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Go ★ Circuits No. 80 (03/04/01)

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【 80号の目次 】

☆ 参加者募集 筑波スプリント・筑波タイムトライアル

★ 参加費割引き中 筑波サーキットドライビングワークショップ

● 筑波エンデューロ参加車両貸し出し その2

○ コーナーのむこうに。 第三話 WIR その8

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☆ 参加者募集 筑波スプリント・筑波タイムトライアル

3月10日の筑波タイムトライアルと筑波スプリントに参加される方の申し込

みを受け付けています。

筑波タイムトライアル
http://www.avoc.com/school/program/time_trial/trial2001rule.htm

筑波スプリント
http://www.avoc.com/school/program/sprint/sprint2001rule.htm

> #参加申し込みが定員の半数に満たない場合は、サーキットを走行したこと
> の無い方を主な対象として体験走行会を行うつもりです。詳細は次号のメー
> ルマガジンとBBS@YRSで告知しますので、コース1000を走ってみ
> たい方はぜひおいで下さい。

BBS@YRS
http://www.island.ne.jp/land/yrs/yrs.bbs

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★ 参加費割引き中 筑波サーキットドライビングワークショップ

3月13日開催の筑波ドライビングワークショップの参加申し込みがまもなく
定員に達するものと思われます。ドライビングワークショップへの参加を考え
られている方は4月10日のドライビングワークショップに参加されることを
お勧めします。

4月10日の筑波ドライビングワークショップに参加される方には、当日筑波
タイムトライアルの参加費割引券をお渡しします。

筑波サーキットドライビングワークショップはジムカーナ場とコース1000
を使ったユニークなドライビングスクール。クルマさんとお友達になるにはう
ってつけのプログラムです。
http://www.avoc.com/school/program/tdq/rule_tdq2001.htm

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● 筑波エンデューロ参加車両貸し出し その2

4月から「ふつうのクルマ」を使った2時間耐久レース、筑波エンデューロが

始まります。

前号でレビンの貸出について告知したところ、参加を希望される方から連絡を
いただきました。個別に貸出条件等をお送りしましたが、今回は貸出車両の第
2弾についての報告です。

筑波サーキットのゲート前にカープラザメッカがあります。オーナーは中山松
雄さんといって、その昔、唯一プライベートでワークスチームを破ったことの
ある人物です。メッカではYRSの運営方針に賛同し、同社が所有するEP7
1のレース仕様(JAF登録車両で公認レースにも参加できる車両です)を無
料で貸し出してくれることになりました。

YRS主催の2時間耐久レース、筑波エンデューロに参加してみたいけど車両
の手配がつかない方にお貸ししたいと思います。

クルマはメッカに置いてありますので、運搬の必要はありません。

興味のある方は連絡して下さい。
mailto:publisher@avoc.com

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○ コーナーのむこうに。 第三話 WIR その9

SCCAのクラブマンレース。カリフォルニアスポーツカークラブが主催する
それは、30分の練習と30分の予選、そして決勝レースが行われる。

練習では「未経験」のこともトライするが、それもわずか。なにしろ全ての消
耗を最低限に抑えなければばらない零細チーム。できる範囲で「それなりに」
走ることが楽しむ秘訣。足りない点は「走っていない時に頭を使って埋め合わ
せる」。それがチームの方針。

予選は5周しか走らない。夏の暑い時には走行を2回に分けて合計7周ほど走
ることもあるが、基本的には計測3周目にベストを出すリズムを作る。

次々と練習が進み予選の時間になる。前の前のグループの予選が始まる。前の
グループのクルマがプリグリッドに並びだす。我がKP61をその最後尾につ
ける。自分のグループの先頭に並べるためだ。

自分の予選開始まで1時間。一度トレーラーに戻り一服。適当に水分を補給。
前のグループが動き出す前にレーシングスーツに着替え、クルマに乗り込む。


自分の流儀で数レース消化した頃だった。クルーチーフ兼奥さんが言う。「5
周しかしないんだから、それまでトレーラーにいれば!」

そうなんだ。日較差の激しい砂漠では夏のレースともなれば、外気温が40度
を超えることも珍しくない。一番暑かったレースは華氏で110度、摂氏で4
3度あった。そんな中、クルマに座っているのはおかしいと思われても不思議
ではない。事実、ほとんどのドライバーが自分達で立てた仮設テントの下から
直接予選に出走する。

