Home > YRS Media-Info >

≡≡ Yui Racing School presents ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

Go ★ Circuits No. 83 (03/30/01)

===================================

【 83号の目次 】

☆ YRSサイト アップデート

● 筑波エンデューロ参加申し込み受付け中

□ 筑波タイムトライアル参加申し込み受付中

△ コーナーこちらで。

○ コーナーのむこうに。 第四話 VR その1

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

☆ YRSサイト アップデート

・筑波スプリントのポイントスタンディングを掲載(遅くなりましたが)
http://www.avoc.com/result/race/sprint2001/index_ts2001.htm

3月のYRSサイトは2月に引き続き4万6千PV突破が確実になりました。
ご愛読に感謝します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

● 筑波エンデューロ参加申し込み受付け中

まだ間に合います。4月28日(土)に開催される「ふつうのクルマ」による
耐久レースに興味のある方はぜひ参加して下さい。

筑波エンデューロ規則書
http://www.avoc.com/school/program/enduro/enduro2001rule.htm

※4月28日にはカートレースも行う予定です。詳細は次号のメールマガジン
で発表できると思いますが、筑波エンデューロ観戦かたがたぜひ多くの方にお
出でいただきたいと思います。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

□ 筑波タイムトライアル参加申し込み受付中

4月28日(土)に第6回YRS筑波タイムトライアルが開催されます。

3月10日の第5回に1台ずつ走行して計測するフォーマットを採用しました
が、走行時間を増やしてほしいという要望が多数ありましたので、昨年来行っ
てきた同時走行のフォーマットに戻して行います。

プラクティスでのラップタイムを参考にし、速さに差がない車両のグループを
再編成してタイムトライアルを行います。

筑波タイムトライアル開催要項
http://www.avoc.com/school/program/time_trial/trial2001rule.htm

筑波タイムトライアルレポート(2001年分)
http://www.avoc.com/result/ttt/index_tt2001.htm

筑波タイムトライアル参加者アンケート集計(2000、2001年分)
http://www.avoc.com/data/voice/voice_top.htm

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

△ コーナーのこちらで。

過日、打ち合わせのために筑波サーキットに行った時のこと。コース2000
ではフォーミュラカーとレーシングカーのスポーツ走行が進行中。

フォーミュラカーはFJ1600とF4、そしてフォーミュラトヨタが30台
近く。けっこうな混雑具合。レーシングカーはワンメイクレースのビッツやシ
ビックなどなど。

ところが、走行が始まるたびに必ずといっていいほど赤旗中断。原因は、スピ
ンしてコース上にストールしたマシンの排除やコースアウトしてコース上にば
ら撒かれた大量の土の掃除だったり。

もちろん、走行を続行することが危険だから赤旗が出るのではあるけれど、そ
の都度走行時間が短くなる。極端に中断時間我長くなった場合は終了時間を延
長するとかの措置をとるそうだが、何事もなければ十分に走れるはずなのに実
にもったいない。

しかも、その原因は全てドライバー自身の初歩的ミスに拠るもの。ヘヤピンの
立ち上がりでパワーオーバーになってスピン。1コーナーのブレーキングで前
車を追い越したのに車速を落としきれずスピン。いずれの場合もコントロール
することは不可能ではなかったが、それができなかった!

まるでレースさながらに走行を続けるフォーミュラカーを見ながら、いささか
気が滅入ったものだ。

理由はふたつ。

ドライバーが簡単にミスを犯すことへの苛立ちと、タイヤを含めたマシンの性
能が高すぎることへの落胆。

繰り返しになるが、「攻めてるんだからチラカルかも知れない」とか「攻めた
結果だからしょうがない」と思うのは間違い。自己責任の欠如でしかない。自
身と周囲を危険に陥れる可能性を秘めた「攻め」なんてあるはずがない。それ
では公道をかっ飛ばすのと変わりはない。クルマの運転が個人のものではなく
社会活動の一環だという意識が欠落している。

ドライバーはもっと覚醒した意識を持つべきだ。「乗せられている」状態や「
雰囲気を楽しむ」ヒロイズムの先には、安全も楽しみもありえない。

現在の日本のフォーミュラカーの底辺がスバルの水平対抗エンジンを搭載した
FJ1600。入門用にもかかわらず、ワイドトレッドの上に前後ともインボ
ードサスペンションがおごられ、極端に落とした車高は空力効果も生む。しか
もタイヤはスリック。求められるテクニックはFJ1600に特化したもの。
不特定多数の人に体験することを勧められるシロモノではない。

