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Go ★ Circuits No.99 (07/07/01)

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【 99号の目次 】

※ 筑波サーキット公式ドライビングスクール 7月24日

□ 第3回筑波スプリント&タイムトライアル参加申し込み受付中

△ Q & A ダブルクラッチ

▲ Q & A 走行会


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※ 筑波サーキット公式ドライビングスクール 7月24日

24日に行われる第10回筑波ドライビングワークショップについてです。

ユイレーシングスクールでは現在のTDWの次のステップを模索していました
が、24日のTDWでは午前中の定常円を大きくして行います。もうすこし直
線部分での速度を上げ、慣性とコーナリングスピードが大きくなる方向で設定
をするつもりです。

また時間的な余裕があれば、定常円で参加者同士、あるいは参加者とインスト
ラクターのの追いかけっこを行いたいと思います。

午後のコース1000の走行では、1セッションだけ「逆周り」を試してみた
いと思います。

・筑波ドライビングワークショップ参加案内:
http://www.avoc.com/school/program/tdq/rule_tdq2001.htm
※定常円のイラストは実際と異なります。

≪参考≫ 筑波ドライビングワークショップ参加者の声:
http://www.avoc.com/data/voice/voice_top.htm


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□ 第3回筑波スプリント&タイムトライアル参加申し込み受付中

7月6日現在、筑波スプリントの参加車両(13台)は以下の通りです。

フィアットパンダ
プジョー205
アルテッツア
カローラFX
スバルインプレッサWRX
スカイライン
RX−7
スズキカプチーノ(ノーマル)
S2000(ノーマル)
セリカ(ノーマル)
ユーノスロードスター
ポルシェ911ルーフRCT
シビックタイプR

また筑波タイムトライアルは現在9台の参加です。

みなさんの参加をお待ちしています。

・筑波スプリント案内:
http://www.avoc.com/school/program/sprint/sprint2001rule.htm

・筑波タイムトライアル案内:
http://www.avoc.com/school/program/time_trial/trial2001rule.htm

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△ Q & A ダブルクラッチ

BBS@YESに寄せられた質問の回答です。

[Q]
こんにちは。教えて頂きたいことがあります。シフトダウンのときスロットル
をあおって回転を合わせて繋ぎますよね。私はちゃんと出来ないんですけど。
そのときダブルクラッチを使用すべきなんでしょうか。クラッチを1回切って
、あおって下のギアへ入れて繋ぐのと何か違いが生じるのでしょうか。ちなみ
にシンクロとかちゃんとついてるクルマでの話です。クルマの構造とかもあま
りよくわかってないので恐縮ですが、どなたか説明していただけませんでしょ
うか。両方やってみれば?と言われればそれまでなんですが、うまく出来ない
んです。

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[A]
質問の内容はシフトダウンの際にダブルクラッチを使うべきかシングルクラッ
チでもかまわないのか、という点についてです。

ギアチェンジとは、求める速度で走るためにエンジンの回転数=駆動力を変え
るために行います。例えば時速100Kmで走る時、3速なら5000回転、
4速なら3500回転、5速なら2500回転で走ることができるとするなら
ば、低いギアほど駆動力が大きくなります。当然か低いギアの方が大きな加速
度を得ることができます。

この時、クラッチをつなげばトランスミッションの中にある3速〜5速の各ギ
アは異なる回転数で回ることになります。ですからギアチェンジをする場合、
変えるギアの回転を適正に保たなければギアがかみ合ってくれません。つまり
ギアチェンジができないのです。

アップシフトはより回転数の低いギアに変更するわけですから回転差はそれほ
どでもないですし、スロットルを閉じることでエンジンの回転が下がりますか
らそえほど問題にはなりません。しかしダウンシフトの際は、その時点で変更
したいギアははるかに高い回転数を必要としますからかみ合うことができませ
ん。

そこで、ある速度で走っていて下のギアに落とす時にダブルクラッチを使い次
のギアの回転数を高めます。

クラッチを切る(1)→ギアをニュートラルに戻す→クラッチをつなぐ(エン
ジンの回転数とギアの回転数が同じになる)→スロットルを必要なだけ開ける
(エンジンの回転数=ギアの回転数が上昇する)→クラッチを切る(2)→下
のギアに入れる→クラッチをつなぐ、という一連の操作がダブルクラッチです。

しかしながら現在のクルマのトランスミションにはほとんどと言っていいほど
シンクロという機構がついています。シンクロはギアチェンジの際に、それが
アップシフトであろうとダウンシフトであろうと、各ギアの回転数を一致させ
る役割を担います。ですから、アップシフトの時には問題なくどのギアにも入
りますし、ダウンシフトの際も抵抗はありますが下のギアに入れることができ
ます(無理に入れることは適正な使い方ではありませんが)。

