
< 回答 >
スリックカートは効果ないと思いますよ。乗るんだったら無心に楽しんだ方が
いいです。車重のある実車との関連性は薄いですから「操ることを楽しむ」だ
けにとどめて、過度な期待はしない方がいいと思います。
で、「おつりが来る」話ですが、記憶をたどると○○さんはスロットルを開け
るのが早くて急だったことが思い出されます。
8000回転まで回る、最大トルクが5000回転ぐらいにあるエンジンだっ
たらいいのでしょうが、低回転大トルクのエンジンではスロットルワークが全
ての基本です。
結論から言うと、まずタコ踊りをしない走りをするのが先決です。
低回転大トルクのエンジンを物差しに例えれば5cmの間に100の目盛りが
あります。高回転エンジンではトルクが細いせいもあり10cmのあいだに5
0の目盛りしかありません。
「ひと目盛り分だけ加速しろ」と言われたら、正確に操作できるのは目盛りの
読みやすい高回転エンジンです。
しかし○○さんのエンジンの目盛りは細かいですから、目盛りを正確にたどる
操作が必要です。
スロットルに足を移した時にほとんどの人が踏み込みを同時に行いますが、こ
れはペケです。足を移す時点というのはたいてい過渡期(タイヤのフリクショ
ンサークルから考えると)にありますから、大トルクエンジンではクルマのバ
ランスを崩します。
ます足を移したら、その時の速度でクルマが加速もしない減速もしない状態を
作ることが大切です。クルマをバランスさせるためです。
クルマがバランスしたらステアリングを戻す量(横Gが減る量)に正確に比例
するだけスロットルを開けます。
つまり、今○○さんが行っているスロットルワークはタイヤのフリクションサ
ークルを突き抜けてしまう操作をしているのです。
スラロームをやればよくわかりますヨ。
万が一「おつり」が来そうな場合は、スロットルでまずクルマをバランスさせ
ます。それからステアリングで対処すれば「タコ踊り」は回避できるはずです
。
いずれにしろ、テールハッピーにならないことが大トルク車を速く走らせるコ
ツです。
<意見>
>メールマガジンの「筑波1000の1コーナーエスケープゾーン拡張はダメ」
>というトムさんの記事を拝見して、なるほどなぁと勉強させて頂きました。
>サーキットのエスケープゾーンは広い方が良いと思っていたのですが、やはり
>甘えは敵なのですね(笑)。
<回答>
常に99%で走れる人にはエスケープゾーンは広い方がいいでしょう。時に1
01%になる可能性がありますから。
しかし80%でしか走れない人が99%で走ろうとする場合は逃げ道がない方
が本人のためでもあります。いくらグリーンが広くても、本人が出ても大丈夫
だと思っていても、彼はコースアウトの角度までコントロールできない(だか
ら80%なんですが)のですから、土手に行くまでに転倒する場合もあります
よね。
#もしエスケープゾーンを広げることによって「コースアウトしても大丈夫な
んだ」とか「これで心配なく攻められる」といった考えが先に蔓延するとした
ら、コースアウトする可能性の高い人にとってこれほど危険なことはないはず
です。
いたずらに安全施設を充実させると、自分の限界を無視して「イチカバチカ」
の走りをする人が増えます。
シケインを作ってスピードを落とそうとしたコースオーナーがいましたが、シ
ケインでショートカットをしてスピンしたり他車と接触したりでかえって安全
性が低下したという話があります。最悪なのは、そして残念なのは同時にモラ
ルも低下してしまったことです。「あいつがやっているんだから俺だって」と
か、「クルマがいたんでも速ければ」とか、結果ばかりを短兵急に求めると過
程での楽しみを感じる暇がありません。
#モータースポーツにラップタイムや速さという結果がつき物で、重要な要素
であることはわかります。しかしモータースポーツもスポーツです。眉間に皺
を寄せて、意を決して行うほどのものではないと思います。
#スポーツですから、「みんながこのレベルでなければならない」とか「速く
なければいけない」というものではないはずです。
#こうでなければ、なんて思うのは日本の歪んだ教育システムに染まっている
ようなものですヨ。
#速い人、遅い人、いろいろな人がいて当たり前だと思います。ボクは、YR
Sをどこの町にもある「そろばん塾」や「書道教室」のようにしたいと考えて
います。たまたま使う道具が「そろばん」や「筆と硯」ではなく「クルマ」で
ある点が異なるだけです。
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