はたして現行のFJ1600が入門用フォーミュラとしての役割を担っていい
ものか。たしかに速さはある。しかし、そのデザイン思想はマイクロF1だ。
速く走ることが優先された結果、楽しみの部分が確実に減っているような気が
してならない。

風のあたるマシンに乗りたい人がいるのは事実。しかし人間がコントロールを
楽しめるマシンが出てこないことには、日本のモータースポーツは不毛のまま
終焉を迎えるしかないのではないか。

関連記事
http://www.avoc.com/data/articles/opinion/o9907.htm

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○ コーナーのむこうに。 第四話 VR その1

みなさんは「ミヂェット」というレーシングカーを知っていますか?英語では
「Midget]と書きます。1930年代初めに始まったフォーミュラカー
レースに出走するクルマです。

インディ500というレースはご存知だと思います。1周4Kmのレキュタン
グラーオーバル(完全な楕円ではなく4つの角のあるオーバルコース)を20
0周、800Kmに渡って繰り広げられる「Most Spectacle S
ports of The World:IMSの商標」です。

このインディ500を走るマシンがインディーカー。インディーカーもIMS
(インディアナポリスモータースピードウエイ)が商標を持っていますが、か
ってはチャンプカーと呼ばれていました。

チャンプカー。すなわちチャンピオンシップカーの最初のレースは1907年
に行われたと文献に書いてあります。インディ500の第1回が1911年で
すから、それよりも昔にアメリカで唯一の競技専用車両としてレースを行って
いたのがチャンプカーです。その世界大会として毎年5月のメモリアルウィー
クエンドに開催されてきたのがインディ500です。インディ500にはF1
が挑戦したこともありますし、チャンプカーが大西洋を渡ってイタリアでレー
スをしたこともあります。

インディーカーの歴史についてはまたの機会に譲るとして、ミヂェットの話に
戻ります。

1910〜20年代、チャンプカーレースは全米を転戦し、その迫力は多くの
人を魅了しました。最も開催された年には年間76レースものチャンプカーレ
ースが行われたのです。まだ、人々の移動もママならない時代です。ドライバ
ーは英雄でした。「俺もレースをやりてぇ」という人もたくさん現れました。
しかし、チャンプカーは製作費はもちろんランニングコストもふつうの人がや
るには高すぎるシロモノでした。

人々は工夫し、裏庭で自製のレーシングカーを創り始めます。そのムーブメン
トがミヂェットレースの誕生につながります。

V型8気筒エンジンを縦に半分に切って4気筒エンジンを作り、チャンプカー
の長いフレームを切り貼りして小型のフレームを作りました。レースはお金の
かかるものですが、ようやく無理すればふつうの人にもできるレースが誕生し
たのです。ミヂェットという名も、そこから来ています。そう。「小型のチャ
ンプカー」です。

70年も前に生まれたミヂェットですが、世の中の流れに逆らい(?)、いま
だに当時の形式を保っています。

フロントエンジンに後輪駆動。前後の車軸はソリッドアクスル。実に古典的な
競技用車両なのです。

形を変えない理由はいろいろとありますが、最大の理由は主催者がかたくなに
ミヂェットを入門レースとして位置付けているからです。

とは言え、ミヂェットも専用車両ですから誰でもおいそれとは乗れません。モ
ータースポーツ人口の増加にともない、現在はミヂェットの下にミヂェットの
利点を生かしたカテゴリーが6つも生まれました。市場の拡大に合わせた環境
の整備。アメリカンモータースポーツが盛んなのは「思想」がはっきりしてい
るからです。

「コーナーの向こうに」の第四話はミヂェットを取り上げます。日本とは共通
点が全く無いカテゴリーですが、その根底に流れるデザイン思想や主催者の意
識には「クルマの楽しみ」に対する情熱があふれています。ミヂェットを紹介
することで、「クルマを操る楽しさ」について今一度考えていただければ、こ
れほど嬉しいことはありません。

∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞

ロサンゼルスのダウンタウンから西へクルマで1時間。太平洋岸を走るフリ
ーウエイを進むとベンチュラ市に着く。産業は無く農業地域。位置的にはカリ
フォルニアのワインカントリーの南端。