従って、ダブルクラッチが必要かとの質問には≪機構的≫には必要ないないで
しょう。

ただし、機械的にシングルクラッチシフトが可能だと言っても、ことダウンシ
フトに関しては注意が必要です。なにしろ、クラッチを1回切るだけでダウン
シフトができたとしても、「その時の車速と下のギアの回転数」は一致してい
ないわけです。下のギアに入ったからといってクラッチをつなげば、その時点
ではトランスミッションのアウトプットシャフトの回転数=タイヤの回転数の
方がギアの回転数より高いわけですから、急激なエンジンブレーキが働くこと
になります。

ですから、シングルクラッチのダウンシフトが「可」としても、クラッチをつ
なぐ前にエンジンの回転数を上がる必要、つまりスロットルをあおる必要は残
ります。

つまりレーシングトランスミッションのようにシンクロ機構を持たない場合は
別として、現在ではシングルクラッチでダウンシフトが可能になりました。そ
の楽になった分、クラッチをつないだ時にエンジンの回転と車速が合うように
≪スロットルをあおる≫ことに集中するとクルマはスムースに走ります。

余談になりますが、今でこそフルシンクロという全てのギアにシンクロ機構が
ついているのがあたりまえですが、昔のクルマには1速にはシンクロがついて
いないのがほとんどでした。2速の時速15Kmほどで走っている時、ダブル
クラッチを「駆使して」ギアも鳴かせず変速ショックもなく1速に落とせると
鼻が高かったものです。

コンベンショナルなレーシングトランスミッションにはシンクロ機構がついて
いません。軽量化と部品点数が増えることでのトラブルを嫌った結果です。シ
ンクロの代わりにドッグクラッチがついています。簡単に言うと、ギアがつな
がる直前に異なるギアの回転数を「強制的に」合わせてしまおうという機構で
す。

このためアップシフトはクラッチを切らなくても可能です。バイクの常時噛合
式トランスミッションとおなじようなものです。ダウンシフトの際もダブルク
ラッチの必要はありません。回転数さえ合っていれば、クラッチを切らなくて
もダウンシフトすら可能です(時間的なロスとミスした場合のことを考えると
適切ではありませんが)。

その意味で、ダブルクラッチは前時代の「懐かしさ」の中に埋もれてしまって
いるようです。

トム ヨシダ、セニアインストラクター

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▲ Q & A 走行会

発行人宛に質問をいただきました。本人の了解をとりメールマガジン上でお答
えします。

[Q]
こんにちは、以前に何度かメールで質問させていただいたことがあります。メ
ールマガジン98号のラップタイムの件で、質問させてください。

何度かユイレーシングさんのイベントに参加しようとしていましたがなかなか
都合がつかないまま、今に至っております。その間にも何度か都合のついたコ
ース2000の走行会などには参加しているのですが、コース2000の走行
会となると、一度に走る台数も30台を越え、コース上が渋滞したりします。

ドライバーによっては、こういう状況だとペースダウンしてクリアラップをと
ろうとする方もいらっしゃるようですが、私自身は貧乏性のせいか折角走るの
にもったいない、とばかりに走っちゃいます。

レースではなく、こういう渋滞の中でも走ることにはあまり意味はないのでし
ょうか。

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[A]
結論から言いましょう。渋滞の中で走ることに意味があるかどうかと聞かれれ
ば、「それは本人次第でしょう」と≪最近は≫答えます。

#日本に来た頃は「なんであんなんが楽しいのかね!意味ないじゃん」と言っ
て周りからにらまれていましたが。
#ある日、大勢のGTRやRX−7の中に混じって走っていたシビックがほと
んどコーナーではインにつけないばかりか、速いクルマをよけるためにライン
も無視して走っているのを見たことが理由のひとつです。


サーキットを走ることは、ある意味で特殊なことです。走りに行こうという意
思が必要ですし、費用もばかになりません。走ったら走ったで危険もともない
ます。それでも走る人は走ります。

なぜ走るのでしょうか?

ひとそれぞれに理由はあると思います。レースに出場するためとかレースに勝
つために練習をする人もいるでしょう。クルマに手を加えたのでその効果を確
認するために走る人もいるでしょう。明確な目的を持って走っている人たちで
す。ボクの場合も、なにがしかの目的があり、動機があり、必要性がある時に
走ります。

ところが、日本で常に「なぜ?」と思うことが多いのはそういった目的が「見
えない」場合が多いからです。質問された方も、現状の「混雑した走行会なり
スポーツ走行」に疑問をお持ちなのだと思います。要するに「これじゃぁなぁ
」と言う部分にすっきりしないものがあるのではないでしょうか?


