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Go ★ Circuits No.101 (07/18/01)

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【 101号の目次 】

※ 筑波サーキット公式ドライビングスクール 参加者募集 7月24日

○ 4ストカートエクスペリエンス

△ ユイレーシングスクールへのメール

● クルマは万能ではない

★ コーナーの向こうに 第五話 ラップタイム その3 トム ヨシダ


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※ 筑波サーキット公式ドライビングスクール 参加者募集 7月24日

24日の筑波ドライビングワークショップは初めての試みとして午前中の定常
円を大きくして行います。直線部分での速度を上げ、慣性とコーナリングスピ
ードが大きくなる方向で設定します。定常円で参加者同士、あるいは参加者と
インストラクターのの追いかけっこも行いたいと思います。

∽∽ どなたでも参加できます。皆さんの参加をお待ちしています ∽∽

・筑波ドライビングワークショップ参加案内:
http://www.avoc.com/school/program/tdq/rule_tdq2001.htm
※定常円のイラストは実際と異なります。

≪参考≫ 筑波ドライビングワークショップ参加者の声:
http://www.avoc.com/data/voice/voice_top.htm


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○ 4ストカートエクスペリエンス

コース1000を49秒台で走る4ストロークカート。速く走らせるのに実車
と同じテクニックがものを言う4ストロークカート。ライセンスのない方もコ
ース1000をカートで走れます。

∽∽ 当日受付けも可能です。コース1000で朝7時受付開始 ∽∽

・4ストカートエクスペリエンス開催案内:
http://www.avoc.com/school/program/kart/kart2001rule.htm


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△ ユイレーシングスクールへのメール

少し前、メールマガジン97号で質問を紹介した筑波ドライビングワークショ
ップ参加者のかたから再度メールをいただきました。みなさんの参考になる点
があるかと思います。抜粋して紹介します。

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= 前略 =

5月6月のタイムトライアルにて、ヒートの空き時間でスタッフの方やトムさ
んが参加者の方と立ち話をしているのを横で聞いていましたが、自分からは的
確なポイントを突いた質問ができない私にとって目から鱗が落ちるようなお話
が多かったです。

聞いていた中で強く印象に残った部分が3つほどあります。
・インフィールドに入って直後の緩いS字の走り方。
・インフィールドから外周に出る時のコーナーの曲がり方。
・最終コーナーの走り方。です。

S字については、確かスープラの方にお話していたと記憶していますが。トム
さんは、ターボ車のトルクと性質を生かしてあえてS字としてではなくてその
箇所をストレートとして捕らえて真っ直ぐ踏むという手もあると、おっしゃっ
ていました。私の車はランサー、ターボ車です。なるほど、そういう攻略法も
あるんだと知りました。

それを聞いてから、両方試してみました。S字の通りに走るのと、直線と見な
して走ること。言われてみれば、確かにS字の中に細い一直線が見えした。真
っ直ぐだからクルマにさせる挙動としては100%の加速が可能。太いトルク
を生かしてコーナー中でも前車を追い迫る事が容易になりました。ランサーに
はどうもこの走り方の方が向いているようです。

インフィールドから外周へのコーナーについては。横Gがかかったままブレー
キングをしてコーナーへ入ることになるので思いっきりブレーキングできない
という相談をされていた方がいました。

この時、トムさんはコーナーに入る前に、少し左へステアを切ってから右に戻
すと車体がニュートラルの状態…ストレートからブレーキングをするのと同じ
ような状態になる…というような事を話されていたと思います。

言われてみれば、それは足し算と引き算の関係なのだと思いました。大きなR
を高速で走り抜ける事から発生する横Gと歪んだ荷重のかかったブレーキング
と、続くコーナー進入による揺り返しに苦しんであそこを一番の苦手としてい
た私はあの時、ひとつの答えを見つけて目の前が開けたような気分でした。

左へ余計にステアを切ってRのかかったストレートを走り、コーナー手前で右
にステアを戻す。それだけの単純な操作で、クルマは簡単に安定した挙動を取
り戻しました。荷重が真っ直ぐになった車体へなら、フルブレーキングでの突
入ができるので、減速に入る寸前までフルスロットルで踏み込めました。