フリーウエイをおりて古い町並みを進むとベンチュラカウンティフェアグラ
ウンドが現れる。フリーマーケットを行う巨大なドーム。フットボール場。そ
の中のひときわ高い建物がベンチュラレースウエイ。

全米に770箇所あまりあるダートのオーバルトラックのひとつ。アメリカ
的に言えば、クォーターマイルダート。1周400m。ターンのカントが5度
ほど。2500人しか(!)入れないグランドスタンドがなければ、どこにで
もある陸上競技場と見まがう。

毎年、3月の第2週から11月の第2週まで毎週ここでサタデーナイトレー
スが開催される。レースの種類は様々。ストックカーもあれば、2輪もある。
そんな中で注目を集めるのがミヂェットレース。ダートトラックではミヂェッ
トレースが主役をつとめるほどに、アメリカのモータースポーツの懐は深い。

ダートトラックに興味を持つようになったのは、2度目に渡米した時、ロサ
ンゼルスのダウンタウンから遠くないガーデナにあったアスコットレースウエ
イを取材してからだ。「とにかく滑るはずの路面を信じられないくらいの速さ
で走るモータースポーツがアメリカにはある」− その時の正直な感想。

クルマが円運動を始めると遠心力が働く。当たり前の話。クルマが路面にグ
リップしていなければ円運動の外側に向かって「飛んで」いってもおかしくな
い話。それなのにフルカウンターを当てながら見事な円運動の連続。ここが鍵
だ。

フルカウンターを切りながらもクルマが前に進む。ということは後輪はまち
がいなくスライドしている。前輪もスライドしている。なにしろ、前輪の向き
とクルマの進行方向が一致していないのだから。つまり、クルマが路面の上を
完全に滑りながら円運動している。

「タイヤはグリップするもので、いいタイヤを履けばそれだけコーナリング
スピードは上がる」と盲目的に信じている人には理解しがたいだろうが、ダー
トトラックを走るマシンはあたかも土の中にレールが隠されているのではない
かと思うほど、きれいなラインをトレースして信じられない速度で周回を続け
る。

初めてダートトラックでの妙技を目の当たりにした時、まず脳裏に浮かんだ
のが「自分にもできるだろうか?」

なんであんなにカウンター切っておつりがこないんだ?
どれだけスライドするかどうしてわかるんだ?

その答えを探しにベンチュラレースウエイ詣でが始まる。

はたして、その答えは何十年もの歳月をかけて創られたミヂェットの乗りや
すさにあった。

スライドするマシンが乗り易い!滑っても恐くない!コントロールできる!

その事実を見つけた時、クルマは本当に楽しいものだと思った。クルマを操
るということはハードではない。楽しさを求める人間の営みのひとつなのだと
確信した。

そして、「クルマに頼っていたり部品に速さを求めるのは筋が違う」、「ど
んなクルマでもそれなりに操れば楽しいものだ」という自論が間違っていない
ことに胸をなでおろした。


<VR編は次号に続く>


∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞


関連記事
http://www.avoc.com/data/articles/opinion/o9905.htm

ビデオ「ミヂェットレースへの招待」の通信販売
http://www.avoc.com/mail_order/yrs/y1_video_midget.htm

アメリカのダートトラックレーシングスクール
http://sprintcar.com/school/
※600馬力エンジンを搭載したタンデム2座席のスプリントカーに乗ること
ができます。400mだーとトラックを12秒で走り切る世界を垣間見ること
ができます。


******************************************************* 奥付け ***
□ メールマガジン " Go − Circuits "
□ オリジナルサイト:http://www.avoc.com
□ Copyright 1986-2001 AVOC CORPORATION

本メールマガジン、オリジナルサイトの全部、または一部を複製
もしくは引用されたい方は、事前に発行人までご連絡ください。

mailto:publisher@avoc.com
------------------------------------------------------------------
下記のURLで購読中止・配信先変更の手続きが行えます。
◇ まぐまぐ: http://mag2.com
◇ ココデメール: http://mail.cocode.ne.jp/kaijyo.html
◇ パブジーン:http://www.pubzine.com/detail.asp?id=2150
◇ クリックインカム: http://clickincome.net/mg_lt/car1.html

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ Presented by Yui Racing School≡