バラクラバ(ヘルメットの下につける防火マスク:着用義務付け)とヘルメッ
トをつけていなくても汗が滴り落ちる。Tシャツの上にノーメックスのアンダ
ーウエア、その上にトリプルレイヤーのレーシングスーツを着れば熱くないわ
けが無い。それでも、夏であろうと秋であろうとプリグリッドの先頭にクルマ
を置き、前のグループの走行が始まるとクルマに乗り込み6点式シートベルト
を締め上げる。

決してナーバスになっているから早く乗り込むのではない。その気になればプ
リグリッドにクルマを置いてから日陰に駆け込むこともできる。真っ先にコー
スインできる位置にクルマを並べ、30分も前からクルマに乗り込むのは、自
分で決めた自分のための儀式だ。それなりに走るための準備でもある。

軽自動車免許があった時代。物理的には16歳からレースに出場することが可
能だった。実際、軽自動車を大幅に改造したレースが頻繁に行われていた。し
かし、いろいろ手をつくしても自分がレースに参加することは不可能だった。

中学生の時に描いた夢を実現できた時、実に20年近く経っていた。それも日
本ではなくアメリカでの話。

バケットシートに身を沈め陽炎の立つピットロードに目をやる。いろいろなこ
とが頭の中を過ぎる。それはいつも変わらない。「あのコーナーはどうやって
攻めるか?」に始まり、「今日のライバルは誰かな?」と続き、自分でも意識
していないことを考え、いつしか「今日も大好きなレースができる!」と収束
する。頭の中は、ほぼ空白。なぜか目頭が熱くなることさえある。

そんな頃、メーターパネルを触ったら火傷しそうな室内にいるはずなのに暑さ
が遠のく。心なしか汗が止まったようにも思える。

「そう。自分は決して速いドライバーではない。速く走りたいとは思うが、速
く走れるかどうかは別の問題。しかし、クルマは遅くはない。結果を出すため
には『自分がキチンと乗る』ことだ。」

いつもそんな結論を出しながら前のグループがチェッカーフラッグを受けるの
を眺めていた。

ピットワーカーの笛が鳴る。「いよいよだ。」

カットオフスイッチ(キルスイッチ)をオンにする。続いてルーフコンソール
に付けられた燃料ポンプ。2基の電磁ポンプがカタカタカタと音を立てる。じ
ょじょに現実が戻る。イグニッションオン。ゆっくりとスターターを押す。パ
ートスロットルにした2基のウエーバー45DCOEの吸気音が聞こえたかと
思うや、ドライバー席の横に出したストレートパイプから轟音が沸きあがる。


不思議なほど自分の気持ちが平和なのを覚える。これからやろうとしているこ
とも何をするべきかもわかってはいるが、それが頭の中を支配していることは
無い。

ピットワーカーが手招きする。ゆっくりとクラッチを切り、さらにゆっくりと
シフトを1速に入れる。できるだけ低い回転で、エンストしそうなほど低い回
転でクルマを動かす。

ピットワーカーがサムアップ。ちゃんとその人の目を見て手を上げる。

ピットロード。目の前に赤茶っけた山肌が広がる。コースインの周はショート
シフト。よく調整されたエンジンは3000も回せば機嫌を損ねることも無い
。

1コーナー。コーナーワーカー全員がコース際まで出てきてサムアップ。しっ
かり見えるように手を振る。「今日もお世話になります。」

レースに出たくても出れない日々。都合8年間。鈴鹿サーキットのコースオフ
ィシャルとしてコースインするクルマに手を振り、チェッカーフラッグを受け
たクルマを拍手で迎えたことをいつも思い出す。

駆動系によけいな負担をかけないようにステアリングとスロットルの操作は最
小限。タイヤを暖めるためのウエイビングはしない。暖めるのならばゆっくり
とした加減速でも可能だ。

2コーナー。気をつけるのはコースの状態。意識的に頭を後ろに引き、少しで
も広い視野で情報をあつめる。

露出した岩がゴロゴロしている南カリフォルニア特有の山肌をぬい、ゆっくり
走ればなんてことのない6コーナーを抜ける。そろそろ駆動系のオイルも温ま
った頃。デフ潤滑用のオイルポンプのスイッチを入れる。目の前には8コーナ
ーに続く長い走路。

もう一度自分が腹式呼吸をしているか確かめる。一度だけ、鼻から強く息を吐
く。

それが合図。右足に力をこめる。室内が静かになったかのような錯覚。速さが
音を置いてきぼりにし始める。

<WIR編は最終回に続く>

WIRコースレイアウト
http://www.willowspringsraceway.com/images/WillowSpring.GIF


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