それから最終コーナー。最終コーナーでタイヤを鳴かせている人が殆どいない
と、みんな必要以上に車速を落とし過ぎていると、トムさんがおっしゃってい
ました。

あそこはタイヤが鳴るぐらいで曲がれるコーナーなんだと、鳴らしながら走っ
ていいんだと、それを聞いて初めて気づきました。上記で書いたように外周へ
の出方が上手く処理できていなかったので車速が落ちたまま、更に最終コーナ
ーをこわごわと走っていたのですが。外周への進入がスムーズになるとコーナ
ー入り口でもあまり車速が落ちなくなったので。鳴らすほど走れる場所ならと
思い切って第一コーナーと同じような感覚…バランス?で走らせることができ
るようになりました。

その結果、4月に初めてコース1000を走った時には51秒台でしたが上記
のことを反映させようと努力しながら走ってみたところ。5月12日のタイム
トライアルでは46.465、6月9日は45.817回を重ねるにつれ、ラ
ップタイムを縮めていくことができました。

少しずつ縮まっていくタイムを見ると、次回への期待と希望、そしてやる気が
湧きます。努力した成果が数字として現れるのはとても嬉しいことなんですね。

更に6月9日は春日さんがエア抜きの実演をしてくださいました。自分のクル
マを自分で整備したいのはやまやまですがやり方がよく分からなくて腰がひけ
ていたので実は小躍りしたい気分でいっぱいでした。やり方を覚えたのでこれ
からは自分でエア抜きをしようと思っています。

= 後略 =

走り方はその方の経験の度合、知識の量によって異なります。自分の速さに座
標軸があれば、間違いなく安全に速く走る方法を手に入れることができます。
これから走ろうという方、走っていてもまだ座標軸の見つからない方、ユイレ
ーシングスクールのスクールやイベントに参加してみませんか?


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● クルマも万能ではない

長い間アメリカで暮らしていると日米間で技術についての認識が異なることに
気付く。簡単に言えば、日本はアメリカに比べて数段、技術偏重の度合が高い
。それは、事情は異なるが企業でも消費者でも同じだ。

資本主義社会が熟成していない日本では、同じマーケットで多数の企業が生き
残りのために「商品の技術度」を高めること、すまわち≪販売上の差別化を図
るために≫に奔走してきたことが最大の要因ではあるが、では実際、高い技術
が必要かというと必要でない場合が多い。

そして、問題は市場、すなわち消費者も高い技術を求めることに慣れてしまっ
た点だ。本来、必要な機能さえあれば使い手としては十分なはずなのに、更な
る技術を追い求める傾向から逃れられない。

アメリカに比べ日本の商品群に高い技術力が備わっているのは本来企業の都合
なのに、市場自体が技術度を高めてしまった結果、市場でも技術が「なくては
ならない物」になってしまった。

もともと技術というものは最終的に人間、すなわち使用するものに還元されて
意味を持つ。技術だけが先行すると、人間が技術に振り回されるという本末転
倒な事態が起きる。そして、人間が持っている「工夫」をこらす時間を失う。

様々な面で社会構造の異なるアメリカと直接比較することは難しいが、日本で
は商品に技術とブランドを求め、アメリカでは商品に使い易さと入手のし易さ
を求める傾向にあるのは否めない。いうなれば、付加価値の追求と実体価値の
追求の差だ。

長い間に培われた自己責任がその根底にあるのは間違いないが、社会が技術と
の距離を保とうと啓蒙しているところに最大の開きある。

引用するのは元アメリカ大統領補佐官ジョン・ギボンズのコメント。

『技術は、我々に多くの利便を与えてくれるが、(技術そのものは)完全では
あり得ない。それは、開発や取り扱いにかかわる人間自身が完全ではないから
だ。故意であれ過失であれ、技術には事故が付き物であり、人間の失敗が原因
となることが多いことを肝に命じるべきだろう』

クルマも同じ。技術に対する過度の期待がもたらすものに安全な速さはない。


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★ コーナーの向こうに 第五話 ラップタイム その3 トム ヨシダ

ちょっとすえた匂いのする、壁にシミのあるモーテルで朝を迎える。

長い直線のあるロードアトランタ用にファイナルギアを上げてきたが、初めて
走るコースにマッチするかが気にかかる。「途中で吹け切んなきゃいいけどな
ぁ。」アトランタに着いた時から頭のどこかで考えていたことが、ようやく意
識として現れる。