もちろんクルマは走らせるだけでも楽しいものです。スロットルを開ければ、
数秒も経たないうちに「人力」」では経験することのできない「速い世界」を
味わうことができるのが最大の理由です。サーキットで走る場合もここが全て
の原点です。

では、その次の段階で何を求めて、あるいは何を期待して走るのでしょうか?


この問に答えるのは不可能です。100人いれば100通りの答えがあるでし
ょう。1000人いれば1000通りの答えになるでしょう。それでかまわな
いと思います。

しかしながらYRSは「レースに出よう」と訴えています。矛盾しているよう
に聞えるかもしれませんが、そう主張するには次のような理由があります。

1)走りたいと思う人口に対して、日本は圧倒的に「走る場」が少ない。
2)ラップタイムだけが先行するスポーツ走行や走行会が多い。
3)サーキットを走るために必要なコストの対価が低い。

つまり、ラップタイムが伸びなくて悩んでいる方に対してだけではなく、今回
のような質問に対するユイレーシングスクールなりの答えも「レースに出てみ
ませんか?」なのです。


何かを求めてサーキットを走るのは当然です。みなさんは何を求めますか?

ボクの場合は「気持ちよさ」がその最たるものです。ではどんな時に気持ちが
いいのか?それは自分のテーマに対して期待していた結果が出ることです。換
言するならば、気持ちよさとは達成感に置き換えることができます。「進歩」、
「インプルーブメント」と言ってもさしつかえないでしょう。

それがスクールであろうとレースであろうと、ボクはコースインゲートに並ん
だ時に必ずテーマを用意しています。逆にテーマが見つからない場合は絶対に
走りません。走っても達成感を得られないのはもちろん、気持ちよくもないか
らです。サーキットを走ることは、それがベテランであろうとビギナーであろ
うと危険が伴います。ですから、サーキットを走る時に自分に課す最低条件が
テーマを持つことなのです。

次に、テーマに対して努力する時(努力という言い方もおかしなものですが)
には、できる限りテーマを「まっとうしやすい状況」で走ることです。

混雑したサーキットでもテーマを追いかけることができるならば走ります。混
雑したサーキットを走ることでしあ得られないものをテーマにしていれば走り
ます。しかし、そうでないテーマの場合は走りません。

例を上げましょう。

前号でも書きましたが、2時間耐久レースをノーマルのビッツ1000で走り
ました。この時のテーマは「日常に使うクルマでレースに出た場合、日常の使
用に支障のない範囲に限ってどのくらい速く走らせられるか」でした。それで
得た結果が51.457秒と言うベストラップと≪日常での使用と変わらない
トレッドの磨耗≫でした。十分な成果がありました。

「あの走り方」をする限りにおいては、レース用のタイヤを用意することなく
タイヤの減りを心配することなく1セットのタイヤで年間5回の2時間レース
と日常の使用が十分可能だと判断できました。

#オーナーであるスタッフの久我さんはレース後のトレッドを見て驚いていま
した。ボクにとっては当然でも、レースともなれば違った見方もあるものです
。ですが、あの時のテーマは「走り方」。ラップタイムはあくまでも「あの走
り方」の結果なのです。つまり「ふだん使っているクルマで耐久に出たいんで
すけどタイヤは別に用意したほうがいいですかね」と聞かれた時の答えを手に
入れたのです。

アメリカでミヂェットに雑誌の仕事で試乗することになった時。迷わずにダー
トトラックを貸しきりました。混走の方が安くつくのは決まっています。です
が、テーマが初めて乗るミヂェットをコントロールすることとできるだけ速く
走ることですから、自分のことだけに集中できる状況を用意することは当然の
ことです。

#遠慮する必要がないですから、トラックの端から端まで使ってミヂェットに
慣れるように振り回して走りました。蛇行運転もしました。フルブレーキング
でコース上に止まってみました。結果としてごく短時間にミヂェットの3輪ブ
レーキにも外径の極端に異なるリアタイヤにも慣れ、試乗車を提供してくれた
オーナーが驚くほどのペースで走ることができました。


で、「レースではなく、こういう渋滞の中でも走ることにはあまり意味はない
のでしょうか」との問いに対してです。

「あなたは渋滞の中で走ることで何を得ようとしているのですか?何か得るこ
とができましたか?」


ぜひ筑波スプリントに参加して下さい。本来の意味での渋滞の面白さを味わえ
ることを保証します。またテーマの設定の仕方についても相談にのれます。


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