小鳥がさえずるパドックに到着。テントを抜け出した人々。歯を磨き顔を洗う。

さぁ、レースウィークの始まり。

火曜日は30分の練習。もちろんラップタイムの計測はされる。水、木曜日は
30分ずつの予選。都合90分走ったところでレースが始まる。

ロードアトランタにいる時間が長い割には走る時間は少ない。とは言え、28
クラスを消化するのがから、コースオープンともなればコース上には常に「何
か」が走っている。

「とにかくやるべきことはやったし、やり残したこともないし。」カフェテリ
アに行ってコーヒーを調達。1コーナーアウト側に設けられたスタンドに座る
。煙草に火をつけ深々と吸う。「ウマイ!」

正面には広がる森を切り裂いたところに敷いたようなストレート。左手には一
瞬「これもコース?」と思えるほど急な角度で上っている1コーナー。好奇心
と不安がせめぎ合う。全開で出てくると聞いた最終コーナーは、まだ遠く霞み
の向こう。

「ピーッ」と笛が鳴り最初のグループのプラクティスが始まる。アメリカのレ
ースには、ふつうタイムスケジュールがない。プリントされたものがあるには
あるが、走行順序が書いてあるだけ。スケジュール通りなのは開始の時刻と、
「昼食時間の長さ」だけ。早く終われば次がスタート。遅れれば次も遅れる。
当然。常に進行に気を使わないとならない。時計は頼りにならない。

クルマに戻り着替える。綿のTシャツ。ノーメックスのアンダーウエア上下。
ノーメックスの生地と綿でできたトリプルレーヤーのレーシングスーツ。肌寒
い季節がちょうどいい。グローブとマスクとゴッグルはヘルメットの中に入れ
てロールケージからぶら下げる。

聞けば、GT5クラスのラップタイムは1分36秒あたりが目標になるとのこ
と。ポールタイムは35秒台との予測もある。平均時独152Km。ほぼウイ
ロースプリングスレースウエイと同じ。けっこう速いサーキットだ。

歩くような速度でクルマを進めプリグリッドに向かう。ピットからは前の前の
グループがコースインするところだ。だから、まだ1時間はある。いつものよ
うに、何かを考えるでもなく頭の中を白紙にしていく。

とにかく、自分の経験より、クルマの性能より速くは走れない。まずその両方
をメイッパイ引き出して走ることだ。余計なことはする必要ないが、躊躇して
はだめだ。ただ自分の限界を見極めていれば、「次」が見えてくるかも知れな
い。長いストレートを使えば新しい展開が開けるかも知れない。

「ピーッ!」前のグループがコースインを始める。GT5の先頭でプリグリッ
ドに入る。

スターレットにはクローズレシオのトランスミッションを組んであるが、ギア
比が各コーナーに合うかもわからない。

5点式のシートベルトを締め、ウインドウネットをかける。マスクをかぶり、
ジェット型ヘルメットをつけゴッグルをその上にのせる。グローブをつける。
深呼吸をする。頭をカラッポにするため、腹をできるだけ膨らまして大きな腹
式呼吸をする。

「ピーッ!」ピットロードのコーナーワーカーがゲートを開ける。クルマを進
める。初めて走るアメリカ屈指と言われるロードアトランタ。その第一歩が始
まる。

少し高台になったピットから降りていくとストレートと合流。場所的にはちょ
うど1コーナーに対するアウト側のターインポイントにあたる。

もう一度深く息を吸い、遠くを見る。

朝、ひとりでコーヒーをすすり煙草を吸ったスタンドが視野の片隅に入ってく
る。1コーナーに向かって切り込んでいくと、正面には「壁」のような上り坂
が視界を占める。

− この項続く −


≪資料≫ ロードアトランタコースレイアウト(解説用):
http://www.na-motorsports.com/Tracks/images/ratlanta/ratl.gif

≪資料≫ ロードアトランタオフィシャルサイト:
http://www.roadatlanta.com/flashintro.htm

≪資料≫ スクラップブック:
http://www.avoc.com/data/scrap/scrap_book.htm
レース用スターレット:02/05/01
ロードアトランタ1コーナー:02/15/01


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